190 やどかりさまの、暇潰し
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───オレは“鳥海 英里”ですよ。
[それ以外の何者でもない。 それ以外の何にもなれない。]
(8) 2014/08/21(Thu) 00時半頃
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[ ───“オレ”は、いつだって物語に登場しない人物。 ]
(*3) 2014/08/21(Thu) 00時半頃
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[眉間に触れたとき(>>4:42)、重なった視線を思い出す。 たった数秒もなかった、長い永い、それ。
部屋を出て確かめにいく事も出来ない。
透けた姿の誰かの声が。 或いはどうしてだろう、俺の声のようにも聞こえる。 紡がれる、紡がれる。
『誰にも、届きやしないんだよ。』
…───と。]
(*4) 2014/08/21(Thu) 01時頃
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[ ────いき を吐いた。 ]
(12) 2014/08/21(Thu) 01時頃
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[ ────生き を吐いた。 ]
(*5) 2014/08/21(Thu) 01時頃
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紅子さんがオレの身体を離さないんじゃないですかね?
[素っ頓狂な声に、溜息を吐き出す。 まったく、ニューオカマの生誕はどうした。 寧ろそっちの──オレの身体──の方がしっくりきてないか。 やめろ、やめてくれ、悪夢だ。]
……まあ、副会長のグラスも見事カラッカラにしちゃったわけですが。 これはやっぱあれですかね? オレがキーパーソンって事ですかね?
[ずれた眼鏡を押し上げつつ、随分慣れてきだした身体で言葉を紡ぐ。]
(13) 2014/08/21(Thu) 01時頃
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……ごめんね。
[折角、せっかく願ってくれていたのに。 オレが触れなければ、きっと水は満たされていただろうに。 井上さんの方を向いて、一言告げて。 会長を見て、安曇ちゃんの姿の誰かを見て、シノを探して。]
どうすれば、いいん、でしょうね。
[ゆっくりと、視界をめぐらせる。]
(*6) 2014/08/21(Thu) 01時頃
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[塩なんて効き目がないと、会長や安曇ちゃんがからかっていた。 清める効果も、守る効果もない、ただの食塩。 それでも、そんな食塩を猫のように撫でて離さなかった姿が あまりにも愛らしかったから。
──その箱が握られたままだと、まだ知る由もなく。
透けた姿が見えないのなら、きっと部屋の外だろう。 王子でも魔法使いでもないオレに、迎えになど行けるはずもなく。]
(*7) 2014/08/21(Thu) 01時頃
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えー…と、杉山さんが拓ちゃんで?
[聞こえた音を拾い、何とか現状をまとめようと思考を動かす。 あのオカマは紅子さんで間違いないだろう。 シノはどうやら幽体離脱の状態。]
つまり、えーっと。 だれだ、誰が生きてるんだ、わかんねぇ…。
[動かして判るのなら、誰も苦労はしないというもの。]
(15) 2014/08/21(Thu) 01時頃
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とりあえず。 どうもオレがグラスに触ると、 やばい方に動いちゃうっぽいのはわかっ───
[そこまで言って初めて自分のグラスを見た。 あまり注がれていなかった筈の水。 それは確かに、どうみても、増えている。]
……───。
[オレが水を増やしたわけじゃない。 誰かが増やしたとも、考えられない。
オレが触れたグラスからは水が消えて。 俺のグラスには水が満たされていく。]
(16) 2014/08/21(Thu) 01時半頃
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オレが、────…
[この怪奇現象という物語から“消えて”しまえば ──いい?]
(*8) 2014/08/21(Thu) 01時半頃
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………、これさ。 オレのグラスの水、みんなのに分けたらいいんじゃない?
[ぽつ、と落とす。]
(18) 2014/08/21(Thu) 01時半頃
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ジーザス。
[拓ちゃんの言葉にはズッパリと一言を投げた。]
杉山さんなら、まだいいじゃないですか。 ほら見て、オレ、紅子さんだから。 今流行のオヤジ系女子だから、下っ腹だから。
[出てないと言われたが、本当かどうか脱いでみようか。 なんて、振舞うのはいつものように。]
(19) 2014/08/21(Thu) 01時半頃
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───…
[何かの衝撃。振動。 それを感じた直後、窓からの来訪者に上がる声(>>20) 透けた水色は極彩色にかき消され。]
うわ、と。 あー、…ピン子?ちゃん? が間違ってなかったら… 拓ちゃんの中に、安曇ちゃん?
[だろうかと、首を傾げつつ。]
(22) 2014/08/21(Thu) 01時半頃
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んー……。
[言葉を探す。 思い至っているところに、極力触れない言葉を模索して。]
オレは、眠りの森のイケメンにでも転職かな? まあ…ここの所仕事であんまり寝れてなかったし。 オレとしては願ったり叶ったりですよ。
[ひらひらと手を振ってみせる。 が、オレが眠ってしまう時の体は、どうなるのか判らない。]
(24) 2014/08/21(Thu) 01時半頃
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脱いだらすごいって、下っ腹が?
