280 【半突発】茨姫の眠る町で
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オーダーメイドの依頼権。
[>>94フェルゼが稀に注文を受ける事を少女は把握していなかった。 定期で引き受けていれば何処かで耳にするだろうし、恐らく少ないのだろう。 彼の楽しげな笑みからは、ポーチュラカは賭けに勝った事を想像させ、友人らしい、と笑った。]
ふふ、有難い事だよ。
[毎日忙しい、と言われれば、少女は笑ってみせる。 休みは少ないが、沢山の出逢いが此処にあり、自分はそれを楽しみにしているのだと。]
(113) 蒼生 2018/08/16(Thu) 21時頃
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うん、いつでも言ってね。
[>>95出来るのは、近所の助け合いの延長。 どうしてもってなったら、と言うのには大きく頷いてみせて。]
そうだったら嬉しい。
[目利きという訳ではないが、彼の作品が素晴らしいという事は分かる。 少しの事でも助けになる、というのなら、そのままの距離で応援しよう。 近い将来、彼の作品を購入するのを夢見て、こつこつと貯金をするのだ。]
(114) 蒼生 2018/08/16(Thu) 21時頃
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ありがと! ふああー、癒されるぅ…。
[>>96店に動物を入れる事は難しい為、こうして動物と触れ合う機会は貴重だ。 笑顔で差し出された黒猫―どうぞ、と言うように鳴いた―をそっと抱えると、毛並みを掌で撫でる。 触れた場所からは温もりと生命力を感じられた。 少女はふにゃりと頬を緩め、]
どうも、ありがとう。 またね。
[暫し、その触れ合いを堪能した後、 そっと黒猫をフェルゼに返して、ふたりに感謝を告げて帰ろう。*]
(115) 蒼生 2018/08/16(Thu) 21時頃
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―偃月亭―
ただいまー!
[少女は裏口から戻ると、軽くワンピースを払ってから手を洗い、エプロンを身に付ける。 抜けていた穴を埋めるよう、働いてくれたジェレミーに近付いていくと]
ジェレミーさん、お蔭で最初から見られたよ。 ありがとう。
[ステージについて色々と語りたいところだが、今は仕事に専念しよう。 空は夕方から夜闇へ。 月や星が空に、地上ではランプの灯りが煌めき始める。*]
(116) 蒼生 2018/08/16(Thu) 21時頃
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─ 祭りの夜 ─
いやはぁ……今年は盛りだくさんだったなぁ。
[あれやこれやが一段落した後。 一先ず、のんびりとふらつく事を選んだ青年は、宛てなく道を歩いていた]
ま、節目の年のお祭りだってんなら、そのくらいあってもいいか。 な、リュミィ?
[肩に乗る猫に呼びかけるも、黒猫の金の眼はこちらを向いていない。 それを訝り、視線を辿った先に見えたのは、光]
……は?
(117) tasuku 2018/08/16(Thu) 21時頃
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[黒猫が見つめていたのは、茨に覆われていた城。 月の光に照らされた城が、それとは違う淡い光を放って]
……茨が……枯れてる?
