75 サプリカント王国の双子
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おや、そんな風に頬を染められる様も、お美しい。
[照れる姉王女>>104にも、やっぱりくすりと笑って言葉をかけた。 やはり、女性…としか思えない]
ふふ、いくら本当のこととはいえ、あまり困らせてしまっても 申し訳ありませんね。 [照れているのだろうことは、見て取れる。 そこがまた―……。
しかし、どこか引っかかる。 いや、引っかかっていることを明確に自覚しているわけではなかったが、 なんとなく、くすぶっているような違和感のような、なにか]
(……?)
[けれど、今はそれを突き詰めても仕方ないと、深くは考えず]
(120) 2012/01/11(Wed) 00時頃
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[そして、再び窓の外へと視線を向けた。 思わず賛辞を零した程の色だった空が、今にも泣き出しそうになっていた]
あ、ああ。そうか。
[ディーンが言っていた学校の名前がずっと頭に引っかかっていた。 不意にそれがなぜだかわかってくすくすと笑った。
ペンブルックシアにある王立学院。 高等学院時代のライバルが行った場所だった筈だ。 そう思うとディーンを見る目が少し意地悪くなった気がした。 ―…もっとも、彼にには迷惑な話だろうけれど
と、窓の外に雨粒を見る。 それはあっという間に景色を白く煙らせる程になってしまった。 女王の声にそちらを振り返って、予定外の滞在許可に頭を下げた]
(ファントム、グロリア…やはりお加減が良くないのだろうか。
[笑顔を残して去っていく女王の背を、黙って見送って黙礼した]
(121) 2012/01/11(Wed) 00時頃
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あら、お上手ですね。
[細められたオリーブは、ハンスと同じ色。 前髪で隠されていない分、彼のそれよりははっきりと見えた]
………………。
[語られる言葉を、心の中で映像にする。 思い描いた蝶の色は、月光を反射する銀の羽。アクセントに濃蒼。 物語の世界に、ゆるりと落ちかけたその時。 彼が微笑み、話は終わる]
……はい。解りました。 続きを楽しみにしております。
今、私が思い描いていた情景も、感想も、 お返事としてお送り致します。
[子供のような顔から、再び王女の顔へと戻り。 ありがとうございますと目を細め、笑った]
(122) 2012/01/11(Wed) 00時頃
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いえ、こちらこそ。 引き止めてしまい、申し訳ありません。 城内の案内が必要でしたら、外に使用人もおりますので どうぞなんなりとお申し付けくださいね。
[場を辞すエリアスを見送りながら一礼。 そして自身も席を立ち、一歩二歩と近寄るのはディーンの方へ]
(123) 2012/01/11(Wed) 00時頃
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[かかる声>>119に静かに向ける笑みは、此方も他人行儀なもの。 けれど僅か滲んだ顔色の悪さに、気づけるとしたら兄だけだろう]
ありがとうございます。
…転ばぬようよく気を付けましょう。 この雨の中では、服を泥だらけにしてしまいかねません。
[穏やかな足取りは、屋根の無い場所へ。 嵐にも似た雨の中、ふわりと差しかけるのは黒い傘]
(124) 2012/01/11(Wed) 00時頃
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[深く、深く、女王を見送る。 その背が遠くなってからようやっと顔を上げる。
招待客も部屋を出ていくようなら、扉は閉めず、やわらかく笑んだまま。]
――このような良き日に、残念なことです。 せめてごゆるりと。
[口を滑るのは静かな謝辞。 そして、中にいる王女にちらりと視線だけを送った。]
(125) 2012/01/11(Wed) 00時頃
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……。リリィ。
[弟の、顔色悪さ>>124に気付けば、傍ら静かに声かける。]
(エリィを、部屋へ。)
