256 【突発RP村】胡蝶の夢
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受付 アイリスは、メモを貼った。
myu-la 2016/11/18(Fri) 23時半頃
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— ひとつの終わりまで —
[——それから。 あれだけ長く続いていた吹雪も収まり、私は村へ帰った。 “声”で囁き合った仲間も、もうどこにもいなくて、 結局、何があったのかはよく分からないままだった。
人狼が現れて、人がたくさん死んだ。 それはきっと悲しくて、私は泣いていたのかもしれない。
修道院の中にあった全ての死体は、人狼の仕業か、 もしくは人狼に抵抗した者の痕跡として扱われ、 私が何かを咎められることはなかった。 ——咎められたとしても、その意味は分からず聞いていたけれど。
私が作ろうとした“こども”は、いよいよ産声を上げることはなかった。 部屋に放置されたおぞましい肉塊は、人狼の食べ残しだろうと思われたみたい。 理解を超えた無惨な行いはすべて、人間のしたことではないだろうと、 人狼に全ての罪を押し付けて、全ては終わった。]
(82) myu-la 2016/11/19(Sat) 22時半頃
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[元通りの日常に戻り、店先の植木鉢は寒さで萎れて華やかさは減ったけど、 花屋の看板娘は変わらず微笑んでお客さんを迎えます。
お父さんとお母さんは、帰りの遅くなった私を優しく撫でてくれました。 今まで休んだぶん、働いて取り戻さないとなって、早速仕事をくれました。 私は、今日も愛されていました。
時々、ローズさんが尋ねてくれた時は、いろんなお話を聞かせてくれました。>>15 仕事は休めないけど、退屈はしませんでした。
今度は、本当の子供の作り方を教えてくれると聞いたので、楽しみです。>>109 どんなふうに肉片を混ぜ合わせるのが正しかったのか、やっぱり分からないままだったので。 次は失敗しないようにしたいと、そう思いました。
ローズさんが食べさせてくれたアップルパイは、キャサリンのものよりは固かったけど、 優しい甘さが少し懐かしくて、なんだか涙が出そうになりました。*]
(83) myu-la 2016/11/19(Sat) 22時半頃
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— ハーノットの日記・4 —
アイリスが帰ってきた。 何日も店を開けやがって、とんだ親不孝のガキめ。 稼ぎがなかった日は止むを得ず酒の量を減らしていたのも知らずに、笑ってやがった。
人狼騒動に巻き込まれていたとか、自警団の連中に説明されたが、 あんな御伽話を信じる馬鹿がいやがるとは、この村の未来もとうとう危ういか。 善良な村民をナメくさりやがって。
アイリスの奴は、今日も懲りずに子供の作り方を教えろと強請ってきやがった。 試してみたけど失敗したとかほざいてたから、嘘をつくなよと笑ってやった。 それが本当なら人殺しだ。嘘つきか人殺しかどっちかだな。
罰として今日は飯抜きにしてやる。 こうしてしっかり反省させてやるんだから、感謝の印にお返しのひとつでも貰いたいもんだ。
(84) myu-la 2016/11/19(Sat) 23時頃
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[——その次のページは、赤黒い何かに染まっていて、
辛うじて読み取れる走り書きが、ちらほらと散らばる。]
(*5) myu-la 2016/11/19(Sat) 23時頃
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やっぱり、上手くできなかったみたい。
もっと練習しなきゃ、ダメなのかな。
お父さんとお母さんを混ぜ合わせてみたのに、弟も妹もできない。 どうすればいいんだろう。
私、嘘つきじゃない。人殺しでもない。 教えてくれたことを信じていたのに、何がいけなかったのかな。
ローズさんなら教えてくれるかな。
知るのが、こわい な
(*6) myu-la 2016/11/19(Sat) 23時頃
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[それから、花屋で笑っていた看板娘は忽然とその姿を消す。 行方を知る者は、果たしていたのかどうか。
今となってはもう分からない。]
(*7) myu-la 2016/11/19(Sat) 23時頃
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[土塊は、いずれ土に還るだけ。*]
(85) myu-la 2016/11/19(Sat) 23時頃
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— 現世 —
[長い夢を見ていた気がする。 ——ひどく、気分がよくない夢。
目を開けて、窓から差し込む光を感じるまで、 血と肉と何かに満ちた視界が脳の何かを刺激する。]
……はあ。
[溜め息ひとつ。 >>#0聞き覚えのあるような誰かの声が聞こえてきたから、俄には信じ難いけれど、 頭に残り続ける嫌な感覚が伴って、それを肯定する。]
(86) myu-la 2016/11/19(Sat) 23時頃
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思い出して、それで、どうしろっていうのかしら。 ……ハンバーグを作る意欲が根こそぎ無くなる効果はあったけど。
[前世の追体験。 あまりに明確な夢は、ただの夢ではないらしい。
人狼と会話をし、血と肉を漁り、狂いに狂った記憶。 今にの私にとっては身の毛のよだつもの以外の、何物でもない。
——憂鬱な気分が晴れない。 旦那と冷戦中の今、気分転換のつもりで仕事を休んで、世界を巡っていた。
“いのち”の作り方を、間違えるはずもない。 フリージア・コールは、看護士として、それに常日頃から向き合ってきた、つもり。 それすらも因果というものなのか、果たして。*]
(87) myu-la 2016/11/19(Sat) 23時頃
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— 玄関 —
[この日も、修道院の外からは吹雪く音が聞こえる。 そう、まるで、前世の記憶そっくりのまま。
たくさんの赤い実りがあった果樹園も、 あの惨劇が起こる前日に雪で遊んだ庭園も、 初めて訪れた場所なのに、その場所は記憶にあった。
今は、雪の白に塗り潰されて。 きっとここからじゃ、何も見えない。]
……まさか、またここで人狼が出るわけじゃあ、ないわよね?
