−意識の海−
[そこは不思議な場所だった。
眠っているはずなのに、外の世界のことが、過去・現在を問わず、まるで目の前で起こっているかのように流れてきた。
トレイルの想い、マドカの想い。抱えていた辛い記憶が、まるで自分のことのように突き刺さる。]
私。本当に、何もわかっていなかったね。
ごめんなさい。…本当に、ごめんなさい。
[勉強ばかりして知識をためていたつもりが、一番大切なことに気付けなかった自分の愚かさを悔やむ。
そしてそこでは、外の世界のことばかりでなく、眠った島民の意識も微かに感じることができた。]
ヒュー…ジリヤ。そう、だったのね。
[優しい男女の、互いを想う暖かな心。なんとも情けないことだが、眠ってから初めてわかることが、多々あった。
そしてそれは、もう一つ。]
……トレイルと、ミナカタ先生、が?え。ええと。どういうこと?
[ヒューの記憶の残滓。
そこから読み取れたのは、……二人がツキアッテイル?]
(11) rito 2013/12/27(Fri) 14時半頃