[時折人語を解するのではないかと思う程の、賢さ。 実際、単語などは理解しているのだろう。
暫く逢ってはいないとは言え、以前、共に暮らしていた、 主人と同じ生成りを示す――それは、幼少期の呼び名だけれど――呼称と、己の居住地。
それらを囁くのを聞けば、リスザルはキィと小さく鳴いて。
外へと向かう傍らにかけよれば、 その服の裾を引っ張って案内するとでも言うような仕草。]
[唐突な動き。 他から見れば、多少違和を覚えるかもしれなけれど。]
(126) 2012/01/11(Wed) 00時頃
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[賢いさるの案内、久しぶりにあうのだろうが、 仕草を見知った弟には気付けるか。]
[普段は、殆ど王女の傍に控えていて。 寝に帰るだけの部屋、相手は弟とは言えども。 王女に許可は、とっておかねばいけないだろうか。
応接間の中、ちらりと見やる。 事後にはなるが、話をしておこうかと。
けれど会話を邪魔する事はせず、 ただ外へと出てくるのを待つばかり。]
(127) 2012/01/11(Wed) 00時半頃
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[また応接室の椅子に腰を下ろす。 エリアスが部屋の出るのを>>117軽い会釈で見送れば、また、顔はやや伏せたままとなるか。
雨の音、頭に残るのは、]
……赤い、花。
[何処で見たのだろう、鮮やかな、赤い、赤い花。 思い描く輪郭は薄くぼやけ、もうその花弁が赤色をしている事くらいしかわからずに。
木立瑠璃の奥に思い巡らすのは、遠い、遠い日の記憶の断片。 慎重に手繰る様にしていれば、“赤い花”は一歩、二歩と此方に近付き>>123。]
………、
[は、と、我に返ったように顔を上げ、背筋を伸ばした。]
(128) 2012/01/11(Wed) 00時半頃
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案内させましょうか。
[立ち去るというエリアスへ声をかけ、自身も立ち上がる。 気遣いもあり、様子を見させる意もあったが、扉へ近づけばそこへ世話役たちの姿を認める。]
何かありましたら、使用人たちへおっしゃってくださいな。
[声だけかけて戻ろうとすれば、>>126ハンスとリスザルの声にぱちくりと瞬いた。 たまに見かけては賢いサルと思っていたが、リリィの動きはまるでハンスからの指示を受けて理解しているようで。 見知らぬサルにあんなふうにされれば驚くではすまないだろうが、やはり深い知り合いなのだろう。 口をだす必要はなさそうだと、部屋へ引き返した。]
(129) 2012/01/11(Wed) 00時半頃
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[窓際へ数歩歩み寄り、曇天を見上げる。 雨、低気圧。 母は、好まないものだろうか。
あの中に出て濡れて駆けまわったのは、もう10年以上も昔の話。 花がしおれてしまうのは悲しいものだが、昔はそんなことも考えず、ただ濡れることさえ楽しんでいたものだ。]
……グレーアムさんは、雨は、お好きですか? 商売には、あまり好かれないもの、でしょうか。
[姉がディーンへ向かうのを見れば、もう一人をもてなそうと。 立ち去るようなら見送るが、軽く問いかけて。]
(130) 2012/01/11(Wed) 00時半頃
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?
[呟かれた赤い花、という言葉にほんの少し首を傾げながらディーンの傍へと。 この部屋に赤い花は自身が身につけているそれしかない。 遠い日の記憶に思い巡らせているとは、知らぬまま。
隣、と言えるほど近くにまで寄れば、声を落として囁いた]
……ミスター・エゼルレッド。 その……先程からご気分が優れないようなご様子でしたけれど、 大丈夫でしょうか。 何か、お飲み物を用意させましょうか。
[先程、ラルフが話している最中に足元に視線を落としていたのを もしかしたら具合が悪いのではないかと思い、静かに問いかけた]
(131) 2012/01/11(Wed) 00時半頃
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[外へ一歩踏み出そうかという所で、服の裾を掴む小さな手に気づく]
リリィ?
