[しばらくの後、部屋の明かりが何回かの点滅後に灯った。
闇の中でこめかみを押さえていた片手を蛇口の下に戻し、ざっと流して水を止める]
なんだったのよ…もう…ちゃんとやってよ。
[白衣に包んだ肉塊を抱え、廃棄物用の大きな金属製のコンテナへ投げ入れた。
包みが解けて白衣がはみ出し、覗き込めば中身が見える程だが捨てたものは気にしない。
と、その時サイモンの死を報告する放送>>@1が耳に届く。
驚きで唖然としたものの、そこから適合者の存在可能性を連想すると]
サイモン博士が、死んだ?
まさか本当に適合者が現れた…んじゃないわよね。
あの人、適合者判定のプログラムは完成させたのかしら。
そこだけが気がかりだわ…。
[廃棄物のコンテナを押して研究室を出る。
向かうのはサイモン博士の部屋ではなく、廃棄物の処分エリア。
捨てたものは気にしないと言っても
興味のないものをいつまでも部屋に置く気には*ならなかったのだ*]
(29) 2010/10/29(Fri) 15時半頃