56 いつか、どこかで――狼と弓のワルツ――
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ムパムピスは、ヴェスパタインらの返礼を思い出し、再び無事を祈る。
2011/07/01(Fri) 21時頃
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……ヤニクさん。
[公女殿下はここが一番近い場所だと言う。――何から?]
もしかしたら、公女さまは……
[この戦が終わったら、彼女は一体、 どこへ行こうと言うのだろうか]
(=14) 2011/07/01(Fri) 21時頃
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[ムパスピスの怪訝そうな物言い>>91に、やっと自身が大変な事を口走った事に気付く 思わずいつもの対外用の笑顔が浮かんだ]
いいえ。叶わぬ、昔の恋の話ですわ…
[誤魔化しともつかない、曖昧な言葉で明言を避ける 礼拝堂の鍵には気付いていない 聞かれていても、おかしくはないだろうか]
ねえ、神父様? どうして、戦争が起きてしまうのです? どうして皆、幸せになれないのです?
神父様は、愛しい方はいらっしゃいますの? 憎い方はいらっしゃいますの?
どうすれば、衝突を避けられるのかしら…
[自身の昨晩の事件。それこそが、衝突の始まりだと気付いていないままに]
(97) 2011/07/01(Fri) 21時頃
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― 深夜前・赤騎士団執務室 ―
…何やってんだ、ベネット。
[捕虜を地下牢へと放りこんだ後にようやく執務室へと戻ってくると、其処にはペンを片手に困ったような情けない声をあげるベネットの姿があって。 きょろり、と部屋の中を見渡すと、イアンの姿が見えない。]
…何処行った、あいつ。
[いつもの様に無愛想な口調であったが、若干その声音には疲れが見えていたか。]
(*26) 2011/07/01(Fri) 21時頃
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何だこれ。
[ベネットから紙を受け取って。 彼の言葉を耳に入れながらその紙に目を通していくと、明日の作戦内容が非常に分かりやすく、端的に纏められていて。]
あぁ、助かった。 俺も書類には目を通しておかないとと思っていたところだったからな。
…アイツだけに任せるのは、正直言って不安すぎる。
[イアンには苦労しそうだと言う言葉に頷いて、部屋でその書類の中身にゆっくりと目を通そうと。]
お前も程々にして、休めよ。
[そう言ってドアノブに手を掛けようとしただろうか。]
(*27) 2011/07/01(Fri) 21時頃
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『 ――父さんは、凄い団長だった。』
[不意に背後から聞こえてきた声に、ドアノブへと伸ばした手をぴたり、と止めて。 ゆっくりと、首だけをまわしてベネットの方へ視線を向けた。]
(*28) 2011/07/01(Fri) 21時半頃
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……。
[ベネットが、ぽつりぽつり、と落とす言葉をオスカーはただ黙って拾い上げていた。]
『 僕には、『ファーレンハイト』の高さが重すぎたんだ。 』
[彼の其の言葉を耳にした時に、オスカーはゆっくりとベネットの方に身体を向けて、ベネットの顔を正面から見据えた。]
(*29) 2011/07/01(Fri) 21時半頃
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[最後に、一つだけ伝えたいと。 自分の緋の目を真っ直ぐに見据えてくる翠を、同じように見据えながら、彼の言葉を受け止めて。]
……。
[どれくらいの時か、彼とそうやって見つめ合っていただろうか。 長い沈黙の後に、ようやくオスカーは口を開いた。]
(*30) 2011/07/01(Fri) 21時半頃
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何を言っているんだ。 お前は十分に強いじゃないか。
[そう語る口調は何時もと何ら変わらぬもので。 そう語る表情も、何時もと何ら変わらぬ無表情なもので。]
そうやって、自分の弱さを認めて。 お前は其の弱さを認めたうえでしっかり前に進もうとしているじゃないか。
(*31) 2011/07/01(Fri) 21時半頃
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[ペラジーから受け取った動物用の包帯や薬品を詰めた鞄を下げ、主を迎えた馬を見送る。 馬は貴重な戦力だ。 仮に主を失えど馬が生きていたなら、連れ帰らねばならない。 少年は、自分の役割をよく理解している]
…負けるはずがないさ。 緑にはヴェスパタインさんや弓の名手のヤニクさんがいる。 赤には、イアンさんとベネットさんが手を取り合ったんだ。
生きて、帰るんだ。
[少年は、言い聞かせるように強く呟き、敵軍がいるはずの方角を見つめた]
(98) 2011/07/01(Fri) 21時半頃
