207 Werewolves of PIRATE SHIP-2-
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―医務室―
[立つのが精一杯に終わった。 体制を崩し倒れて軋ませた床板を、左手に握る拳で思い切り打つ。その頃には、モンドは既に室外に飛び出していた。道化師の足音と声、ふたりの刃がぶつかる音を背後に、ギリと奥歯を噛む。]
……――
[フツフツ熱に沸く頭を占める悔しさを持て余し、もう一度床を打つ。軋んだ床板が砕けるのに構わず、もう一打。それでも鎮まらない熱は、男にとって初めての衝動だった。それは、この騒ぎで芽生えた願いや望み、押し留められない感情に押し出された自我の発露。]
――……、ゥ゛ゥ゛ ア゛ァ゛ ッ
[耳に届いた仔狼の鳴き聲が、昂ぶりに触れ。 その聲が途絶えたのを切欠として身の内で何かが爆ぜる。
思う様、泣くような叫びを上げ、 床についた拳ひとつを支えに――おれは、立ち上がる。 二度と倒れるまいと、床を踏み締めて。**]
(4) 2014/12/15(Mon) 02時頃
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墓堀 ギリアンは、メモを貼った。
2014/12/15(Mon) 02時頃
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―第三甲板廊下―
[モンドの最期は聢と見た。
医務室から廊下へ出ると、そこは道化師とモンドの死舞踏の盛り上がりに華やいでいた。剣がぶつかり擦れる音や足捌きを受ける床板の軋み、息遣いに空気の流れ……刹那的な音楽の流れる一瞬を、観客として目撃した。
邪魔立てを企てる隙も無い、終幕までの一瞬間。 いよいよ真に盲たのか、光の無いモンドの眼ばかりを見ていた。彼は、果たして何を見出だせたのだろうか。命と引き換えに。*]
(31) 2014/12/15(Mon) 16時頃
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[モンドの絶命までを見る道化師を余所に。
おれは、廊下の先に在ったキイチの姿(>>4:222)に視線を移す。裸の刀が殺意の現れであるなら、すぐにも飛び掛からんと、ギロンと剥いた眼で睨む。さながら猛獣のように。]
ゥ゛……――
[不意に音無き聲に呼ばれて。 キイチを威嚇するような格好のまま、船長へと意識を向ける。**]
(32) 2014/12/15(Mon) 16時頃
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ミナカ 違ウ 違ウ ミナカ、帰ル
迎え、行く あの仔 …… ミナカ、
[微かに聞こえた鳴き聲は、 あの仔の泣き聲によく似ていた気がする。
気がするだけだと自らに言い聞かせ、 繰り返しミナカを呼ぶ。 何度も。]
(*2) 2014/12/15(Mon) 16時頃
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墓堀 ギリアンは、メモを貼った。
2014/12/15(Mon) 16時頃
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/* なんだこの展開おもしろいいいいいいいい セシルが悪女ヒロイン枠ううううううい
(-59) 2014/12/15(Mon) 19時頃
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/* これは甲板にはゆかぬほうが良いな!!! ジェレミーをみつめるターンだな。
(-61) 2014/12/15(Mon) 19時頃
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/* あなたは妖精から生まれた子です。
ところでこれがジワジワきすぎる。 人狼以上に存在がファンタジーやわ…… ファンタジー生い立ち書こうかなもう…じわっ
(-65) 2014/12/15(Mon) 19時半頃
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ミナカ、何故 返事無イ ?
[散々呼びかけても応じる聲はうんともすんとも。 何故か……頭の何処かで解っている。察している。
これまで 数えきれない程の人を殺め、 数えきれない程の人の死を目の当たりにし、 罪悪感も消失感も何も抱かなかった虚無の頭と心に 今は具体的な恐怖が横たわっている。]
迎え 行く
カシラの聲有ル、おれ、怖いナイ
[傍から響く聲ひとつを頼りに、恐怖を追い出す。 怖くないと宣った聲の響きは 返事が無いと不安がった響きとは幾分か違っている。]
(*4) 2014/12/15(Mon) 20時頃
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墓堀 ギリアンは、メモを貼った。
2014/12/15(Mon) 20時頃
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カシラ 怖い、有る カ?
