191 忘却の箱
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[––––––いたよ。 え、と問い返す様に頭だけで振り返るが 部屋に鼠かゴキブリでも居たのか、これを着た人間が居たのか。 当の本人は素知らぬ顔で棚を漁り始めたので、開きかけた口を閉じて見守った。 小さな刺のある声が、強調する様に、言い聞かせる様に、部屋に鼓膜に反響する。 引き出しに指先をかけた左腕には、包帯。この男も患者には違いないのに。 思いつドレスに向き直ろうとした時…何かの蓋が開く音。今度は着ていたシャツを、]
あ……ペ、え、あっちょっとそれ太、油性!?
[通常の筆記には使われそうにも無いマジックペン。 制止も叶わずあれよあれよと言ううちに白地に黒が、スペルが、刻まれて行く。 解放されて見下ろせば、腹の辺りに逆さまの名前。勝手に、書かれた? これは。枯れた声で問おうとすればまんじり、しっかり、凝視され。瞳の奥に、吸い込まれる。 ぽかんと開いた口からは凶悪な歯も見えていたやもしれないが、シーシャは、何故か、笑った。
忘れねえ、忘れたら、教えてやる。 俺は、ひとりも、忘れてない。
満足げな男の言葉を反芻しつつ…少し首を傾げるが、この感覚。安心、する様な。]
(26) 2014/09/02(Tue) 14時頃
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………あ、あの。
[立ち去ろうとする姿を少し呼び止め。 ぎょるりとした眼球で見渡し、目をつけたのはミシンの入ったケース。 それをシーシャの足下に引きずり置いて、 その傍にしゃがみ込み。またタオルを深く被って、その地点からそっと見上げてみる。 図体の大きな熊が、切り株の影に隠れる様な妙な光景。 相手は困惑したか、笑ったか。 此方からはタオルとミシンの陰で分かりはしない。]
…ご勝手ながら、僕も、僕も忘れない様に。 お世話になった先輩さんです、から。 案内からコレまで、ありがとう。シーシャさん。
[コレ、とシャツを引っぱり示し、申し訳無さそうに。 少し口角を上げて笑い、坐ったまま手を緩く振った。]
(27) 2014/09/02(Tue) 14時頃
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[シーシャが立ち去れば、ミシンケースの傍で暫く目を伏せる。
幼い頃、薄暗い部屋で、留守番をしていた。 誰も、誰も暫く帰って来なくて、心細かった。 そこに突然、インターホンが連打される音がして。 誰か悪い人間が来たのか、と酷く怯えて、 思わずミシンケースの陰に隠れた。 暫くして鍵が開いて、人が入ってきた、 それを見て、困惑すると同時に、何故だか安心した。 誰が入って来たかはすっぽ抜けている。
そんな、パン屑みたいな記憶の断片に、シーシャの痩せた身体を捩じ込む。 ほら、もうあの時に入って来たのは彼の姿だ。残った記憶と、繋げて。]
でも、あの人も患者には…違い無い、よな。
[忘れずにはいられない、不安定さの中。 人の服に断り無しに名を書く。その行為のインパクト、普通であれば忘れ難い物だろうに。己を嗤う様に、泣き出す寸前の様に顔を顰めてシャツを捲ってみる。
彼の書いたRとIの間の辺りに新たな、薄い朱色の花が咲いていた。**]
(28) 2014/09/02(Tue) 14時半頃
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[新たに咲いた花を暫く眺めてから、 鈍く、ゆっくりと立ち上がる。 シーシャによって開け放された引き出しから 手頃なペンを、何本か取り、手提げから書きかけだった付箋のブロックを取り出すと、続きを––––––]
…アルコールランプ…で……ああ、割ったんだ。 アレを、ええと…何、だっけ、ペ、ぺ、ぺ…
[唸りながら、付箋の空きに平たい皿の図を描き、取り敢えずは仕舞う。さて、ついでに何か必要な物はあったか、と数分、目を巡らせたが、結局鉛筆類とカラーペンも何色か頂戴する程度に留まる。 雑然としたこの場所は落ち着く気がするが 戻って来た用務員と出くわしてしまうのも気まずく感じ、そぅっと外へ出た。]
…ここ、何処なんだろう。
[数歩もしないうちに、立ち止まる事になるのだけれども。]
(48) 2014/09/02(Tue) 21時頃
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[馴染みのアコーディオンの調べも消えてしまい、自室にどう戻ればいいのやら。道順など覚えてる訳も無く、既に廊下には先程の導き手の姿も無く。 箱の様なサナトリウムの構造はさほど複雑では無い…筈なのだが、さっぱり分からない。]
あ、ご飯…食べないと、な… ………あっちかな、食堂。
[腹に咲いた花をシャツの文字越しに撫でながら、廊下の一方を向いてすん、と鼻を軽く鳴らす。 正直、食欲は余り無いが食べないと保たない、と繰り返し注意されているのだ。
肺の底には花畑、腎臓1つがポプリ瓶。 横隔膜には押し花7つ。内部から散々咲かれてはいるが、まだ鼻は利く。 またタオルを深く被り、乳母車の様なテンポで歩き出した。 そういえば、怖がらないでくれたな、とぼやきつつ。]
(49) 2014/09/02(Tue) 21時半頃
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ぶぇしょっ!
