147 書架の鳥籠
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[ルーカスとオズワルドの取る、あのポーズ。
私も混ぜて、……こんどこそ、きちんと腕を上げてみせるから、ねえ……。]
[シメオンのつく嘘、グロリアの主張すること。
私はあまり関心が湧きませんでした。
それより、オズワルドに私の方を見てほしくて、彼の横でずっとおひげを見上げていました。
そこでようやく、私は私の名を呼ぶそれに気づいたのです。]
……私が見えるの?
あなたは……カトリーナさん……?
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-サロン-
…………。
[この男は、見た目でわかるほどに憔悴した様子。 カップを置いたラルフを、微妙な目で見たが。 まるで脱け殻のようになってはいたが。]
オレ、難しいことはわからないッスけど。 苦し紛れに、すぐはどうもされないために 言い訳した……坊っちゃんにはそういう理由つけられないッスか。
嘘の告発をしたら、たまたま本物に当たった。 人間ってそこまで運が悪いというか良いというか、 そんなもんだったんスか。
いや、オレにはわからないッスけど。
[少なくとも戦うのを諦めた様子ではない。]
(90) 2013/10/07(Mon) 22時半頃
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オレ、別にお嬢さんを無条件に信じているわけでも ないッス。信じる義理も人情もないッス。
[その目は何を見ているのだろうか。 糸目は中空をゆやんゆよんたゆたっているようだ。 エネルギーがまるで感じられない様子だ。]
別にお嬢さんが何者かなんてオレ、どうでもいいッス。 オレ、難しいことはわからないッス。 けど、「亡霊」を、とは言われたけど 「狂人」をとは言われた覚えはないッスよ。 旦那の推理を信じるのであれば、お嬢さんは 狂人とやらなんスよね?どうでもいいッス。
、少なくともお坊っちゃんの方は なんかあるんスよね?
[誰に言うでもない、独り言のようだ。]
(97) 2013/10/07(Mon) 22時半頃
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わからないッスけど、オレ間違ってるスか?
[誰とも視線を合わせず。]
(98) 2013/10/07(Mon) 22時半頃
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[オズ、と悲痛な呼びかけ。
こんな切ない声色を出させる想いを、彼女はよく知っていた。
ただ、それを覗き見たようで少し――居心地が悪い]
みえる、より、わかる、だ
あんたは……にんぎょうに、なっちまっただなぁ。
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何よりもわからないのは、旦那ァ。 この状況を見て、坊っちゃんが占い師、 お嬢さんを狂人と即断したッスよね。
[オズワルドの方を見ていないが、明らかに彼に 向けた言葉であろうか。ラルフの言葉に頷いて、 もう口をつぐんだりはしないようではある。]
オレ、難しいことはわからないッス。 でも、オレこの状況を見て坊っちゃんには 苦しい感じだなって、そう思ったッス。 少なくとも、旦那の推理通りに即断はできなかったス。 本職の探偵には、肉体労働者ごときには 見えない何かでも見えているッスか?
この 学のない 肉体労働者にも わかるように 説明を して 欲しいッス。
(119) 2013/10/07(Mon) 23時頃
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[ガタッ!!
シメオンの叫びを耳にした瞬間、脱け殻だった様子が 一変し、勢いよく立ち上がった。拳が震える。]
シメオン…………!!
[なんと、シメオンの名前を口走った。 糸目がくわっと見開いている。]
(126) 2013/10/07(Mon) 23時頃
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あんな、人形!
あれは私じゃない!
[どこか何時もの通りに、おっとりと響くその声に、私は取り乱すように叫びました。]
人形なんか嫌いよ!大嫌い!
私は、人形になんてなりたくなかったのに!!
もっときれいな、誰かに好いてもらえる私になりたかったのに!!
