60 ─昨夜、薔薇の木の下で。
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漂白工 ピッパは、メモを貼った。
2011/08/04(Thu) 02時頃
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―自室― [眠っていた時間はそう長くはないようだった。 目を覚ました室内に同室者の気配がないことに一寸息を詰めたが、今は朝の起床の刻ではなくこれが仮眠からの目覚めだと思い出すとゆっくりと詰めた息を吐く。 すんと鼻を鳴らし空気を取り込む、シーツから香る心地のよい洗剤の香。]
…ん、
[眩暈は落ち着いたようだったが熱っぽさは残ったまま。 熱の中に宿る微かな疼きはきっと風邪のものだけではなくて、 その疼きの正体に気付くとセピアの瞳を伏せる。 布団の中に潜ったままの両手をそろりと動かし]
(379) 2011/08/04(Thu) 17時半頃
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[両手は、胸元へ。布団の中祈りの形に組まれ]
――…主よ、天にまします……
[秘める声量で紡ぎ始めるのは聖句。 裡に生まれた熱が落ち着くまで幾度も祈りを繰り返す。 勿論全く触れたことがないわけではないが、 けれどもそれで欲に流されずに納まるのならと己を律して。 それこそが正しい人の在り方だと、そう強く信じている。から。]
(380) 2011/08/04(Thu) 17時半頃
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………
[少し落ち着くと緩く長く息を吐いて天井を見上げた。 身を起こすと結ったまま眠ってしまった髪が寝乱れている、 真紅の紐を解くと手櫛でその乱れを整えて。]
…私が卒業したら、か。 次は…誰が此処を使うのだろうな。
[零れ落ちる呟きは同室者に言われた言葉だ。 長く当たり前のようにあった宿舎での生活が終わる。 細まるセピアが微かに翳りを帯びて。 緩く首を横に振るとベッドから降り、髪を結い直した。 落ち着いた体に何か身を引き締めるものを与えたい。 思い浮かんだのはシャワーか珈琲、 どちらにしようか悩みながら部屋を出る。 廊下に出るとまた薔薇の甘い香を微かに感じた。]
(382) 2011/08/04(Thu) 18時頃
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漂白工 ピッパは、メモを貼った。
2011/08/04(Thu) 18時頃
ピッパは、ロビンは無事ノックスの服を届けただろうかと医務室の方も仰ぎ
2011/08/04(Thu) 18時頃
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―廊下― [シャワー室へ向かうか、食堂へと向かうか。 思い出すのはシャワー室でも感じた薔薇の香。 セピアを伏せ一つ瞬きすると向かう先は食堂へ。 朝食よりも少し遅い時間、廊下には眉根を寄せる サイモンの姿も見えるだろうか。>>289]
…おはよう。
[好まぬ相手ではあるが見ぬ振りをすることもなく その背に呼び掛ける表情は暗闇で浮かべたような 険しいものではなく他の者へ向けるものと同じ。
眼鏡の代わりに頷いた取引について此方からは切り出さない。 儀式なのだから準備もあるだろう、 此方の目的は説得だから準備を待つ必要もないのだが、 此方から向かえば相手にそれを悟られてしまうかもしれない。 好きな時にとは伝えたのでいずれ声が掛かるだろうと。]
(385) 2011/08/04(Thu) 18時半頃
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ピッパは、多く言葉を交わすでもなくサイモンの横を過ぎると食堂へ向け歩む。
2011/08/04(Thu) 19時頃
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[凛と姿勢を正して歩めば真紅の紐に結われた髪が揺れる。 真っ直ぐと前を見るセピアの色の瞳は 後輩の束ねる紐の色とその理由には気付いていない。
ジョージはまだ食堂にいただろうか。 薔薇の香から逃れて辿り着いた筈の食堂、 まさか廊下以上にその香に浸されているとは知らず 扉を開けばくらりと視界が揺れる。]
(394) 2011/08/04(Thu) 20時頃
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漂白工 ピッパは、メモを貼った。
2011/08/04(Thu) 20時頃
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─食堂─