[今も痴れ者である事に違いは無いが、 感情の発端を探り出したと同時に、好奇心めいた物も得ていた。
モンドの盲目をジィと見て何か探ろうとした様は 生まれたばかりの明確な好奇心の現れであった。 今こうして、質問をするのもまた、同じ心理が故にか。]
(*6) 2014/12/15(Mon) 21時頃
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/* じぇれみいいいいい王子様ああああああああ なんだいこの騎士さま。王子さま。ろまんてぃっく。 ろまんてぃーーーーっく!!!!
(-69) 2014/12/15(Mon) 21時頃
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怖い、有る 良いコト 怖い、有る カシラ おれ、まもる
[命じられずとも。 そうしたい、と自発的な思いに駆られる。
キイチの提げる刀を見据えるのも、 そんな思いから。]
(*8) 2014/12/15(Mon) 21時頃
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[去ろうとする船長(>>33)に、キイチは何と答えただろう。 もし彼が刀を光らせたまま命の遣り取りを望むと云うなら、 今度こそは、おれが此処に残り遊び相手を勝って出る。
そのつもりで、キイチを見つめる。
大部屋で共に寝起きしてきたキイチの、 どこか掴み所の無い笑みや空気感には、馴染みが深い。
何にせよ、船長は先に仔探しに行け、と。 一瞥する視線で促した。]
(49) 2014/12/15(Mon) 21時半頃
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[鈍い光に濡れた刃が此方へ向けられると(>>56) ァ゛ァ゛と濁った笑いが溢れる。 対して、おれは何も持たぬまま、ただ左手に拳を握った。
返される視線に煽られ、 睨める視線に一層の殺意が篭もる。
どこまでやるのか……――と問うた彼の声に、 ギチリと噛み合わせた奥歯を緩め 代わって、答えた。]
カシラ が、安心するマデ おれ、続ける
[と、だけ。]
(59) 2014/12/15(Mon) 22時頃
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騒がしイ 安心ナイ 静か、なる
[この船に凪が訪れる時は来るのか否か、 既にもう解らない、一寸先は闇の状態ではあったが。 少なくとも、おれはそう成らん事を願う。
転がるモンドの冥い眼を一瞥し、 偽の片眼を瞬かせ息を吐いた。
願ったとてどうすれば叶うのか、それが何より闇の底。 痴れ者は、ただ呑まれ堕ちていくだけだ。]
(63) 2014/12/15(Mon) 22時半頃
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手 死んだ、 死ぬは 棄てル リー、腐る前に 棄ててくれた
[右肩を少しばかり回して見せるが、 包帯に覆われた切り口がヒョイと鈍く動くだけ。
そんな会話は、騒ぎが起きる前とさほど変わりは無い。 例えば昔、他船との争いを経て耳を落とした時なんか、 殆ど同じような話を、少しだけした。キイチと、おれは。
記憶は朧げであっても、繋がりは薄くとも、 確かにおれたちは共に過ごした。この船で。]
(64) 2014/12/15(Mon) 22時半頃
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全員、死ぬ 困る カシラ 生きル おれ、死ぬナイ 死ぬ 怖い
[単純な思考と物言いは、愚かさを隠さず晒す。 散々、殺して壊して潰した挙句、 自分にとって特別な誰かの生だけを望み 死する時を怖がってみたりする。
向けられた切っ先が、距離を詰めに動くのを見て。 腰を落として床を蹴り上げる心積りを決める。
不思議なもので、 キイチと話をするのは、向き合うのは、楽しいと感じた。 これも初めて得た感情のひとつだ。
死に損なってはじめて得たもののひとつだ。]
(74) 2014/12/15(Mon) 23時頃
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一緒 棄てル、要らない 腐るもの 一緒 キイチも
ア゛ァ゛――……
[蹴った床が軋んだ。モンドの血を吸って黒ずんだ床板だ。
器用な戦い方は終ぞ身につかず、 おれは、ただ、真っ直ぐ相手に突っ込むだけ。 心臓を守る前傾で、刀傷のひとつふたつは惜しまず、 キイチに思い切りぶつかりに行く。*]
(75) 2014/12/15(Mon) 23時頃
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/* やばい キイチのひとすごい好きだ 心理描写めたくそかっこいい。
(-90) 2014/12/15(Mon) 23時頃
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[身体ひとつの丸腰で殺ってきて、 これまでこうして生きているのは伊達じゃない。
怯む事なく、キイチの刃とまともにぶつかった。 肉を削ぎに動く刃を、普段であれば右腕で払えたはずが、 片腕一本ではどうにもならない。
肉の一欠くらいくれてやる。]
ゥゥ゛オ゛ァ゛ァ゛ …… ッ !