[まさか冗談、と笑う。 ツアーで訪れたこの場所、そして同行し、宿泊した人数を思い出す。 国籍も年齢層も異なる奇怪な旅。その真相は、前世で命のやり取りをした者同士というのだから。]
(123) myu-la 2016/11/20(Sun) 16時頃
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やめてほしいわ、そんな。 私は狂ってなんかいないもの。
[前世の記憶より、背は高く、髪はさらに長いけれど、 容姿を例えるならきっと、あの花屋の看板娘がそのまま数年成長したような。
でも、生き写しなんておぞましい。 下腹部を無意識のうちにさする。 彼女は彼女で、私は私で。
私は幸せなんかじゃあ、ない。*]
(124) myu-la 2016/11/20(Sun) 16時頃
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[ふと振り返ると、>>151そこには天井にスマホを向けていた異国の人がいた。 釣られて天井を見上げるも、そこは特別な装飾がされているとかではなく、何も無い古びた建築の一部で。 撮影が終わった彼の顔を、じいっと覗き見るように。]
記念撮影です?
[異国の方にとっては珍しいのかしら。 そう思いながら距離を詰める。]
(152) myu-la 2016/11/20(Sun) 23時頃
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[私は“彼女”ではないから、分からないけれど。
少なくとも、自分を人間ではない土塊だと思っていた彼女にとっては、はじめて。 はじめて、役に立てる同胞だと思えた人たちだった。
自分や周囲がはっきりとそれを認識していたかはともかく、 狂いに狂った彼女の人生において、それは少なからず救いであったのではないかと、思う。]
(*10) myu-la 2016/11/20(Sun) 23時頃
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記念撮影なら、一緒に写ってもいいですか。 何もない建物だけの写真よりも、見栄えが良いほうがいいでしょう?
[くすり、軽く微笑んで。 異国の彼の手を取って提案しよう。
旅の記念として、縁を記録に留めておくのは、きっと悪くはないだろうから。*]
(153) myu-la 2016/11/20(Sun) 23時頃
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ここが?
[>>156この場所が、玄関が、大事とは。 ああ、でも、なんとなくわかる気がする。 惨劇のはじまり、修道女の死があった場所だから。 ……もしかしたら、そういう意味ではないのかもしれないけど。
この異国の男性は、女性に慣れてなさそうな雰囲気が微かにしたけど、 私はそうでもなかったから、二人並んで自撮りに映る。>>157]
ふふ。 ありがとう。
そうね、折角だから教えてもらおうかしら。
[名刺を受け取れば、折角だし後日改めて連絡を取ろうと思う。 我ながらガードが緩い気もしたけど、旦那とは冷戦中だし、いっそこのままついていっちゃってもいいかなっていう気持ちも無くはない。
……なんて。流石にそれは嘘。]
(169) myu-la 2016/11/21(Mon) 00時頃
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[また無意識に、下腹部を撫でる。 マタニティブルー。これから生まれ来る命への期待と不安の、後者に押し潰されそうになっていた。 旦那は私の気も知らないで、呑気なことばかり言っていて。
でも、私はこの命に責任を持つと誓う。 “いのち”を産み、育んでいく。 それはきっと、前世の私ができなかったことだから。 旦那は他でもない私のパートナーであり、かけがえのない仲間なのだと信じて、向き合おう。
前世のことを知ったからなのか、そうでないのかは分からないけど。 今はもう、気持ちを整理して帰れる気がする。
気付けば吹雪も止んでいた。]
(173) myu-la 2016/11/21(Mon) 00時頃
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[雪に埋もれた修道院の庭園。 季節も変われば雪も溶け、緑色の地面が顔を出すだろう。
草むらの中で茎を伸ばし、花を咲かせるのは、 いつかの過去に撒かれた種が、命を、遺伝子を繋いだから。>>112
恐ろしき、悲しき出来事が、確かに、そこにあった事実。
それを詠うかのように、アイリスの花が揺れる。**]
(174) myu-la 2016/11/21(Mon) 00時頃
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