[彼らが再び現れたのはいつの頃だったでしょう。
まだヤニクといっしょに遊んでいたころでしょうか。
先の時よりも険の入り混じった態度で、自警団の面々がやってきました。
なんだかおそろしい雰囲気を出していて、ハナは身を縮めます。
そうこうしているうちに、なにか店の中ではげしいやりとりが行われ始めます。
やがて現れたのは、乱暴に連れ出される女将さんの姿でした。]
おかみさん!?
なんで!
[戸惑うハナに、自警団は彼女に人狼の嫌疑が掛かっていると告げました。
少女はちいさな体にめいっぱい力を込めて、男の足にしがみつきます。]
うそだ!
おかみさんが人狼だなんて、そんなはずないよ!
だって! だって人狼は!
[うるさそうに弾き飛ばされるハナを見て、女将さんはきっと声をかけてくれたことでしょう。
心配いらない、きっとすぐに帰ってくる、と。]
(8) 2013/12/24(Tue) 01時半頃