[ごん、と小突くとニコラスの方はぼろぼろと涙を零した。>>+18
こっちはこっちで何がおかしいんだか、
泣きながら笑う彼の頭をがしがし掻き乱して]
はん、とっくに知ってるってんだよ。
全く運が悪かったなァ、俺なんぞに拾われて。
酒とクスリに狂って海賊やって、挙句の果てに獣の餌だ。
いっそあの時死んだ方がマシだったぇってんなら
いつでも海に放り込んでやったんだぜ?
[悪びれずにそう吐き捨てて口の端をあげる。
彼が死んでからずっと、まるで守護霊か何かのように自分に憑いて回っていたのは知っているから、口とは裏腹に触る手はいつもより幾分か柔らかかったけれど。
そう言えば生前の聲でも何となく感じていたが、
今のニコラスに酒に狂った時の騒がしさは無い。
こうして命を落とした事で本来の姿に戻ったのか。
そのせいもあってか、こうして皆で騒ぐ今の状況が
妙に穏やかに感じた]
(+21) 2014/12/16(Tue) 20時頃