[零れ落ちるのは、どこか呆けた呟き。 黒猫が、しっかりしなさいよ、と言わんばかりににぃと鳴くが、これで呆然とするなというのは無理な相談と言うもので]
……えーと。
[朽ちた茨は闇へと溶け、後に残るのは見慣れた、けれど、見慣れない様相の赤煉瓦の城]
(118) tasuku 2018/08/16(Thu) 21時頃
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…………いやぁ。 確かに、解けるかも、なんて話はしてたけどさぁ。
[工房でのやり取りをふと思い返しながらぽつり、呟いて。 しばし、黒猫と共に様変わりした城を見つめた後]
……まぁ。変化するのは、悪くないよな。
[諸々の思う所を一先ず、この一言で内に落とし込んだ。**]
(119) tasuku 2018/08/16(Thu) 21時頃
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― 回想 ―
お、おかえり。 楽しかったなら何よりだ。
[ ステージの話を聞きたい気持ちもあったが、こちらも仕事に専念する。 ……別れの挨拶はどうしようか、と、ぼんやりと考えながら。 ]
また明日も来るよ。今夜はどっちも疲れ切ってるだろうしな。
[ 何か伝えるのなら、一晩明けた方がいい。 それが別れだとしても、また違う挨拶だとしても。 ]
(120) palemoon 2018/08/16(Thu) 21時半頃
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─ 解呪の後 ─
[姫に伝えられるビアンカの願い>>112。 呪いに縛られない人生。 色好い返事をした姫に対し、青年も深く頷いた]
それは良い。 町の者達もきっと協力してくれることだろう。 勿論私も援助する。
[この城は歴史的価値もあるもの。 そう言う点でも青年はこの城を残していきたいと考えていた。 援助の傍ら、城の調査させて欲しいと言う願いをするかもしれないが]
大丈夫、上手くいくさ。
[心配要らない、と青年は微笑んだ**]
(121) rokoa 2018/08/16(Thu) 21時半頃
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―翌日・偃月亭 ―
[祭りが終わり、日常に戻る。 けれど、今年は大きな変化を迎えていた。 城の変化に少女が気付いたのは、一夜明けてから。 近くの店主が教えてくれてだった。
城を覆っていた茨は見事に消えた姿を、ぽかんと口を開けて眺めていたが、 思い出したのは、ルーカスとの話。 呪いが解ければ、姫君がどんな人か分かるかもしれない――と。
もしや、本当に呪いが解けたというのだろうか。 胸が期待と好奇心で高鳴るのを感じながらも、掃除を済ませた。]
(122) 蒼生 2018/08/16(Thu) 21時半頃
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[>>111掃除を終えて、二階で洗濯物を干していると 聞こえてきたのは、ジェレミーの声。 彼の仕事は今日で終わり、と父より聞いている。
少女がステージを見終えて帰った時には店は営業中。 >>120また明日も来る、という彼にその場では頷いた。 祭り当日という事もあって店は盛況で、四人で何とか回し終える事が出来たのだった。]
はぁい。
[応じる声は、少しばかり普段の張りがなかった。 今日でお別れなのだろうか。 そう思うと惜しくて。]
(123) 蒼生 2018/08/16(Thu) 21時半頃
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[やがて、少女と父親がジェレミーを出迎える。 兄は近くに用事で出掛けていた。]
ジェレミーさん、昨日はゆっくり休めた? 本当にお疲れ様。 とっても助かっちゃった。
[そう告げる少女の顔に浮かぶ笑みは、少しばかり陰を滲ませる。*]
(124) 蒼生 2018/08/16(Thu) 21時半頃
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[ 相手を待つ間、ふと、城の方を見る。 小綺麗になった赤煉瓦の城は、昨日までとは違った建物にすら思える。呪いが解けたのかもしれない……が、立ち去る自分には関係はない。 そう言えば、あの紳士と老婆はどうなっただろうか。あの職人の手の怪我は無事だろうか。あの書店は出店を出したのだろうか。ステージはどうだったのか。……普段なら気にしないことも、考えだすと気になってくる。 ]
……頼まれ事ってのは、城のことだったのかもな。
[ ぽつりと独りごちる。そうであれば、あの騒ぎにも説明はつく。 >>123 顔を出した少女に、どう別れを告げようかわずかに躊躇う。 その表情が、寂しげに沈んでいるようにも見えたから。 ]
あァ、ぐっすり寝たよ。こちらこそ世話になった。 ……また来年も、きっと働きに来るぜ。 その時はクッキーでもパンでも買ってやるよ。
[ もし、またこの町に来るのなら、その時は知ることになるだろう。 呪いについても、紳士の隠し事についても、老婆の思惑についても……その時の楽しみに取っておく。 目の前の少女の笑顔と、この店の食事に舌鼓を打つのだけが目的……となると、さすがに気はずかしい。 *]
(125) palemoon 2018/08/16(Thu) 22時頃
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[ あれが、読み聞かせで聞いた物語と繋がるのだろうか。 所詮は物語。本来ならそう考える人が多いだろう。 しかし、今、目の前でかつての栄華が蘇るような……。 そんな光景を目にしている。
今城に行けば、何か見られるのだろうか。 だが、浪漫のまま触れないのもまた良い。
……もしかしたら。 来年の月光祭はさらに賑やかになるのかも……しれない? そんな期待を抱きつつ、モニカは宿に戻った。 *]
(126) 747keiri 2018/08/16(Thu) 22時頃
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[ 商談>>108を終えてから幾日か。 商品の受け渡し期日は向こうに任せているので、 少女はその日を今か今かと待っておりました。
彼は頑張ると言っていましたから>>107 少女はただそれを信じ、静観の姿勢。 ともすれば店まで押しかけて催促したくなるのを 必死に我慢していると、両親は知っています。
そんな少女なのですから、 無事出来上がったとの報をいただいた折には 飛び上がらんばかりに喜んだものです ]
かわいい……!
