キミ、…何だっけ、アレ。
白くて綺麗な服を着る気はないかい。
[その肩口に頭を預け。ただ紡いだ。そろそろ蟋蟀に混じって腹の虫も鳴く頃だろうか。然し二人共に添えた為か、鼻孔につく彼の香の為か、ふやけた脳はぼんやりとぬるい思考を巡らす。
白い服と言えば、彼は地下牢の出来事を思い出気を悪くしてしまうだろうかと、気付いた事は言の葉を紡いだ後。
ふやけた脳はしんと静まり、冷えた芯がじわじわ冷水を滲ませて行く。]
し、ろい服と言っても、あれだ。違う、もっと綺麗な…
否キミの”あの姿”が綺麗でないと言ってるわけでは無くて、
…――もっと別な、幸せの象徴と云うか。
[しどろもどろに曖昧に口を続けては殊更引っ張り出される悪飾りの言葉にら更に惑い。それでも其れを堂々と伝えるのは小っ恥ずかしくもむずかゆいと歯奥を噛み締め。
軈てはその肩口に、顔を埋めては八当たりを兼ねた手繋ぎでも、してみせたことだろう。]
(12) grampus 2014/09/24(Wed) 00時頃