[退けば刀に有利な間合いに陥り、腹を刃に探られる。 やもなく、前へと向かう勢いをつけて床を蹴りあげた。
刀に腸抉られる前に勢いのまま狙うのは、キイチの首。 細い首を掴んで脈と骨をまとめて握り潰すつもりで。*]
(90) 2014/12/15(Mon) 23時半頃
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[集中を損なえば死ぬ。 高まる緊張に阻まれて、痛みは一拍遅れて脳に届く。
腹の痛みを認識した時既に、 キイチの首に手をかけていた。 そう易々圧し折れるとも思っていなかったが、 一瞬、防御に気がそれる隙を作れればこれ幸い。
身を捩り、無駄に肉を斬らせる事になっても 急所に刃先が届くのを阻む。]
(110) 2014/12/16(Tue) 00時半頃
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ゥ゛ゥ゛ ァ
[低い呻きは、倒れかけたキイチの腕が、 刃を奥へと押し込んだからか。
これより力を込められたら、体制を立て直されたら、 腹を破られる……というギリギリのところ。 キイチの首を、持ちうる限りの握力で締めあげて。
どちらの手が、先に相手の生命に触れるか。 今のおれは、拮抗を保つのが精一杯であった。*]
(111) 2014/12/16(Tue) 00時半頃
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ア゛ァ゛ …… ゥ゛
ミナカ ミナカ、居ない ッ ア゛ァ゛、
[まさに今、 キイチの刃を受けてこうも血を流しているのに。 治療をしてくれるミナカは、もう居ないのか。 何処にも居ないのか。]
カシラ 、おれ は、居ないならナイ
[戦闘の只中、疎らにでも意志は聲となり伝う。 不自然に途絶えがちな聲は 悲しみに暮れるせいだと感じられるだろうか。
けして、殺り合っている最中だとは、悟らせまい。 はじめて使う、誰かを騙すための知恵と、嘘。]
(*13) 2014/12/16(Tue) 00時半頃
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[音を伴わない聲が届き、その聲が語った短い話に、 キイチに触れていた左手が微かに震え…――
グズグズ腹を拓かれゆく痛みに、熱に、刃の冷たさに、 この傷を診る“船医”はもう居ないのか……と 思ってしまった。
こうも深く負った傷は、 死に損なってもあの手失くしてどう治癒すれば良いか。
おれが命落とせば、主の化粧がまた厚くなりはしないか、 悲しんだりはしないだろうか 独り、独りに、なりはしないだろうか……
――…余計な思いは、 愚直に殺すためだけに全てを掛けていた男の力を奪う。]
(128) 2014/12/16(Tue) 00時半頃
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ゥ゛ゥ゛…… 、
[泣くような唸り声を漏らしたと同時に、 ほんの一瞬、おれの腕からは力が抜け落ちた。**]
(129) 2014/12/16(Tue) 00時半頃
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/* monndoooooooooooooooo すきだああああああああああああああああ
そしてなんかせっかくなので死亡フラグ建設しながら 船長すきすきだいすきを熱烈に叫ぶ。 すきすぎて すきすぎて 独りになったカシラを 草葉の陰から見つめたくなってしまうやつ。
で、死ねなかったらだいぶ恥ずかしいやつ。
(-140) 2014/12/16(Tue) 01時頃
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[死ぬのが怖いという事は、 大切なものがあるという事だ。
大切なものが。
死が間近に迫る恐怖の中で、 おれは、生まれてはじめて実感した。
希望と絶望は、表裏な物なのだと。 “絶望”の化身が与えてくれた物は、 おれにとっては、“希望”に他ならなかったのだと。]
カシラ また、おれ 死に損なったら 、 、
[聲は、そこで絶えた―――**]
(*15) 2014/12/16(Tue) 01時頃
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/* すごい はずかしくなったら はずかしい やだ、こわい
(-145) 2014/12/16(Tue) 01時頃
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