[注射が終わって疲れたのは、朝顔か医者か。
ともかくそれは両方で、ご褒美に飴をもらったけれど『ありがとう』を言う気にもなれなくて、ただしゃくりあげながら診察室を出る。
ものの見え方はまだ変わらないけれど。
看護師の話によれば、徐々に普通に戻るのだという。]
いっきにもどると、めがまわちっちゃうの?
[確認するように問いかければ、車からずっと付き添ってくれたその人は、にっこり笑って頷いた。
少しだけその人が小さくなった気がして、今度は自分から手を差し出す。2階に用意された朝顔の病室まで、一緒に来てくれるらしい。]
(どのくらいでもどるのかなー?)
[手を引かれながら階段を登って、2階の廊下の突き当たり。
用意された病室に着いた頃には、看護師の体は最初の半分くらいに縮んで見えた。
それでも普通の人間より、1.5倍は大きかったけれども、この大きさなら少しは怖くない。と、笑顔になれば]
ありがとーございました。
[ぺこりと頭を下げ、病室に入った。これからしばらく、ここで暮らすのだ。]
(+4) 2014/06/29(Sun) 18時頃