あ…
[小さく声をあげたのは薔薇の香で揺れた視界にか、 それとも気まずい別れ方をした小さな後輩の姿を見てか。 セピアの瞳が細まる、浮かぶのは申し訳なさそうな色で。 一度足を止めるがジョージの幼い表情を見ると中に入り 大きな音を立てる手の中の食器へと手を伸ばす。]
――…このような重ね方だと危ない。 落として割ってしまう。
[ふわりと濃く香る薔薇の匂いには気付かぬ振りを、 ジョージの手から食器を代わりに持てたのならシンクへ向かう。]
…さっきは黙って戻ってしまって悪かった。 少し睡眠不足で不調だった。もう大丈夫だ…すまなかった。
(405) 2011/08/04(Thu) 21時半頃
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[>>407シンクまで食器を運ぶと背についてくる気配。]
…すまなかった。 ――…そうだな、ヨーランディスを… 探しに嵐の中出た者もいるから。 皆風邪を引いていなければいいんだが…
ん、いや、私は怪談ではなく…――
[スポンジへと手を伸ばしたのは後輩と同じタイミング。 狭いシンク故寄り添うような形に疑問を抱くようなことはなく 任せるよう伝えようと首だけ笑う気配の後輩へと振り向いて。 セピアの瞳に映るのは、エメラルドの色、]
(410) 2011/08/04(Thu) 22時頃
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―――…そうか。 それなら…よかった。
[ジョージが誰から聞いたのかは知らないが探していた銀髪の後輩からだろうか。ヨーランディスの無事がわかると凛と整った眉が安堵したように緩む。 スポンジを先に奪われてしまえば洗う様子を見守ることにし、]
洗剤をつけすぎたな…。 少し、スポンジに乗せるだけでいいんだ。
[同室者以上に年の離れた幼い後輩には優しく教える口調で、 次々と泡立つ白いシャボンと薔薇の香の中生まれる洗剤の香。 喉を鳴らして小さな笑みを浮かべると水道の蛇口を捻って 水を含ませてやれば泡は更に数を増やして。]
……違うさ。昨夜は遅くまでヨーランディスを探していた。 心配してくれるのはありがたいが大丈夫だ。 少し、話をするだけだから。
[サイモンの名が挙がれば瞳を細めてそう告げた。]
(415) 2011/08/04(Thu) 22時半頃
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[増えた泡はシンクの中で流れる水に合わせてくるくると舞い そして香りとともに消えていく>>419。 食器を洗い終えるのを見届けると蛇口を捻り水を止めた。]
お疲れ様。 …話だけだ、他の者は不在らしいし 二人きりならば話しやすい。
[労いの言葉を向けてからジョージの出す後輩の名には首を傾げ]
…私の方が年長だし弱いつもりもないが…。 ――…そんなに私は頼りなく見えるか?
[過ちを正すだけなのだからと安心させるように ジョージに告げる姿は己の為す行動に迷いなど見せない。 それが正しき行動なのだと、そう信じている。]
(420) 2011/08/04(Thu) 23時頃
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漂白工 ピッパは、メモを貼った。
2011/08/04(Thu) 23時半頃
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…心配してくれている気持ちはわかる。 ありがとう。
[>>426安堵するような表情が見えすとセピアの瞳を細め、 濡らすことのなかった手を伸ばすと癖のある髪をそっと撫ぜる。 指先からふわりと香るのは薔薇ではなく石鹸のもので。]
…おまじない…? なんだか、くすぐったいな。
[先ほど、一度は拒んだもの。 自ら施した時と異なり何処か気恥ずかしさが生まれ、 それを隠し切れぬのか眉尻を少し下げて表情にも出すと 袖を引かれるままに相手の高さに合わせようと身を屈めた。]
(436) 2011/08/05(Fri) 00時頃
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[>>434奥で舟を漕いでいるよく似た名の後輩の姿、 起こしてしまっては可哀想かと声を掛けずにいた。 傍でいっそう香る薔薇の香に気をとられ、 彼が思わずあげた声は此処まで届かない。]
ん、
[>>439何故薔薇の香がこんなにもこの後輩から香るのか。 理由はわかるはずもなく、頬に落とされるキスに瞳を伏せる。 彼が唇にも触れようとしていることには気付かない。]
(443) 2011/08/05(Fri) 00時頃
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