[>>5:+15>>5:+16 手が重なる。10年前よりもずっと皺が寄って、骨の浮きだったようなその手を、同じように。
続けられるその苦しげな声は、搾りだすかのように痛ましくて。
ああ、どれほどの長い間、この人は己の背負った十字架に苦しめられていたのだろうか。
何度、女神に祈りを捧げてきたのだろうか。
気持ちのなかに、火を吹き付けられたような切なくも温かな衝動が過る。許されるならばその衝動の儘に、動きたかった。
懺悔をするこの男の身体を受け止めて、全てを赦してあげたかった。
けれどもそれをするには、時間があまりにも――…、]
……チャールズ…。
[>>5:+17 長い告白のあと、漸く出した声は掠れてしまっていた。
重ねられた手を少し強く握り返す。
あの雪の日と同じように、優しい掌を実感する。
色んな言葉が喉元まで出かかって、…口内で消えてしまった。
だから、これだけでも。せめて。]
………ありがとう。
(+7) 2013/11/29(Fri) 17時半頃