-廊下-
[歌声と共に、ふわり、と花弁が窓から舞い込んだ。 その一片に鼻先をくすぐられ、男は突風の様な大きなくしゃみを廊下に響かせる。気を取り直す様にかぶりを振り、吹き込んだ窓の方を見れば、金髪を風に靡かせ歌う、女性の姿。 邪魔、してしまったかな、と申し訳無さそうに身を縮め、鼻を袖で擦る。]
…あんな、患者さんも居たんだ。
[ちらりと見た歌う女性は、何処からも花は咲いていない。 包帯や杖も見当たらなく、時々検査の時にすれ違う他患者の様に見るからに弱っている様な様子は無く…歌声も軽やかに感じ。
色とりどりの花弁の落ちる廊下。見下ろすと、奥の角へ流れる白い矢印と、食堂の字。 まだ利用している人間が多いのか、談笑も匂いと共に微かに届く。 んぅ、と頭を軽く掻き、タオルを被り直して、其方へ。]
(59) 2014/09/02(Tue) 23時頃
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-食堂前-
………んー…。
[暫く歩いたか、何処かで誰かとすれ違い、話でもしただろうか。 漠然と、食べなくてはいけないという義務感。そして自分の病室から近かった気がする、という理由で来たは良いものの 食欲の薄さと馴染みの無い人の数への恐怖感が足を止め、入り口でぼんやりと佇む。]
……あのう、申し訳ない。 その…朝、パンだけじゃ、駄目ですか。
[様子を見に来た食堂のスタッフに、恐る恐る訪ねる。 流石にそれだけは少なすぎるのでは、などと言いつつも スタッフは早足で厨房へ向かい、パンとマグに入ったスープの乗ったトレイを差し出した。深く、深く頭を下げて礼をすると、出入り口側の隅の席に腰を下ろし。手を合わせてからパンを千切る。]
………。
[しかし、暫くは口に含まず。誰しもやった事があるように 白いふわふわとした部分を指で押し固め、小さな立方体を付くりつ弄んでいる。 誰かに声をかけられれば、まずは一つお辞儀をするだろう]
(64) 2014/09/02(Tue) 23時半頃
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[千切る、捏ねる、ころり、立方体。 千切る、捏ねる、ころり、立方体。 千切る、捏ねる、ころり、立方体。 パンを弄りながら、胃には入れない。 咀嚼し、反芻するのは中庭の風景。
視界をひらひら邪魔する白の隙間から、ちらりと見た女性は 此方に向かって手を振っていた様に、見えた。 ほんの一瞬。思わず逃げ出してしまったのだが–––悪い事をした、気がする。 また会う事があれば、きちんと挨拶をしよう、と密かに決意し、付箋に走り書き。 金色、くしゃみ、歌、わらった、と。
刹那に過った、何処かの踏切の近くの杭みたいに、黄の花の絡み咲いた腕。 力無い様に見えたあの腕は、何処か懐かしく感じた。 検査室で隣の寝台から垂れているのを見た、だろうか。 ただ単に、乾いた何かに浮かぶ黄、という曖昧な記憶の欠片があったのだろうか]
(99) 2014/09/03(Wed) 23時半頃
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[ああそういえば、昨日だったか一昨日だったか。 治療の折に、腕に花の咲いた医師か…患者かに、症状について聞かれた気がする。 あの人の手は花にすっぽり覆われてて、あんなにすっかり覆われた状態は初めて見て。 …その時はつい、黙り込んでしまった。
病に罹った人間の末路、その姿が『どうなるのか』。 過去について、何とか点繋ぎを試みるの、は。
意識を現実に戻せば、真っ白な皿の上には、5×5=25の柔らかく白い立方体が整然と並んでいる。 そして指先には力を入れ過ぎたのか、ぺたんこになった乾いた白が一つ。 やめよう、と呟いてそれを口に弾き入れ。 冷めたマグの中のスープを一瞥して、水面に映った自分の口元に、一瞬呼吸を止めた。]
(100) 2014/09/04(Thu) 00時頃
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[––––食事中に失礼、
呼吸を止め、マグに口を付けた瞬間に側から掛かる、『聞き覚えのある』声。 ぱちり、瞬きと共に狭範囲に固まって居た意識が広がり、この時漸く人物の気配を認識した。 隣で小気味良く鳴る高めの音、傍に別の食器が置かれて…ひょいと覗き込まれ。
あ…は、はい。どう、ぞ?