[とか言ったら殺されそうだ、が口にしてしまった。 ごめんね紅子さん。 下っ腹のことはオレが墓場まで持っていくから!]
男子系女子は色々と人気高いよー? そりゃ井上さんも意外とお節介で気遣い屋で、ポイントは高いだろうけど。
[まるで普段のような会話だな、こんな時に。 緩やかに口元は笑みを形作る。]
(26) 2014/08/21(Thu) 02時頃
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[けれどその実、緩やかに眉は下がっている。]
(*9) 2014/08/21(Thu) 02時頃
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まあ、とりあえずオレが気付いた事をまとめておくけど。
オレが触れると、どうもグラスがカラッカラになるみたい。 で、消え失せちゃった水は オレのグラスに入ってる?のかな? …たぶん。 どういう理屈かなんてのは、入れ替わりが起きちゃってる時点で オレに説明は求めないで下さいね。
[部屋にいる面々に、聞こえるように声を落としていく。]
(30) 2014/08/21(Thu) 02時頃
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平均的に分けられたらいいんだけど。 目測からして、どうも一杯分足りなさそうなんだよね。
[事が起こった、最初の会長の分ではなかろうか。 憶測ながらの言葉は続く。]
グラスが“器”で、水が“魂”とするなら。 最初に注がれた分と同じ量を注がないと、意味がないと思うんだ。 最初は半分注げばいいんじゃって思ったけど。 たぶん、そういう中途半端な量だと。 …許してくれないんじゃないかな、って。
[この儀式を始めてから、ずっと嗤っている、あの声が。]
(32) 2014/08/21(Thu) 02時頃
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オレ一人、“消えた”ところで。
[オレが描く漫画の世界と変わらない。 そこにオレは居ない。
膜に阻まれた人差し指の事も どこかで鳴らした心の音も オレは何も、知れていないから。]
(*10) 2014/08/21(Thu) 02時頃
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お、井上さんの中には杉山さんがいたんですね? 違う人が居るのはわかってたけど、まさか杉山さんとは。
[思わなかったなと、くすくすと笑って。]
大人しくしてる杉山さんもいいけど。 やっぱり、いつも通りの杉山さんの方が魅力的ですね。
…ね?
[同意を求めるように、杉山さんの外見をした拓ちゃんへと 首を傾げて見せた。]
(36) 2014/08/21(Thu) 02時頃
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いいよいいよ、ガンガン移しちゃって下さい。
あーっと、このままだとたぶんオレは紅子さんのまま スヤスヤしちゃうと思われるんですが… まあその外見うまいこと使えると思いますし、 お酒もある程度は飲めるんで、いいですよね紅子さん?
[安曇ちゃんからの声(>>34)に、一度紅子さんへ確認を取った。 とはいえ半ば、強制的な確認だったけれど。]
(37) 2014/08/21(Thu) 02時頃
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安曇ちゃん。 オレが犠牲に…とか、思っちゃったりしてる?
[きっとそう思っているだろう。 逆の立場なら同じように思っていただろうから。 だから、オレは安曇ちゃんの──身体は拓ちゃんの──頭に手を伸ばす。 前髪で目は見えないけれど、ぽんぽんと撫でて。]
眠りの森のイケメンは、 姫のキスできっといつか目が覚めるさ。 そんな“物語”の、一ページだと思って下さい?
[キスもなければ、起きる事もないだろう。 うまくぼやかせたかどうかは、わからない。]
(39) 2014/08/21(Thu) 02時半頃
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んー、そうそう。 不思議な声、あれちょっと黙らせてきちゃいましょう。
[口篭るような杉山さんには、こくこくと頷いて。 伝説の剣を抜いた、選ばれし勇者の気分で笑む。 それから聞こえた小さな呟きには。 見かけは井上さんだけれど、そんなふうに“杉山さん”の方が やっぱり魅力的だなあ、なんて思いながら。]
(41) 2014/08/21(Thu) 02時半頃
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……ん?
[安曇ちゃんを撫でていた手が一度止まる。
誰のキスで、だなんて。 少しの間、考えて。]
(42) 2014/08/21(Thu) 02時半頃
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『他の何者かになりたいと、一度は考えた事があるだろう。』
(*11) 2014/08/21(Thu) 02時半頃
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白馬の王子に。 魔法使いに。 伝説の勇者に。
(*12) 2014/08/21(Thu) 02時半頃
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杉山 恵に。 井上 恵都に。 月読 鈴に。 菅原 紅子に。 風祭 拓に。 白戸 紫乃に。 安曇 渚に。
御名縣 宗一郎に。
山田 雄一に。
(*13) 2014/08/21(Thu) 02時半頃
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一番なりたがっていたのは“オレ”なのかも、しれないな──…
(*14) 2014/08/21(Thu) 02時半頃
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……──“鳥海 英里”を愛してくれる人に、かな?
[どこにも居なかったその人を。 本当に愛してくれる人が居たのなら。
なんて、口には出さずに 笑っておいた**]
(43) 2014/08/21(Thu) 02時半頃
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