[おっとりと瞬いた後、緩く小首を傾げて流れた生成りの奥、 覗く瞳は一瞬だけハンスの姿を捉えたが]
ふふふ、ありがとう。
[礼を述べるのは足元のリスザルへ向けて。 黒い傘を閉じ直し、身を屈めると指先でリリィの頭を撫でる]
お気遣いに感謝いたします。 随分と可愛らしい案内役が付いてくださるようです。光栄ですね。
[王女達の言葉>>123>>129へ感謝を述べて頭を下げ、 後はリスザルの先導へ身を任せる]
(132) 2012/01/11(Wed) 00時半頃
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サイラスは、リリィがエリアスに付いていくらしいのを見て>>132、目を細めた。
2012/01/11(Wed) 00時半頃
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― 回想・少し前の廊下にて ―
え…、あの、リリィって…
[間抜けな顔をしたまま、大方答えが出ている問いかけをブローリンへと投げかける。 回答>>73は予想通りのもので、今度は別の意味で汗が流れた。 王女も認めている王女の世話係の愛猿を追い掛け回した挙句、主人を前にしておい!だの、お前!だのと言い放った訳だ。 死ねる。これは死ねる。いや、いっそ死にたい。 そんな思いを察してか、リリィはブローリンから離れるとベネットのズボンの裾を握った。 まるで励まされているかのようで、思わず目頭が熱くなる。]
いえっ、いえいえ!滅相もない! こちらこそブローリン様の相棒だとは露知らず、数々の失礼を…申し訳ありません。
[礼と謝罪を述べるブローリンに思い切り首を横に振り、もう一度ぺこりと頭を下げた。]
(133) 2012/01/11(Wed) 00時半頃
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[恐縮せずに、との言葉には苦笑が漏れて。]
一介の使用人だなんて…ブローリン様と私のような新米庭師とでは同じ使用人でも天と地の差がありましてですね、今こうしてお声をかけて頂いている事すら夢ではないかと思う次第です。
[城に入った折に頭に叩き込んだ使用人権力図を思い描きながらベネットは語る。 それを聞いたブローリンはどんな反応をしたのだったか。 息切れが収まった頃、不意に名前を問われて、静まりかけていた心臓がどきりと跳ねた。>>94]
へっ!? …は、名前、ですか? あの、えっと…ベネディクト=ファトマと、申します。
に、庭師のベネットを呼べと申し付けて頂けましたら何処へでもすぐに駆け付けますので、雑用でもなんでも御用の時には気軽にお呼び下さい。
[声がうわずりながらも、なんとか名乗り終える。 ブローリンが確かめるように己の名を紡ぐ声には謎の感動を覚えつつ、続いた言葉にベネットは明るい顔で首を縦に振った。]
(134) 2012/01/11(Wed) 00時半頃
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はっ、はい! こちらこそ宜しくお願いします。
リリィは、いつも庭園で見かける時は行儀の良いお客様ですよ。 たまに元気が無い花を教えてくれたりもして、とても助かっています。
[ね、とリリィへと問いかける。 少しばかり緊張が解けてきた所で時刻はリミットへと近づいていた。]
では、私はこれにて…。 お騒がせして申し訳ありませんでした。
[挨拶と最後にもう一度謝罪を述べ、促されるままにその場を後にしようと。 その折、ブローリンの奥に妹王女の世話係――シメオンの姿が目に映った。 さすがに声をかける事は出来ず、遠めに会釈のみを送る。 相手にそれが伝わったかどうかはわからないまま、ベネットは庭園へと向かった。**]
(135) 2012/01/11(Wed) 00時半頃
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[小さなリスザルは、此方だ、と言うように廊下の先に歩いては ついてくるのを確認するように立ち止り、振り返る。
時折キィ、と小さく鳴けば、 きょろりと辺りを見回して。
部屋へ辿りついたなら、リスザル用に設けられた入口から入り、 器用に部屋の鍵外すだろう。
ベッドと、テーブルと、椅子と。 最低限のもの以外置いてないような、生活感の薄い部屋。
テーブルの上、花飾りを作った残骸の花弁が散る。]
(136) 2012/01/11(Wed) 01時頃
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[その案内は、密かに道を選ぶもの。 目立つ姿に反して、通る人通りは少なかったろう。]
[その主はと言えば、此方を見た瞳>>132も、 妹王女>>129や自身の主の視線にも気がつかぬ風で。
扉横、背筋伸ばして控えているのだった。**]
(137) 2012/01/11(Wed) 01時頃
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……ぁ、 あの、
[歩み寄る、可憐な姿>>131に、身を引く様に。 それでも腰掛けたままでは、取れる距離も僅かだろう。 そのうちに、それも失礼かと思えば、ゆっくりと、元の様に姿勢を戻して。
