や、だ……、
ぃやだ、もう……!
[やだ、と。何度も繰り返して、ふるふると首を横に振る。
全部も何も、既に胃は空っぽだ。今更何かを吐き出そうとしても、粘っこい胃液くらいしか出てはこないだろう。
だというのに侵入してくる指を、必死に押しとどめ様とするけれど、手に力が入らない。
もう持ち上げる事すら億劫で、ただ涙目でその指を受け入れるしかなかった]
……ッぁ、ぐ、
[一瞬、その指に噛み付いてやろうかと力を込めるけれど。……けれどそうした後の事を考えて、ギリギリの所で踏み止まった。
僅かばかりは歯が食い込んだだろうけれど、痛みは伴わなかっただろう]
っう゛、えぇ、
[喉の奥から胃液がせり上がってくる感覚に、酷く顔を歪めて。ぼろぼろと涙を流しながら、またそれを吐き出そうとする。
これを吐き出せば、彼は満足してくれるだろうか。
薄っすらとそんな希望を持つけれど、果たしてどうだろうか]
(+25) 2014/07/05(Sat) 22時頃