[世界の再生を眩しげに見つめていた瞳が閉じる。
少し後、その眩しさに小さく舌打ちを打ったのは、
赤と黒の男―――…”軍人”の姿だった。]
―――……
[其処に広がっていくのは美しく生まれ変わった世界ではない。
終焉に向かう前と一見何も変わらぬように見える、
そんな当たり前の景色、『日常』。
軍人はその光景を見ながらふと思う、この先どうなるのかと。
世界が再生《Rebirth》したのなら、死した軍人達は…。]
……わかんねえな。
[少し考えてから、軍人はあっけらかんと呟いた。
その時になってみなければわからない。それから考える。
”軍人”は、そういう性質だ。――――…ただ、
軽い口調でよく喋る癖に裡に抱えこむ”馬鹿”も知っている。
だから、思い切り 見えぬ糸の先引っ張るように手を引いた。
黙って勝手に消えることだけはするなと、糸の先へ釘を刺すように。*]
(+429) 2011/06/19(Sun) 03時半頃