耳朶を擽る様に、囁かれる言葉は此方を案じるもので。]
すみません。……気を、使わせてしまったようで…… ……大丈夫です。……慣れていない、だけなので。 本当に、……こういった場での立ち振る舞いなど、学ばないまま、来てしまって。 ……すみません、……ごめんなさい、おかしい、ですよね。
[必死に、唇を上げて苦笑の形を取ろうとするも、上手く言っただろうか。
本来なら、父親との付き合いなどに顔を出しておくべきだったのだろう。 初等学校の頃は、まだ子供だからと許されたが、中等部に上がればそれも許されなくなって。いつしか勉強を口実に、そういったことから逃げていた。 ―――そのツケが、これか、と。 姉王女の前でなければ、溜息の一つでも吐いていたか。]
(138) 2012/01/11(Wed) 01時頃
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ミッシェルは、雨にうたれる下をみおろし、音のないため息をつきた。**
2012/01/11(Wed) 01時頃
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そうでしたか。 此方こそ……もっと気楽な場を提供できれば良かったのですけれど。
いいえ、良いのですよ。 慣れぬことであれば、誰でも緊張するものです。 私も、皆様やお母様、……妹の前で恥をかくわけにはいかないと緊張していたのですから。
[まだ緊張しているのが見て取れて、なるべくその緊張を解せるようにと優しく笑ってみる]
それに、もう会談は終わりです。 あまり緊張せず、ご自由にお寛ぎくださいな。
――この天気でなければ、庭をご案内したのですけれど……。
[窓の外に視線をやる。 強い雨は窓をべったりと濡らし、外の景色さえぼやかしてしまっていて]
普段はあの窓からは綺麗な青空が見えるのですよ。 丁度貴方の上着の色のような青が。
(139) 2012/01/11(Wed) 01時頃
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― 果樹園 ―
あともう少し、もってくれよー…。
[それからベネットはと言うと、ロープを肩にかけて脚立に登っていた。 庭園に戻るなり庭師の長にしこたま怒られ、雑用を命じられたという訳だ。 リリィの事を知っていたならもっと早く言ってくれと思ったりもしたが、勿論口には出さず。 命じられるがままに果樹園の木の補強作業に至る。]
今日は本当にツイてるんだか、ツイてないんだか……、ん?
[木をロープで固定して、くっくと引いていると、ぽつりと冷たいものが頭上より落ちてきた。 それはまたひとつ、またひとつと降り注ぎ、瞬く間に地面を濡らしていく。]
(140) 2012/01/11(Wed) 01時半頃
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ああもう、本当もう少し待ってくれればいいのに!
[あと少しで終わるというところで降り出した雨。 手早くロープを縛り終えると脚立から降り、屋根のある場所を目指してその場から離れた。]
…あーあ…、べしゃべしゃ…。
[屋根の下へ入り、脚立とロープを立てかける。 ぽたぽたと水滴が滴る体は、前髪どころかシャツもエプロンもぺったりとくっつく程に濡れ鼠。 ベネットはぷるぷると頭を振って水気を飛ばし、エプロンとシャツの水気を絞る。 そして。]
―――っくしゅ!
[くしゃみをひとつ。 やっぱり今日はツイてないのかな、なんて思いながら雨の降り頻るどんよりとした空を見上げた。**]
(141) 2012/01/11(Wed) 01時半頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2012/01/11(Wed) 01時半頃
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[リリィは賢い。その賢さはよく知っている。 ――――久方ぶりの案内は、まるで昔のあの日のよう。
身体が弱く殆ど外出など出来ず、道も碌に知らなかった幼い頃。 迷った僕を最初に見つけてくれたのはリリィだった。 少し進んでは後ろを振り返る。気遣う仕草も、昔のままに。 導かれるままに歩みを進めた細い脚。 辿り着いた先は何処かの庭園。咲き誇るのは、艶やかな華]
…、けほ。
[辺りに人の気配が減ってくれば、堪え切れず咳を零す。 伏し目がちな視線。 口元に笑みを浮かべるのがやっとで、既に顔色ははっきりと青い。
それでも人目を考え、態度と仕草だけはゆったりと。 扉の鍵が開いたならば、兄の部屋へ静かに足を踏み入れる。 そして、リスザルへ案内の礼を言う余裕すらなく―――]
(142) 2012/01/11(Wed) 01時半頃
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―ハンスの部屋―
[扉を閉め切ると、どさりと其の場に崩れ落ちた]
げほっ、けほ、ッ、は、げほげほっ、けほ、けほけほ。
[床へ転がるような格好のまま、喘鳴強く浅い呼吸を繰り返す。 手を滑り落ちた黒い傘は、乾いた音をたてて床へ倒れる]
―――ッ、っは、あ…、ぁ…。
[ぎりと歯噛みし、懐から取り出した薬を水もないままに流し込む]
ぜー…、はー…。 げほげほげほっ!
