− 前夜の黄昏 −
[追悼会の間、地下2階の半分、常連客向けの個室に居座って、魔物は酒を飲んでいた。サケとブランデーは誰かの差し入れか、こっそり持ち出したもの。
鬱金の眼差しは時折虚空を眺めては、また伏せられてテーブルの木目を追う]
……
[人間の気配、上階で泥酔した誰か>>9が連行されてくれば、
悪魔は人を模し、そうして立ち上がる男の懐からオマキザルが顔を出した。
長い前髪の下に隠れた表情は、大放出笑顔満開のホレーショーへ困ったように少し笑む]
飲んでた
ホレーショー…酔ってる?
[これもファミリアの魔法か、随分珍しい酔っ払い姿を引き受けて、バシバシ叩かれながら休憩室のベッドへ引きずっていく。
そうして緩んだ連関のまま怒涛の如く喋り続けるホレーショーに、ただうんうんと頷いて。
まあ飲めとブランデーグラスに注ぐのはただのミネラルウォーターで、猿は陽気に振る舞う彼に捕まらないよう天井近くに逃げていた]
(22) 2015/08/05(Wed) 13時頃