―いつかのある日―
[人狼の騒ぎが一段落し。村長邸も含め、村に潜んでいた人狼は全て“退治”されたと結社が判断を下せば、村に来ていた結社員もその役目を終えて去っていくのだろう。
その前に、女は集会所によく来ていた結社員…ローズマリーに会いに来ていた。
もし。結社員たちが来ていなければどうなったのか。
人狼だったという彼らは、人のふりをして人間を襲い続けただろうか。結社員は、自分たちの代わりに直接の処刑をする役目を負っていたし、もしかしたら人狼に村を滅ぼされていたかもしれない。しかし、人狼と同じ場所に閉じ込められなければ、鳥使いの青年は生きていたのかもしれない、という思いもあり。]
―――…世話に、なったね。
[素直に礼を言っていいものか。だから、口から出たのははっきりとした謝礼ではなくて、そんな言葉。]
(30) mikanseijin 2010/02/28(Sun) 17時半頃