[ ―――…其れは、お手洗いへと席を立ったときだったか。
明るく振る舞うことを誰も止めることなく、
親友は笑顔で答え、幼馴染はたくさん頭を撫でてくれた。
「味方だ、心配だ」と真っ直ぐに投げてくれた言葉がとても嬉しくて、彼が側にいるときはとても心が落ち着いた。
それでも恵を失った悲しみが軽減されるわけではない。
溢れそうになる涙を隠すために席を離れた、ちょうどそのときに起こったのだ。]
ただいまぁ、ごめんねレイちゃん。
なんか今日お腹いたく―――― て
[先ほどまでの平和は何処へ消えたのか。
目の前は赤に染まり、幼馴染は動かない。
その頃にはクシャミの姿もあったのだろうか>>6
首元を赤く染める幼馴染。
最初に見たサイモンのときとは違い、噛まれたような跡はなかった。
彼が持っていたコインだけでも、と辺りを見回したが、
コインは原型が残っておらず、ただの鉄の塊と化していた。]
(8) 2014/06/05(Thu) 10時半頃