[ 真白な蝋燭>>109を前に零すのはそんな感想 ]
(127) めのこ 2018/08/16(Thu) 22時頃
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素敵だわ、フェルゼ。 大切に、大切に使うわね。
[ 自分を見ていて思い付いたと言われたら、 少し照れてしまうくらいには素敵です。
波打つ装飾を細い指でなぞり、 伏せた目でそれを見つめて。 感無量といった風に、ほうと息を吐きます。
母はそんな少女を見て苦笑しつつも 彼に礼を言い、提示された金額を払いました。 それから、少女の頭をそっと撫ぜるのです ]
(128) めのこ 2018/08/16(Thu) 22時頃
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[ 少女はその日、 その蝋燭を友人達に自慢して回りました。 酒場に古書店、宝石店など、至る所に 見て見て! なんて、年相応の所作で。
夜には早速火を点けてみるつもりだったので、 フローラともう一人に、 家に泊まりに来ないかと誘ってもみたでしょう。
二人とも忙しいかもしれませんから、 予定が合わないようなら日を変えて。 少女の部屋に招待するのです ]
(129) めのこ 2018/08/16(Thu) 22時頃
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─ いつかの未来で ─
[ 少女然とした、可愛らしい部屋の中。 月明かりだけが差し込む室内で、 一つの蝋燭に火が灯されます。
ゆらり、と揺らめく光は 踊るように白い蝋を溶かしました。 辺りには甘く、けれどそれだけではない 豊かな香りが広がってゆきます。
────それを見つめるのは、三人の女の子。
少女とフローラは兎も角。 目覚めたばかりの"お姫さま"は……、 キャサリンは、きっと こんなものを見るのは初めてでしょうね ]*
(130) めのこ 2018/08/16(Thu) 22時頃
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[>>125沈んだ顔を見せれば、宥めるように父親に肩を叩かれた。]
そっか、それなら良かった。
[眠れた、というのにはほっとしたように応じて。 けれど続いた言葉に目を丸くした。]
……え、 それ、本当っ?
[問いかけながら、思わず身を乗り出す少女の瞳は輝いていた。 クッキーやパンでも買ってやる、という言葉ではなく、 また来年も、という言葉の方に反応して。
一所に留まる人ではないのだろうが、またいつか来て欲しいと言おうと思っていた。 その時には目一杯ご馳走するから、と。 細いものでもいいから、縁を繋ぐ言葉を紡ごうと。]
(131) 蒼生 2018/08/16(Thu) 22時半頃
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ジェレミーさんが来てくれたら、すごく、すっごく嬉しい! お父さんも、お兄ちゃんもそうだと思う。 あ、あの、でも、無理はしないでね…?