[顔を向けると ぱ とかち合った、瞳と瞳。 あれ、声は解るのに、顔、知らない。 目付き悪いの、見られてしまった、と反射的に逸らした先、飛び込んで来る、ばっつりと失われた、左腕。 ああ、と声が漏れる。花絡む腕、花覆う掌、包帯の巻かれた腕。散々吸われ空洞の多い脳裏に滑る患者達の肩から指先。 だが目の前の男は、その質量すら肩から失われている。]
……そう、かぁ…。
[まじまじと、空っぽの袖を見下ろすぎょろりとした目。彼はどんな顔をしただろうか。 何か、告げただろうか。どちらにしろ、彼の肩からかけられた馴染みの音色を守る箱に。 そして彼が男の『よく知る』音の持ち主だと、すぐさま気付く事はない。]
(110) 2014/09/04(Thu) 01時半頃
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あ…えっと……要ります? ソースか、塩か、芥子か、何か。
[プレートに乗った料理を見て、ふと聞いてみる。 何か頼まれれば、少し腕を伸ばして取り渡すつもりで。
流石に、まだ互いを良く知らぬ同席者が居る状況で、手遊びに没頭する事は無く。 マグに口を付けながら、相手の様子を伺うが…その目はちらちらと、失われた左腕に向かう。 相変わらず整列した、手元の皿の上の5×5は時々何の気無しに積み上げられるかもしれないが。 一定間隔でスープに浸され口に運ばれる弄り残しのパンや、その茶色い皮。 彼のトレイの上にはスプーンもフォークも、無い。**]
(111) 2014/09/04(Thu) 02時頃
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甘党、なら。コーヒー…苦いままで。平気、です?
[マグに口を付け、文字通りの『苦笑い』をした隣人に首を傾げ。 机の片隅にあった調味料群に伸ばしていた手を、砂糖の辺りに彷徨わせるが。とん、と置いた]
……その、僕はあまり、食欲無く、て。 内臓が…結構、お花畑なんです。
[食事量の事を問われれば、巌の様な肩を竦め、キューブを突いて情けなく薄い笑みを浮かべ。 名前の書かれた辺りの腹を緩く、緩く撫でてみせる。 急激に侵された割には、欠損や衰弱の無い身体。 それは外見だけの話、きっと丁寧に半分に開いたらヒトガタの花壇になるのだろう。
廊下でくしゃみをした時にずり落ちたタオルは、被り直したつもりで然程顔が隠れていなかった事に気付くが 柔らかい笑みを浮かべた男の態度はリラックスしている様で。 気にし過ぎだった、かな。と被っていたタオルをそのまま首へかけ。 器用にくるり、くるりと遊ぶフォークにも目は行かず、 どうしても瞳孔は無くなった左腕に吸い寄せられ、自分も見られている、という事には気付かない。]
(144) 2014/09/04(Thu) 23時頃
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[–––––––––僕の左腕に…思う所でもあるかい?]
…あ、すみません。えっと…
[あ、つい、見過ぎて、しまった。 穏やかに聞かれたものの、びくり、と身を震わせたのが目に見えて分かっただろう。 慎重に、言葉を選ぼうとし…少し黙り込み。 考えを練る様にパン屑を練り回し、26個目の立方体を作る。
自室。しっかりと詰められた花弁。付箋に書かれた重量。 下の、古い花弁は、どの色の物も、黒く、茶色く、]
そのう、その腕…は、やっぱり、花の、病気で…?
[言葉は上手くひり出せず。結局は直球で問う事となる。 傷付けていないか、相手の表情を窺いながら。 巻かれた、包帯。脱力した、腕。包まれた、掌。 その先に、1つ、コマが進んだ時、視線の先、またぎょろりとした目を落とす。]
(145) 2014/09/04(Thu) 23時頃
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…ぁ、あ、あーっ! 先生、おはよう、ございます。
[食事の載った物よりも高く、重なり鳴く食器の音。 視線をずらすと、皿を戻していたのは一番はっきりと顔を覚えている人物>>146。 此所に来る、以前の記憶はパン屑の様な思い出を除いき、ほぼ咲いてしまって残っていない。 それどころか此所に来た、数日前の記憶すらあまり残っていない。 治療が進み、漸く記憶の崩落、もとい開花が収まって。 記憶が保持出来る様になった頃にやっと、認識ができた顔。
会話の途中だったか、一区切り付いたところだったか。 枯れた声をほんのり裏返し、半分腰を上げて呼び止め、]
っぼ、僕の部屋、どこでした、っけ…!?
[思わず、泣きそうな顔で問うたのは 現時点で最も切実な要項。]
(153) 2014/09/04(Thu) 23時半頃
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