[降り注ぐ、太陽の光に目を覚ますと目の前にラルフの顔があり、ぎゃあと驚きの声を出す。どういうことだと慌てて、顔を真っ赤にした]
あ、そっか。そうだった
[一緒のベッドで寝たんだと昨日のことを思い出して、心臓が死にかける。彼は起きなかっただろうか。様子を確かめて、そっと手に触れて暖かさを確かめた。
そのままラルフが目を覚まさないのを良いことに、自分の見せる夢のことを少し考える。良い夢と悪い夢。本人が見たいと思ったことを、夢にするのだから、それが良いのか悪いのか。夢を見る者にとっては良い夢でも周りからすれば悪い夢だったなんてことも多く、責められたこともあった]
アンタは、俺にとっての良い夢。
[そして、現実だ。だけど、ラルフにとって自分は、きっと良い夢になれやしない。三百年近く生きた男が初めて恋をしたように、恥じらいながら、眠る彼の額に口づけを落とす。
これが精一杯だなんて、自分で笑ってしまう。駄目だ、顔から火が出ると焦りながら、起き上がる。名残惜しいが、このまままともに顔を合わせることは難しかった]
(25) 2014/05/17(Sat) 19時頃