[怠惰じみて与えられる緩やかな死の感覚>>4は、妙に現実味が薄い。
本当にこれで死ねるのだろうかなんて、そんな疑問さえ生まれる。それを望んでいるのかいないのか、自分でも確証なんて持てないのだけれど。]
(…いいって、言った)
[無感情めいて吐き出された言葉>>5には、内心で返事を返した。痛みを通り越して感覚を失いつつある喉をこれ以上動かすのは、あまりに億劫で。
負の感情は成りを潜めて、何やら複雑な表情を浮かべた弟の顔が、明滅する視界に映る。
最後に向けられるのが憎悪ではないことには、―どこか安心した。
可哀想な弟を差し置いて誰よりも愛されて、それでもまだ、無いものねだりを繰り返す子供じみた自分を、身勝手な自分を。
――おまえは憎んでいるんじゃなかったか、と。
自然と浮かんだ疑問に反して、緩んだ表情は動かないまま。]
……っぁ、ぐ、
[ぐ、と強く押し込まれた指の感触は、それに従って揺らいだ自分の身体と漏れ出た声によって、他人事のように知覚する。
その感覚も、あまり長くは続かなかったけれど。]
(7) 2014/07/03(Thu) 17時頃