254 東京村U
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― 回想:電車内 ―
[さっき、電車でゆられながら、入間はぽつりと言っていた。]
…… そんなつもりじゃなかったのに。
[従兄の家で泊まれないことではなく、アンケートのことだ。]
アタシ、朝ね…… [後悔でその先のことが言えなかった。 ため息のあと、首を振って、しばらく黙っていた。 言えないうちに、新宿駅に着いていた。]
(250) 2016/09/30(Fri) 20時頃
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……うん、ごめん。 頼りにしてるよ。本当だ。
[頼りないはずがない。だから頼った。けど、これ以上迷惑をかけるのは…… 心の中で紡ぐべき言葉の原稿を書く。そしてそれは読み上げられることなく、丸めて心の奥底へと放り捨てられた。 グラスに口をつけながら、続く言葉を待つ。出てきたのは、意外な人物の名前だった。]
入間祥子さん? 知ってるけど、今日は……会ってないね。
[仕事で二、三度顔を合わせた程度の間柄だが、顔も名前もよく覚えている。自分と、名前、似てるもんね。木露と仕事上の交流があることも知っている。 しかし何故、このタイミングでその名前が出てくるのだろう。そして、何故、会ったかどうかなどと聞いてくるのだろう。]
え……。 もしかして榛彬堂白明社となんかトラブった?
[確かに、急に重い依頼を投げかけてしまった。 あちらにとっては少し、いや、かなり都合が悪かったかもしれない。 企画中止のシナリオまで頭に浮かび、次の言葉に身構えてしまう。]
(251) 2016/09/30(Fri) 20時頃
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『わかった』
『新宿戻るわ』
『近く着いたらよろしく』
[一二三は次の駅で降り、反対側のホームの電車へと*飛び乗った*]
(252) 2016/09/30(Fri) 20時頃
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/* オッッッ知人になった!!!!!!!!!!!!!!! たのしい!出目ちゃん!カワイイ!!!
(-33) 2016/09/30(Fri) 20時頃
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/* 出目ちゃんト書きが楽しい 比喩いっぱい あえてのキャラ付けだろうと想像しているんだけどどうなんでしょうか
(-34) 2016/09/30(Fri) 20時頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2016/09/30(Fri) 20時頃
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― 現在・夜:新宿駅 ―
[あのアンケートに八つ当たりしたことを、今更ながらに後悔している。 一二三へ泣き言を送っていたら、ついそのことについても零したくなってしまって、『朝、駅前』とまで打ちかけたが、返信があったので、それを消して、別の文字を打ち込んだ。]
『ありがと✨ ほんとにごめん!🙏』 『ごはんは、みおんがご馳走したほうがいいね🐼💦』 『まってるね』
[一二三の返信や到着を待ちながら、合流が難しい気配濃厚の従兄に『友達がきてくれるって言ってる!着いたらそっちと一緒にいるかも』と送った。 キルロイ先生からの朗報(とも限らないが、期待はしておく)を待ちながら、人の言葉が恋しくて、Twitterを眺めた。]
…………あ。
[誰かRTしたツイートだ。
【閲覧注意】『知らない街ニキ』の遭遇・目撃情報【都市伝説】 - NEVER まとめ
『知らない街ニキ』と呼ばれている変人についてのまとめ。 誰彼構わず話しかける困った人で、入間自身も友達と一緒にいるときに遭遇した。]
(253) 2016/09/30(Fri) 20時頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2016/09/30(Fri) 20時半頃
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[急な絡みに腹がたって、その時は動画まで撮ってやった。 変なことをされたら、警察に届けてやろうと思ったからだ。]
………、……。
[RTした者によれば、『知らない街ニキ』は居なくなったらしい。 いつ何時しょっぴかれて居なくなってもおかしくなさそうな変人と一緒にしたくはないが、父母と連絡がつかない状態で聞く『いなくなった』という言葉は、その言葉だけでも具合が悪くなりそうだった。 こんなタイミングで、聞きたい情報じゃなかった。]
(254) 2016/09/30(Fri) 20時半頃
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―赤坂・高級賃貸マンション2005号室 0:13 ―
[震え続けるスマートフォンを手に、ジリヤは懸命に拒否ボタンを押し続けていた。着信は一向に止まらず、一定のリズムで振動を続ける]
(なんで!?どうして!?)
