お前が、『対象』だった>>3:84んだな……。
[まるで蜥蜴のようにも見える雹を携えたこの魔物が、ここで何をしていたのかには、今は触れない。
ヴェラの目に見えている光景にも、特異であろう相手の視界>>2:188にも。
ただ、ホレーショー、コリーン、ヤニク、ソフィア。
4人の魔法使いの誰かであろうことは、ヴェラにはしっかり理解ができた。
理解した上で、迷わない。イアンの時と、同じように]
その姿、『聖杯』とやらに魅入られたのか?
[仮にここまで、魔物がヴェラの存在に気づいていなかったとしても。
ひときわ大きく張り上げた声は、相手のもとへと届いただろうか。
ヴェラは、『聖杯』などという不確かなものを、それほど信じているわけではない。
ただ、思い出したのは、似たような蜥蜴の魔物を討伐した時のこと。
瀕死に追い込まれた元魔物は、うわ言のように『聖杯が』と呟いていた。
もっとも、その魔物は今目にしている相手より、一回り小さく、冷気も纏っていなかったが]
(22) 2013/06/19(Wed) 20時半頃