―― 2-2 教室 ――
[アッシュブロンドの髪が陽光を弾いて光の粒子を飛ばし、同じ色の瞳が瞬く。
挨拶をもって散会となった教室の中、マイペースに帰り支度をしていた。クラスメイトから声をかけられては顔を上げ一言二言と交わすそのせいか、帰り支度はますます遅くなる。それでも何とか鞄に荷物を押し込め席を立った。唯一机の上に置いていた本は、鞄と共に手に持つ。本を包むブックカバーもまた、髪と瞳と同じ色をしていた。]
あれ、クロ先生いない……
[教室前方まで出たところで、先ほどまで人垣に埋もれていたクローチェ教諭>>18の姿がないことに気がつく。彼へと質問事項を準備していたのだが、姿なくして答えは得られない。世界に流れる時間は自分より少しだけ早く進んでいるらしく、誰かに声をかけようとして既にその対象が居なくなっていることがよくある。しょんぼりと眉根を下げつつも、椅子に腰かけるもう1人の教諭>>17に色素の薄い瞳を向けた。]
バク先生、クロ先生はもう帰ったの?
[クローチェをクロ、バークレイをバクと縮め、更に敬語も使わない。けれどそれを悪いとも思わない。
あくまでマイペースに、バークレイ教諭へと問うた**]
(19) 2013/03/15(Fri) 17時頃