[パワーボタンを押しても電源は切れず、強引にバッテリーを取り外した。だが、それでも着信は止まず、逆にミュートにしていたはずのコール音が鳴り出す]
(255) 2016/09/30(Fri) 20時半頃
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…………わぁぁぁぁっ!!!!!!
[悲鳴とともに機体を壁に叩きつけた。立川がひとつ唸って寝返りを打つ。床に落ちた携帯は、ブルブルとフローリングの上を這いまわりながら、コール音を鳴らし続ける]
(256) 2016/09/30(Fri) 20時半頃
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[ドンドンドンッ
ノックが響いた。 驚きのあまり、ジリアの身体がビクリと跳ねた。
ドンドンドンッ
ノックの音は玄関から響いてくるようだ。 本郷か、それとも赤羽か?]
(257) 2016/09/30(Fri) 20時半頃
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[ドンドンドンッ
震える携帯を蹴り飛ばして、一気に玄関まで駆けだした]
(助けて!誰でもいいから、助けて!!)
[途中、足をとられてよろめきながら、廊下を駆け抜けて玄関へ。 ドアのノブに手をかける]
(258) 2016/09/30(Fri) 20時半頃
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[ドンドンドンッ。
ノックは、先ほどから同じ、一定のリズムで続いている。 ノブをつかむ手が止まった。一定のリズム。
そう、携帯の着信コールと、まったくおなじリズムだ]
(259) 2016/09/30(Fri) 20時半頃
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······誰?
[返事はない。
ドンドンドンッ]
······誰なの!?
[気配もない。
ドンドンドンッ]
(260) 2016/09/30(Fri) 20時半頃
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『なんだね、こんな時間に。失敬なやつだな』
[背後から、寝起きの"立川"がのっそりと身を乗り出してきた]
『どきなさい。ぼくが一喝して追い払ってやる』
["立川"は玄関のドアノブに手をかけ、ロックを解除した]
あっ······ダメ!!
[ジリヤは"立川"の腕にすがりついた。 だが、ロックが外れた瞬間、ドアは勢いよく開かれた。 誰の手も借りずに]
(261) 2016/09/30(Fri) 20時半頃
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[ ――ざわり
得も言われぬ悪寒がジリヤの心臓を握りつぶした。
まだ夢の続きを見ている、ぜったいにそうだ
で、なければ、これは――]
(262) 2016/09/30(Fri) 20時半頃
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[ドアの向こうに、"ソレ"はいた。
モニターの"向こう側"にいつも居る"ジリヤ"。
きらびやかな空色のステージドレス。 ミニのスカートからすらりと伸びた白いタイツ。 差し色の赤いチョーカー。 猫耳のボンボン耳当て。
やや前傾姿勢なその姿は、赤黒い飛沫で汚れ、 同じく赤黒い汚れにべったりと染まった両の腕は、 ライトに照らされヌラヌラとテカっていた。
その先に握られているのは、ひび割れたガラスの灰皿。
あらぬ方向を向いていた顔が、ゆっくりとジリヤに向けられた。
無機質な空っぽの笑顔。
ジリヤと目が合い、その口が動いた]
(263) 2016/09/30(Fri) 20時半頃
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『 み つ け た 』
(264) 2016/09/30(Fri) 20時半頃
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["立川"が悲鳴をあげた。 ジリヤを突き飛ばし、そのまま奥の寝室へ逃げ込む]
(……これは?)
[床に崩れ落ちたジリヤは、そのままへたりこんだ]
(……あたし?)
[ステージ衣装を身にまとった"ソレ"は、ゆっくりとジリヤへ迫る]
(逃げなきゃ……はやく逃げなきゃ!)
(265) 2016/09/30(Fri) 20時半頃
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[右足の脛に激痛が走った。ぶつけてもいないのになぜ? ブルブルと脚が痙攣し、力をこめることができるない]
(動いて!おねがい……はやく動いて!)
