56 いつか、どこかで――狼と弓のワルツ――
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神父殿、フィリップ君…。 せめて、安らかに。
[神父とフィリップの目を閉じ、自分に出来る祈りをささげた。]
せめて、安らかに。 う、く、んく、はぁ…。
[とうに涙は流れている。 それとは別に、井戸の奥底から水が湧き上がるように、心に噴出していく何かがあった。]
(7) 2011/07/02(Sat) 01時頃
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あの、後は、お願いします。
[>>11駆けつけた看護士に二人を任せるつもりで。 立ち上がると最後に彼らの冥福を祈り、よろめきつつ中庭に向かいふらふらと歩いていく。]
誰が彼らを殺めたのか…か。
(15) 2011/07/02(Sat) 02時頃
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― 中庭 ―
なんだ、これ…。 [目の前にある光景もまた、初めての景色だった。傷つき倒れている騎士、励ます看護士、鉄臭い臭い、真っ赤な赤。]
そ ん な 。
[湧き出たものの正体が何であるかはっきりした。見送って歓迎するだけの視線からは、見えないもの。文字でなら知っている、その行為の結果。]
神父殿、これが戦、ですか。 外からは―憧れてるだけでは見えない現実ですか。 [血のように急速に巡っていく死の感覚。それに気圧されたか、足が竦んでその場にへたり込み、見届けた死に教えを乞うた。]
(19) 2011/07/02(Sat) 03時頃
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…はっ! あ、ああ、はい、いえ。だ、大丈夫です。
[>>21声をかけられるまで放心状態だったようで、目の先にはヤニクの姿が認識できた。
反射的に立ち上がってみたものの、足の震えが微妙に残っていた。]
あの、ヤニク殿、でしたか。 実は神父君とフィリップ殿が、何者かにで、死んで…。
[言いたい事はあるのにきちんと言葉が紡げない。 泳ぐ視線に若干の錯乱が残っていた。]
(22) 2011/07/02(Sat) 03時半頃
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そだ、こいうときは話し方…。
[>>23ヤニクの真っ直ぐな視線が、遠くに見えた幻を消し去ってくれた。思考が若干回復したようだと自覚を持った。涙を服の裾で拭う。]
先ほど、本当に先ほどですが。 従軍―神父殿と、馬の世話をしていたフィリップ君が。
[そこで言葉を切り、一呼吸置いて。]
亡くなり…ました。 見つかけた時にあ、二人とも血が流れてて、目の前で事切れて。
しかも、何者かに、殺された、と。
[裾でもう一度、涙を拭った。 看護士の言葉から、殺された事は想像がついた。]
(24) 2011/07/02(Sat) 03時半頃
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>>25そ、です。 あっち―牢屋があったとこの近くです。 そこで二人とも倒れてました。
倒れたとこに、たくさんの血があったので、恐らくは同じ場所です。
[言葉の中には少し繰り返しがあっただろう。 力無く握られた拳は、感情の入り混じりを表現していた。]
(26) 2011/07/02(Sat) 04時頃
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>>27無論、行かせて…もらいますよ。 砦の中でこういうことが何度も起こったら大変な事になってしまうんで。
ましてや他人事じゃないですし、それに…。
[最後の言葉は徐々に言葉は小さくなり、ついに途切れた。
問われれば、いや何でもないんです、と首を振りながら返しただろう。]**
(28) 2011/07/02(Sat) 04時半頃
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[>>46ヤニクの言葉に頷き、半歩後ろから付いていく。 途中、彼に届いた言葉は自分も聞こえて。]
>>48あの…赤の副団長殿が、ですか。
[見張り台の情景が甦ってくる。腫らした視線にある柔らかさ、副団長になると意を決した言葉、騎士の佇まい。]
ヤニク殿…。
[止めた緑の騎士殿の足は、早くなっていた。彼に言葉を自身からかけようとは思えず、そのまま慌ててついていった。]
(49) 2011/07/02(Sat) 16時半頃
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バーナバスは、周囲を見回しながらヤニクについていく。**
2011/07/02(Sat) 17時頃
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副長殿…。
