[…あ。と僅かに目を大きくして、以前に頼んだ花の事が思い出されれば、抱き着く朝顔の身をそっと離してツカツカとセシルへ距離を詰める。
そのまま距離を詰め、自分より低い位置にある顔を見下ろすくらいの距離へ。随分平気になったものだ、と自分で感心したりもする。
相手の表情を観察する余裕さえもでてくるものだ。治療の効果にしても薄気味悪いほどだとは思うけれど。
上がる腕の片方を、許可も無く掴み下へ下ろす(というより引いた)。突然だったし、多少乱暴になってしまっただろうか。オスカーは全く気にしていないのだが。
傾いたセシルの顔の、耳元へ口を寄せ朝顔に気付かれないように、ボソボソと小声で耳を打つ。]
お前…
朝顔の花の事はどうなった?
朝顔と約束してるんだよ…
[チラチラとまた朝顔を見るように目配せして。きっとその目配せも、苦々しげにしていた表情も見えなかっただろうけど]
(20) 鹿さん 2014/07/07(Mon) 03時半頃