[自由にならない脚を動かそうと、必死に腿を叩く。 その間も、緩慢な動きで"ソレ"は迫り、 ついにジリヤの目の前で止まった。
"ソレ"は、恐怖で震えるジリヤを見下ろしている]
······アッ······ヒッ
[自分の内腿がぐっしょりと濡れていくのがわかった]
(266) 2016/09/30(Fri) 20時半頃
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/* ウオオーー!盛り上がってまいりました
(-35) 2016/09/30(Fri) 20時半頃
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(あたし······死ぬの?)
[だれかに聞いた、ドッベンゲンガーの結末(>>90)が脳裏によぎった。
無機質な笑顔を浮かべたまま、 "ソレ"はゆっくりと灰皿を振り上げる]
(267) 2016/09/30(Fri) 20時半頃
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[そのとき
バチンッ
と、なにかが弾ける音が響いた]
(268) 2016/09/30(Fri) 20時半頃
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[灰皿を降り下ろさんとしていたソレは突然動きを止めた。 顔を左右にめぐらせ、あたりの様子をうかがう。
獲物を突如見失った獣のように――]
(······なに?)
[次の瞬間、ソレはジリヤを置いて風のような勢いで跳びだし、 "立川"が逃げ込んだ寝室の中へ姿を消した。
寝室から悲鳴があがる]
(269) 2016/09/30(Fri) 20時半頃
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(······い、いまっ!!)
[脚に力をこめた。 今度は、どうにか立ち上がることができる。 痛む右足をひきずりながら、開いたままの玄関ドアへ。
途中、背後に暖かな気配を感じ、思わず振り返った]
(270) 2016/09/30(Fri) 20時半頃
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[リビングのソファに置いてあったポーチ。 その口の隙間から、ジリジリと紫の煙が昇っている。
あのなかに残っているものはいくらかの化粧品と財布。 そしてもうひとつ、ヤヘイから託された本。
らくがきだらけの『東京村』]
(271) 2016/09/30(Fri) 20時半頃
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― 赤坂·高級賃貸マンション 中央ロビー 0:46 ―
『大丈夫だ、もう大丈夫だぞ!』
[本郷がジリヤの肩を力強く抱いて背中を叩く。あの直後、立川の悲鳴を聞いて駆けつけてきた本郷たちがジリヤを確保、ロビーにつれて警護にあたっていた。フロア内は柄の悪い屈強な男たちが行き交い、携帯で連絡をとりあいながら"殺人犯"の行方を追っていた。
他の部屋で待機していた数人の女子たちもロビーに集まり、不安そうに様子をみまもっている]
(272) 2016/09/30(Fri) 20時半頃
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[ロビーに三ノ輪の怒声が響く]
『ッザケンナ!! 来た跡も出た跡もねぇってどーいうことだ!? ポッと沸いて消えたって言いてぇのか!! 死ぬ気で探せ!!海しずめんぞ!!!』
(273) 2016/09/30(Fri) 20時半頃
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ああ、いや、トラブルとかではないです。 また、そのうちアンソロの依頼があるかもってぐらいで。
[心配そうな顔をする照子(>>251)に、そんな風に返す。 昨日、電話を受けた段階では事前情報程度のものだった]
今日、その入間さんから電話が……電話、でんわ……。 あっ、スイマセン!ちょっと電話します!
[後で連絡する、そう言ってからかなりの時間が経過していた。 こちらに成果はまったくなかったが、せめて知り合いに連絡が取れたかぐらいは確認しておかなくては]
(274) 2016/09/30(Fri) 20時半頃
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[慌ててスマートフォンを出して、『入間翔子さん』へと電話を掛けた]
(275) 2016/09/30(Fri) 20時半頃
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[本郷は、薄着のジリヤの肩に毛布をかぶせ、自販機で買ったホットココアを手渡した]
『"立川"は······残念だったな』
[ココアを手に持ったジリヤは、その液面を、ただじっと見つめていた。まだ、夢の中にいるようで、現実感がまったくない。身体が心から冷え、震えがとまらない]
······赤羽さんは?
『知らないほうがいい』
[そういうと、本郷はジリヤの肩をたたき、携帯を2台両手でもっている三ノ輪の元へ向かった。]
(276) 2016/09/30(Fri) 20時半頃
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