[ね、と確かめるように父親の顔を窺えば、彼は静かに頷いた。 ジェレミーが望まぬ事を強いたくはないのだと。 けれど、と少女はそっと胸元を抑える。]
ジェレミーさんが来たいと思った時に、また来てくれたらいいなって思ってたの。
お手伝いじゃなくっても、いつでも遊びに来てね。 私、料理の腕を磨いておくから。
[縁を繋げていく事が出来たら嬉しい、と。 そう言って、微笑んだ。*]
(132) 蒼生 2018/08/16(Thu) 22時半頃
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― そして ―
[ 老婆は、赤煉瓦の城、ロゼッタ城に住居を移す。 しばらくの間は、彼女の世話をしながら、 いろいろ教えたり、見て回ったりする。 宝石店は、開く頻度は下がったが、 それよりも、大事なことに、今は委ねたかった。 ]
おはようございます、姫様。 朝食を終えたら、今日は、大通りを歩きましょうか。
[ そう声をかける、老婆。 少し違う日常。 きっと、彼女も目覚めたこの時代で、生きてくれるだろう** ]
(133) Alex_synx 2018/08/16(Thu) 22時半頃
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―隣町・自宅―
[ 祭りの次の日に帰宅したモニカ。 あれから幾日か経った後。 工房で入手した『なみまのねむり』は自室の棚に飾ってある。 今度、夜に友人達を呼んでホームパーティーをするつもりだが、そのときに灯そう……などと考えていた。 ]
飾るのも素敵だけど、使ってもさらに素晴らしいんだろうなぁ……。
[ などと言いつつ、その日を心待ちにしている。
いつも隣町に行くのは祭りの日だけだったが、よく考えてみると普段から店を構えている人も多かったように思う。 それならば。 普段から頻繁に行って顔見知りになるのも悪くない。 いや、むしろ楽しみが増える。 「ずいぶんと楽しそうだね」と家族が声をかけてきた。 ]
(134) 747keiri 2018/08/16(Thu) 22時半頃
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うん、とても素敵なお店がたくさんあってね……! あ、そうだ。せっかくだし、普段の町にも行ってみない?
[ などと家族を誘う。 友人達も誘って行こう。 今度はあの城をもうちょっと見て回りたい。 あの光は何だったのか。あれからしばらくして、城に関する情報はちょくちょく入ってくる。ほぼお姫様の話だが……。
一ヶ月後あたり、行ってみようか。 何か、変わっているかもしれない。 ……変わっていないかもしれないが。 しかし、出会いは多かった。 ]
ふふ…っ。挨拶まわりで忙しくなりそう!
【モニカ視点 〜fin〜 】**
(135) 747keiri 2018/08/16(Thu) 22時半頃
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……まあ、そうだな。 ちっとばかし、気になることも増えちまったし。
[ 照れくさそうに頬を掻きつつ、応える。 >>131 身を乗り出し、アンバーの瞳を輝かせて喜ぶ姿。妙に懐かれたもんだ……と、驚きのような呆れのような喜びのような思いが去来する。 ]
ありがとな、嬢ちゃん。 ここのメシは美味いし、また気が向いたら来るよ。 そんときに、どこまで腕が上がってるか楽しみだ。
[ そして、こちらもゆるく微笑む。 少女の家族にも握手をし、一言二言、言葉を紡ぐ。 ……また、眩くも暖かい笑顔を見に来る日を、今度は確かな予想として思い浮かべながら。 *]
(136) palemoon 2018/08/16(Thu) 22時半頃
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─ 後日 ─
[オーダーメイドの間は、半ば工房に籠もる形となる。 ついつい忘れそうになる寝食をどうにか繋ぎ止めつつ、創り上げた真白は依頼主の目にかなったようだった]
そう言ってもらえると、創った甲斐があるなぁ。
[礼の言葉>>128に嬉し気に返しつつ。 オーダーメイド用の特別な箱に収めてリボンをかける。 代金を受け取った後の親子の様子には微笑まし気に目を細め]
……小さき灯が、僅かばかりでも幸いを齎します事を。
[いつもの決まり文句で、親子を送り出した]
(137) tasuku 2018/08/16(Thu) 22時半頃
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さーぁてぇ。 久しぶりにやり切ったー、って感が強いわけだけど。
[引き渡しが終わってまた日が過ぎて。 しばらくは何かする気もなく、工房も閉めたままでいたけれど]
そろそろ、新しい刺激を探しに行きますかっと。 色々変わったし、その変化を取り入れるのもまた一興、ってな。
[じっとしているのに飽きた頃、青年はそう言ってスケッチブックやら何やらを鞄に詰める。 黒猫が、呆れたようになぁ、と鳴くのも気にした様子はなく。 森に行ってスケッチでもするか、それとも古書屋を覗いてみようか。 そんな事を考えながら、青年は工房の扉を開けた。**]
(138) tasuku 2018/08/16(Thu) 22時半頃
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気になる事?
