[>>0青年の目が何処と無く彷徨う。自分を悪くないと――、そう言う言葉は何処か彼自身に向けられている様にさえ感じた。何処と無く自分に似た彼は――、]
[ふ、と気が緩めば覗きたくも無いのに自然に相貌が影を捉えた。黒く、奥底に眠る、殺意の様な何か――、其処でハッ、として我に返る。人の心の奥を視てもろくな事は無いから、ずっと閉ざしていたのに。これ以上潜り込まない様に、視線を下げ]
…ええ。
……妹が、危なかったから。
(本当に、それだけ?)
(それだけなら――、どうして。奴等は死んだ?)
[さっき、自然にアイツら、と複数形にしていたのも。足りないピースの奥に、あるのが浮かび上がってきたから、なのだろうが。心の声を、振り払って、悪くないと――肯定する言葉に首を振る。もしかすると、彼も否定することに、なるのかもしれないのだけれど。先程映った蠢く闇を思い出しながら]
……僕は間違った事はしてない、つもりです
何れ彼らが受ける報いを、早めただけ。
(6) 2014/03/05(Wed) 02時頃