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[思いの丈は、彼女の胸中にだけ仕舞われてしまった。>>97 よそ行きの笑顔を見てそう思った。返答に窮する]
私は……神様に仕える身分ですので。 でも、私によくして下さる隣人を愛おしく思いますし、 心ない振る舞いに憤る事もございます。
公女殿下は、皆に幸せになって欲しいのですね。 不幸な衝突を避けたいとお思いなのですね? もしそうお考えなら、相手の心に立って考えなければ。 殿下が幸せにしたいと思う方の真心がどこにあるのか、 それを考えなければなりません。
(99) 2011/07/01(Fri) 21時半頃
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/* フィルwwwwwww 何してんのwwwwwww もうパスタ早く叱ってやれこいつは手遅れだぜwwwwwww
(-65) 2011/07/01(Fri) 21時半頃
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俺は、お前の事を不甲斐ないだなんて、全く思ってはいない。 まだ時間がかかると思っただけだ。
[本当は、待ってやりたかった。 けれども、この戦場を取り巻く環境が其れを許してはくれなかった。 ベネットの必死の告白を全て撥ね退ける様な、このオスカーの言葉を彼はどう思っただろうか。]
なぁ…、俺はお前に、その『ファーレンハイト』の名前に捕らわれて欲しく無かったよ。 確かに、お前の父親は、団長は素晴らしい人物だった。 だけどな、いくら親子とは言え、お前はお前だろう。
[すっと音をたてずに歩みを進めれば、ベネットの額に手を伸ばし、前髪をわける様にして撫でてやる。]
(*32) 2011/07/01(Fri) 21時半頃
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……この戦をお止めになりたいのですね。 戦は始まってしまいました――でも、始まりです。 まだ終わってはいません。
どうか絶望しないで下さい。 子らが心を偽って生きる事を、神様は哀れまれます。
[ポケットから礼拝堂の鍵を出し、彼女の手に握らせる]
こちらの鍵です。 誰にも話せない事なら、どうぞ神様に明かして下さい。 公女殿下のお心に、きっと耳を傾けて下さいますよ。
(100) 2011/07/01(Fri) 22時頃
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ムパムピスは、引き留められなければ、一礼して礼拝堂を後にするつもり。
2011/07/01(Fri) 22時頃
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逃げてたんじゃない、お前は戦ってたんだ。
[そう言うと、ぽん、とベネットの背中を叩いて。]
…――― もう少し早く、その言葉を聞きたかったな。
[自分の、揺るぎない意志を、覚悟を。 ようやく言葉にして聞かせてくれたベネットに緋色の目を細めた。]
嬉しいよ。 聞けて。
[オスカーにしては珍しい、柔らかな笑みを浮かべて。]
(*33) 2011/07/01(Fri) 22時頃
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イアンの事は俺に任せて。 今日はゆっくり休めよ。
[彼にそう声をかけると、執務室をあとにしただろうか。 執務室を出て中庭に至れば、空に浮かぶは真円の満月。]
団長、貴方の息子さんは立派な騎士であり、狼だ。
[彼は、天から同胞を見守ってくれてるだろうか。 その場所に届くように、高く鳴き声をあげた――― **]
(*34) 2011/07/01(Fri) 22時頃
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フィリップは、ムパムピスに話の続きを促した。
2011/07/01(Fri) 22時頃
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…ん。
[空に浮かぶ満月を眺めていると、影から手をふる人物に気付いて。]
あぁ、預かった。 何処に行ってたんだお前…、あまり俺達の手を煩わせる様な事はするなよ。
[忠誠を誓った相手に対して、随分なものいいだった。]
(*35) 2011/07/01(Fri) 22時頃
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/* 最初に声掛けて神様との対話を邪魔したのは 寧ろ神父の方だったりしたんだが まあ、ゆるせ!← */
(-66) 2011/07/01(Fri) 22時頃
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…俺は、お前の傍にずっと控えている。 何かあれば、俺に命令すると良い。
[よろしくな、と言葉をかけられればそう返して。]
じゃあな。
[オスカーもまた、自室へと足を向けた。 **]
(*36) 2011/07/01(Fri) 22時頃
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― 薄明:出陣前 ―
