―空き研究室―
あは、もう逃げられないわよ。観念なさい。
[馬乗りになって両腕を足で押さえつけて、握ったナイフを向ける。
ナイフをずっと握っていたせいで自分の脇腹が深く傷つき抉れていたが
怒りと欲求に溺れた精神状態ではもはや痛いとも感じない。
ただそこにある―おもちゃでどう遊ぼうか、そればかり。
体躯の割りに強い力なのは、元々なのではなく―きっと不完全な適合の副産物だろう]
減らず口ばかりでうざったいから、喉を潰してあげるのもいいけれど…
それだとせっかくの啼き声が聞こえなくなっちゃうから、潰さないでいてあげる。
[感謝しろと言わんばかりに言って、服の裾の下からナイフを引き上げる。
びりびりと千切れる服。怒りで引きつった表情に浮かぶ笑み]
さぁ、啼き声を聞かせて―っ!
[露になった上半身、その脇腹を肩を目掛けてナイフを突き刺した。
致命傷になりにくい場所ばかりを狙って刺し、引きちぎる]
(1) 2010/11/02(Tue) 13時頃