[「人それぞれだ」>>2:44。再びヴェスパタインの声が蘇る。
ジョージ。それが何者>>1:121>>1:122>>1:124なのかは、狼に悟ることはできない。
ただ、今際の際に呼びかけずにはいられない、そんな相手なのだと理解した。
今際の際……イアンはもう、助からない。
いや、ひどく冷たく言うならば、無事に殺害に至れる、という言葉にもなりはする、が。
二度と触れ得ぬだろう背の感触が口惜しく、体の痺れを言い訳として、しばらくはそのまま立ち尽くす]
約束を、守るぞ。
[どれほどそうしていたことだろう。
やがて人の姿に戻ると、ツェツィーリヤの隣にイアンを横たえた。
口にしたのは、この村で最初に出会った時>>0:145>>0:156の続き。
あの頃は、その言葉通りになるとは思ってはいなかったが。
彼にかざすは、右手の右手。おそらく……そうゆう割り振りだったのだろう。
選択の、余地はない。 右手に再び力を込めて、イアンを『生贄』として、取り込んだ。
自らの、『糧』として]
(11) 2013/06/19(Wed) 01時半頃