[オスカーは、戦場に出る時も甲冑を身につけたりする事は無い。 何時もの様に、黒い服を身に纏っている。 流石にマフラーはしてはいないが。
其れは、主が戦場で自分を見つけやすい様に。]
(101) 2011/07/01(Fri) 22時頃
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[やってきた神父の言葉を、イアンの数歩後ろに控えながら受けて。]
……。
[彼に対して言葉をかける事は、無かったけれど。 主が神父に対して頭を下げれば、オスカーもそれに従い、頭を下げた。]
(102) 2011/07/01(Fri) 22時半頃
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― 暁直前:砦前平原 ― でかい声だな…。
[自分の斜め前、赤狼達を前に咆哮をあげる彼の大柄な後ろ姿を眺めながら思わず苦笑して。 自分と同列に並ぶベネットの横顔にも、ちらりとその緋をやっただろうか。]
(103) 2011/07/01(Fri) 22時半頃
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ヤニクさん……
今からでも……無血でとはいかないと思いますが、 なるべく双方流れる血の少ない形で、 この戦を収めることはできないのでしょうか。
[無謀な願いだということは分かっている。 それも、戦うために出陣した騎士に対してだ。 緊迫した空気に身を置いて集中を高める相手を妨げ、 叱責や怒声を浴びても全く不思議ではない]
(=15) 2011/07/01(Fri) 22時半頃
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[やがて、背後から感じる光に金が混じれば、ゆるりと光の差す方を振り返り。]
…てか、ちゃんと昨日の紙に目、通したよな?
[急に不安になってぽつりと呟きながらも剣の柄に手を掛けた。]
(*37) 2011/07/01(Fri) 22時半頃
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―薄明 出陣前―
[出陣の前に、姿を見せた神父>>71 青年もこれと言って敬虔な信仰も無かったが、心からの激励は純粋に嬉しく]
ありがとうございます。 必ず、無事に帰ってきますから。
[心配そうな神父を安心させる様に薄く微笑み、皆と共に出陣するのを見送られただろう]
(104) 2011/07/01(Fri) 22時半頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2011/07/01(Fri) 22時半頃
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[出陣を報せる笛が響いてから幾時か経っただろうか。 遠い平原では狼と狩人がその力を揮っている頃だろう。
公女殿下から引き留められることはなかったようだ。 廊下に出て、所在なく歩き回っている。
やがて、負傷した兵や馬を運び込むために門が開かれ、 嵐の前の静けさだった砦の中も一挙に慌しくなった。 平和への願いとはとても裏腹に]
(105) 2011/07/01(Fri) 22時半頃
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[やがて敵軍が見える。 先頭に立つ将は、長い黒髪を束ねた、長身の緑眼の男。 整った面差しに反して、その猛将ぶりは少年でも聞き及ぶ程だった]
ガイル・カロッサ……
[少年は、禍々しいものでも口にするようにその名を呟いた。 黒い馬が、嘶く。 彼の剣が鞘から抜き取られ、天へと翳される。
それが、此方側の敵軍の攻撃開始の合図だった。]
(106) 2011/07/01(Fri) 22時半頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2011/07/01(Fri) 22時半頃
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/* >>104 死亡フラグ! */
(-67) 2011/07/01(Fri) 22時半頃
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[高く咆哮をあげる同胞達に呼応する様にすらり、と剣を抜き放ち。
ベネットが発した言葉に、その緋の目を細めた。**]
(107) 2011/07/01(Fri) 22時半頃
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/* ガイル・カロッサ!?
か、かっけー名前だなあ…!(そこ
(-68) 2011/07/01(Fri) 22時半頃
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― 暁直前:砦前平原 ―
『 ―――――今、勝利を我等が手に!!! 』
[闘志の炎燃やす狼達が一斉に雄叫びを上げる。 高らかに天へ翳された牙は空を突き破りそうに。
火蓋が切り落とされる]
(108) 2011/07/01(Fri) 22時半頃
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