― 裏なる世界-セレ・ラフィア- 《運命》司りしミーラン聖天教國 ―
[嘆きの雨抗するは神聖満つる大地。
彼の地の名は、"ミーラン聖運教國"。
アンゲルトゥム教団の頂点に立つ"銀教皇《パストーレ》"の治める、名実と共に教団の総本山そのものである。
嘗て1000年前、今も尚禁書にその忌名を刻まれし、大逆人ムパムピスの為に、教団の象徴である『真理の鍵《クラーウィス・ウェリターティス》』を喪って久しい彼の教國は然し、表世界《セレ・シェイナ》の数倍規模の敬虔なる信徒達の信奉に拠り、その実、新ルカルマ王国に次ぐ規模の国土を擁している。
何故彼の一教國がそれ程の国土を得たかについては、ミーラン聖運教國が誇る、聖運命騎士団《フォーテュン・テンペラー》と、亡国"神聖オスベニア帝国"との戦争の歴史、そして彼の大逆人に次ぐ教団の恥辱の象徴…"悪罰教皇"『ブルーノ=エスト・オズメデス21世』の陰鬱なる暗黒時代の歴史に踏み込む事になるので、この場では割愛させて頂こう・・・。
彼の地は新ルカルマ王国のそれ拠りも小規模な面積と、その聖なる力溢れる国柄の為、今現在、この世界《Rebirth》で最も安全な場所と成っているのだった。
―少年を包み込む栄光の花弁が落ちる]
(12) 2011/06/06(Mon) 06時頃