― 裏玄関付近 ―
[ホントに”居る”とは何のことだろう。
春吉の”居ません”を思い返しそうになるのを無理矢理頭の隅に押し込んで蓋をした。
よかった、と繰り返してジャージの裾を掴んだ明兎の表情が、あまりにホッとしていたのでまた吹き出しそうになるのを堪え。
ゆっくりめにと歩幅を意識しながら裏玄関付近へ向かう。]
たまに廊下濡れてたりするから気をつけろよ。
そういえば放課後話した七不思議ってやつ。
この裏玄関にも――……って、お?
[しかしこの七不思議、裏校舎の出現時間は14時7分とか今現在とまったく遠いため怖くはない。
そんな話をしかけた時、蛍光灯がチカチカと点滅して足を止めた。]
よかった、電気が戻ったな。
ちょうど裏玄関にも着いたし。
[眩しい明りに瞬きを数回。
目が慣れてくれば懐中電灯のスイッチを切り、明兎に見えてきた裏玄関を指して。]
(6) 2014/10/05(Sun) 10時半頃