[音楽は風に乗り、雨に乗り世界に響く。
酷く冷たい曲は、まるで世界を凍えさせるかのように…。
それは、まだ意思が残る人々を、雨の届かぬ場所に隠れた人々を狙う。
人々は"意識を保ったまま"その身体を氷漬けにされるだろう。
悪魔達を前に、逃げることも刃向かう事も出来ず、恐怖と絶望への嘆きが世界中を覆った。]
ふふふ…さすがね。世界に響かせることの出来る笛。
やっぱりこの笛の力で凍らされた人々の魂は、この笛が縛る事が出来たみたい。さすがねぇ。
[誰に告げるわけでもないが、楽しげに笑う。
嘆きが募れば募るほど、嘆きの船で作られたその身体は、より強固に、強くなっていく。]
絶望がヒトを支配し悪魔にするのなら、希望はヒトを保って、ヒトに戻せるわ。
もっと嘆きを募らせるには、最後の希望が潰える所を見せることかしら…。
そういうのが得意そうなのは……。
[静かに呟いて、その場から消えうせる。]
(15) 2011/06/15(Wed) 18時頃