[隊長は彼女を追った結果人狼に遭遇し、発砲、これを殺害した後に別の者に襲撃された。その状況は気を失う寸前の隊長の口から説明された。
だが、人狼の男を庇って倒れたという彼女の生死、そして他にこちら側の人間が巻き込まれたのかどうかはわからないままだ。
――彼女が巻き込まれてさえいなければ、"人狼は死んだ"という事実のみで、他の人間については"わからない"まま放置されていただろう。
街灯もまともに整備されていない夜の"むこう側"へと行くことを、自警団の誰もが嫌がった。
それだけではない。隊長を殴った住民の一部がまだ暴れ足りぬとばかりにフェンスを乗り越えようとしていたので、それを抑えつける人員も必要だったのだ。
結局、隊長の回復を待って詳細を聞き、明るくなってから調査・生存者の救助を行うこととなった。
――尤もその時間までか弱い娘が一人生き延びているなど、誰も思ってはいなかったが。]
(6) 2014/07/13(Sun) 10時半頃