[>>136照れくさそうな応えには、少女は緩く首を捻る。 気の合う知り合いでも出来たのだろうか。 或いは、祭りや、この店を気に入ってくれたのだろうか。 ――何にせよ、また、と思って貰えたのは素直に嬉しかった。]
任せておいて。 ジェレミーさんを驚かせるくらい、美味しい料理でお出迎えするんだから。 楽しみにしてるね。
[ゆるい微笑みに、少女は胸を張ってみせた。 そうして父と共に彼と握手を交わす。 何とか間に合った兄は餞別にと、保存のきく腸詰肉とパンをジェレミーに渡した。
見送る時には、弾けんばかりの笑顔で手を振った。 再会するその時を、楽しみに。*]
(139) 蒼生 2018/08/16(Thu) 23時頃
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― いつかの、「緑園の冠」 ―
[ 本当に、あの晩茨の城、茨姫の呪いが解けた。 そう、慌てて手伝いをしてくれた老人が駆け込んで。 老人の情報網は早いのだなぁ、と思いながら、 息を切らした彼にお茶を差し出す。 ]
そうですか、それは良かった。 お姫様、今のこの町を気に入ってくれると良いですねぇ。
[ そんな事を話しながら、 「rose」の店主が、姫様の守役になっているだとか、 今年もどこどこの酒場や店は繁盛していただとか……*]
(140) roberusu 2018/08/16(Thu) 23時頃
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[ 踊り子の少女が、作ってもらった蝋燭を 自慢しにきたりもした。 どこかで、あの日店の前にいた男は 例の酒場で働いていて来年も働きに来るとか。 読み聞かせや、工房で会った少女を 祭りの日以外に見かけたりとか。 遠目で、あの紳士と共にいたお姫様は とても美しく、そして人々と楽しそうに過ごしていた。 これは、良い変化であろう。 ]
今年の祭りから、良い変化が起こりだしてるよね。
[ 来年の祭りは、いや祭りでなくとも。 この町はどう変わっていくのだろうか。 その変化は、良い事であれば良い――……。 そんな風に締めた日記をパタリと閉じ、 自室の窓から、身を乗り出し通りを見やる。 活気のある通りに、立派な赤煉瓦の城。 ……よい、街並だと、頬を緩めた。 **]
(141) roberusu 2018/08/16(Thu) 23時頃
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―いつかの未来―
[>>130可愛らしい部屋にお呼ばれした少女はいつもより少しだけお洒落をしてきた。 ローズピンクに薔薇の刺繍が施されたワンピースに身を包み。 ミートボールのクリーム煮を鍋一杯に作って差し入れて。
――今日はフェルゼに作って貰った蝋燭に火を灯す日。 真白の蝋燭にはポーチュラカの花が散らされ、 波か、フリルを思わせる装飾、翼を思わせるオブジェの添えられた作品はとても美しかった。 >>129見せて貰った時には思わず溜め息をついてしまったものだ。
月明かりだけが照らす部屋で、期待と緊張を胸に蝋燭を囲む。 蝋燭に灯された火がほわりと周囲を照らし、見つめる少女の顔を浮かび上がらせた。
白い蝋が溶け出して、甘く、けれど何処か大人びた香りが鼻腔を擽れば、少女は思わず頬を緩めた。 一人の職人が作った作品を愛でる、とても贅沢な時間を 幼い頃からの友人と新しい友人と共に分かち合う。 ――抱えていたい思い出が、また一つ。**]
(142) 蒼生 2018/08/16(Thu) 23時頃
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