[半身を起こすことすら叶わぬまま、 乱れた生成りの向こうに見上げたテーブルの上。 散らされた赤い花弁は、まるで血の滴の様で"美しい"]
(143) 2012/01/11(Wed) 01時半頃
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……それでも、その緊張を此方に悟らせないのは、やはり、貴女がこの国の王女だから、なのでしょうね。
僕は、ただの平民でしかありませんから。 ……本当なら、貴女の横に要られるというだけで、身に余る様な光栄、なのでしょう。
[向けられる微笑み>>139に、いくらか緊張は解けたか。
その笑顔は大人びた様に見えて、けれどどこか、幼さも感じられるような気がした。 王女たちは確か20歳、自分ともそう年齢は変わらない筈。 緊張ばかりしている自分と比べ、二人とも、どうしてこんなに落ち着いているのか、と。
つられて窓の方へと視線をやれば、雨に打たれる窓硝子。 硝子越しの景色は、濁った様な灰色で。
先程まで見えていた青空を思い返していれば、唐突に出される上着の色の事。]
……すみません。……派手、ですよね、これ……
[照れたような声は、消え入る様に。*]
(144) 2012/01/11(Wed) 01時半頃
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[さて。 雨が降ったところで従者に迎えに来させればいいので 大きな問題ではなかったが。 滞在許可が出ている状態で辞するのもおかしな話だし、願ってもないことだ。 そんなことを窓の外を見ながら考えていた]
…え?雨、ですか?
[ふいに問われて>>130瞬いた]
そうですね、風情があるのは嫌いじゃありませんが… ここまで酷い雨は。
[一度、窓の外へ視線を移し、また戻し肩をすくめ首を振る。 しかし、ふ、と笑みをうかべ] ああ、けれど…おかげで美しい方に触れられる時間が、少し増えた。 ならば、そういう雨も嫌いじゃありません。
[本音を素直に混ぜて、にこりとした]
(145) 2012/01/11(Wed) 01時半頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2012/01/11(Wed) 01時半頃
掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2012/01/11(Wed) 01時半頃
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商売的には、積荷を木箱に入れていた時代はともかく、 いまではあまり影響するものではありませんが… それでもデリケートなものを扱うときは、嫌がる人は少なくありませんね。 こんな風に酷い雨だと、船の入港が遅れたりすることもありますし。
…好かれては、いないでしょうね。
[そして、外を見て声を伴わぬため息をついた妹王女の様子に]
ミッシェル様は…雨はお嫌いですか。
[なんとなく浮かぬ様子に、そう、*問い返した*]
(146) 2012/01/11(Wed) 02時頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2012/01/11(Wed) 02時頃
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ふふ、伊達に20年王女をやっておりませんから。
[演じることには慣れている。王女を、女という性を。 尤も。生まれた時から女として育てられていれば、自分の中に残る男らしさなど、生物的なもの以外には殆ど無いようなものだが]
学生さんなら、私たちとそう歳も変わらないのでしょう? だったら尚更、気楽にしていただいていいのですよ。
[光栄だと彼は言う。 世辞ならそのまま受け取るが、身分の差を感じさせるような言葉にゆるりと首を振った]
いいえ、よくお似合いですよ。 貴方の艶やかな金の髪との対比が素敵です。
[派手だという自覚はあるらしい。 しかし敢えて派手なものを着てくるような性格にも見えなかったから、では誰かの勧めだろうかと推測する。 しかし、誰の勧めかは自分からは聞けなかった]
(147) 2012/01/11(Wed) 02時頃
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それに青が派手なら、私も十分に派手ですよ。 青のドレスに、緑の翡翠、金の髪に、赤い花の……ああ、
[ハンスが選んでくれた自分を飾るものひとつひとつを示しながら話していたら、うっかり手が花に触れ、髪飾りの形を崩してしまう。 鏡は無いかと咄嗟に周囲を見たが、見える範囲にはなく。 代わりに扉近くのハンスに気づいて]
お、お恥ずかしいところをお見せしてしまって申し訳ありません。 直してきますね。
ミスター・グレーアム、ミッシェル、ごめんなさい。少し席を外します。
[二人はまだ窓際に居ただろうか、そちらにも軽く声を掛け、少しばかり足早にその場を辞した。
その際、ひらりと一枚花弁が床に散ったがそれは自らのドレスの死角になってしまい気づかないままで]
(148) 2012/01/11(Wed) 02時頃
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―応接間扉付近―
――ハンス、ごめんなさい。折角の髪飾りを崩してしまって……。
[ハンスの姿を見つければ、すぐにそちらへと寄って声を掛ける。 もっとも、事情を説明するより先に崩れた花を見ていたならば用事は察されていたのかもしれないが**]
(149) 2012/01/11(Wed) 02時頃
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