[>>53参謀殿に報告に向かう途中、緑の副長殿と出くわした。甲冑に付着した血を見れば、何かを理解できたような感じになる。]
と、砦内の地下牢近くにて、人死に、が出ました。
やられたのは神父殿と、馬の世話をしていたフィリップ君です。駆けつけたときには行きはありあしたが、直ぐに事切れて―。
[副長に使っていた何時もの軽口が、上手くでない。]
…看護士の話ですと何者かに殺されたのだろうと、言う事です。
(59) 2011/07/02(Sat) 22時頃
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[後はヤニクが>>55報告をしてくれている。可能性の話をしているようだが、言葉を濁された三つ目とはなんだろうか…。]
>>56捕虜とかの話ぁ、聞いてないと思います。 覚えがないです。
[小さく横に首を振る。 その副隊長の様は普段より威圧感があり、少し声が擦れた。]
(62) 2011/07/02(Sat) 22時頃
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>>64―! お役に立てて…光栄です…。
[副団長の笑みを見たことがあっただろうか。あったのかもしれないが、どちらかと言うとお叱りの印象が強かった。ゆえに、嬉しさはあった。
向かう最中の>>61>>66>>69二人の戦の話には、問われなければ口を挟まないようにしているだろう。]
(70) 2011/07/02(Sat) 22時半頃
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>>72えーっと、まあ。 そりゃーお堅いと言えばお堅いと思いますよ。 茶目っ気なのかわかんないときあるんですよねー。
[ヤニクにつられ普段の口調でぽろっともらす。]
あ…。
(74) 2011/07/02(Sat) 23時頃
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バーナバスは、しまった、うわぁ〜とヴェスパダインから視線を背けた。
2011/07/02(Sat) 23時頃
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>>81はは…はは。なーに大丈夫ですよ。 まずはちゃんと報告する仕事しますから。
[いつもの副団長に気が楽になった。]
(91) 2011/07/03(Sun) 00時頃
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[>>89ヤニクに促されると一歩前に出て。 既に何度もした報告をもう一度行った。 言葉は噛みそうだったが…。]
―以上です。
[最後、ですのあとにぅが付きそうになり危険を感じながら。どうやら参謀殿は一部始終を聞いているようだったが。]
えーっと、どしたらいいんだろ。
[>>79>>83>>90その後は数歩下がったが、3人はなにやら話を始めたようで。自分には単語を聞き取れても内容は把握しきれていないので、下がったまま立っている。]
(93) 2011/07/03(Sun) 00時頃
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ひぇ、は、はい。
[>>95不意に作戦の話からいきなり自分に振られ吃驚した。]
砦の中の建物ですか。えーとあのですね。 一部とかなら普通に中庭など見やすい場所で。
[と、今まで自分が描いたポイントを思い浮かべていく。]
全体を見るなら砦の城壁に登って…例えばこの辺で。 見張り台も外も中も見晴らしは悪く無かったですけど…。
[見張り台はちょい高すぎかも、と下を覗いて足が震えたことを思い出した。]
(102) 2011/07/03(Sun) 00時頃
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>>97!?
[色々思い出していたからだろうか、それとも元より反応が遅いだけか。
声に言葉に対するが遅れた。]
(103) 2011/07/03(Sun) 00時頃
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>>105う、うわあぁ…! ひぃっ!
[何がなんだか理解できぬまに、伏せろと言うヤニクの言葉に、倒れるようにして伏せた。その視界に副団長が入って。]
あ、ふく、だんちょ う どの?
(108) 2011/07/03(Sun) 00時半頃
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あああ、副団長殿…副団長殿…
[刺さった矢が意味するところを理解したとたん、漏れる嗚咽。伏せたままの体でも、視線は>>112ヤニクが抱えようとする副団長から離れなかった。]
(120) 2011/07/03(Sun) 00時半頃
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