あっ
[強いおと]
[ひかりが よわまる]
す、すまねえなぁ……。
そうけ、あんたは、おらみてえにこうなりたかった訳じゃねえんだなぁ……。
[手、らしきもの]
[伸ばしたひかりは頭を撫でるように]
ボリスは、シメオンに話の続きを促した。
2013/10/07(Mon) 23時半頃
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旦那ァ。
[目を見開いたまま、オズワルドの方を見た。]
わからないッス。言ってることが回りくどくて。 馬鹿にもわかるように言わないと、 どんな推理も説得力がないッスよ。
[などと言って、ビッパの背を追いかける形で この男もまた飛び出していった。]
(136) 2013/10/07(Mon) 23時半頃
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……れてぃーしゃは、きれいだべ?
誰かに、でね、好いて貰いてえ人が、おるんよな?
好きな人がいる女は、それだけで、きれいなんだべ?
[ひとつひとつ言い聞かせるように]
[恋する女はきれいだと言ってくれた夫とはもう二度と会えないけれど]
[カトリーナの声が小さくなりました。まるで明滅する星のひかり。]
!
……ごめんなさい、八つ当たりしちゃった……。
[うつむいた私の頭を撫でるように動いたひかりは
……それでも、何かに阻まれるように、ふれあうことはできませんでした。]
カトリーナさんだって、こんな姿になりたい訳じゃなかったのに……。
[そう、彼女は愛している人がいるのです。
私には知ることの出来なかった、恋愛というものを知っている人なのです。]
……ごめんなさい、カトリーナさん……。
ごめんなさい……。
[近くにいるのに触れられない]
[ふ、と揺らめくひかりは溜息のように]
やんだ、気にすんでねえ
あん人が出て行った時のおらなんかもっと酷かったでな
あのひとが、出て行ったときの……?
[彼女の言葉に、もっと聞きたいと持ってしまうのは浅ましいことでしょうか。
でも、もう私は何にも背負っていませんし、
カトリーナはいつものように、おっとりと優しいので]
……髪の毛、こう、逆立ってしまうような?
[私は自分の髪の毛を握って、上にひっぱってみました。伝わるでしょうか?]
石工 ボリスは、メモを貼った。
2013/10/07(Mon) 23時半頃
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―……シメオ……ツ!
[ビッパを追って、シメオンを追って。 この男もまたここに辿りついたわけで。 くわっと見開いた眼、わななく拳。]
………。
[先にビッパが辿りついていたので、その後ろの方に立ち 今は敢えて何も言わずに見ていることにした。 まるで鬼神のように、目を見開いて仁王立ちしている姿は 今のシメオンからしたら、ものすごく怖いかもしれないが。]
(146) 2013/10/08(Tue) 00時頃
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はは、そうだべなぁ
そんな風に、見えたんかもしんね
[真似をして、サンディブロンドを持ち上げる]
……村の、
[それ程昔の出来事ではなかったのに、遠い昔の話をするように、声色は穏やか]
女の家を全部、叩いて回っただ。
あん人を好いた女が隠してるんじゃねえかと思って。
[ドアが開いたなら、勝手に上り込んで家探しした]
[全ての家を回っても、夫はいなかった]
[私はカトリーナの話に、目を丸くしました。]
私……カトリーナさんが、そんな……
とても見えなかったわ……。
[いつも、お菓子をつまんでいたから。
食べて食べて食べて。
私はどちらかというと1人になりたがりで
サロンにいた彼女とは、きちんと話せていなかったことにようやく気づきました。]
……私、きれいなんかじゃない。
だって……私は呪われているし、……誰も好きになれないから、
誰にも好いてもらえないの……。
[カトリーナさんのように、何かをおいしく食べられない私が、どうして彼女のようになれるのでしょう。]
[一途な激しさ、それを私は美しいと思いました。
だからこそ、愛は重いのでしょうか。
水の精も、彼女のように一途な思いを持ったから、重い荷物を背負うことを受け入れたのでしょう。
『魂は重い荷物』……私には、二度と背負えないもの。]
そうけ?
[執着心の強さは、体型が示していた]
[空腹な訳でもないのに、菓子を摘まむ彼女]
きれいだべ。
[ああ、レティーシャはきっと気づいていないのだ]
[自分の中にあるきもちに]
自分が醜いっちゅうのを認める強さはきれいだべ。
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―……訊け…シメオンッ!!
[一瞬だけ鋭く、突き刺すような声を出した後]
「大人」じゃなくて、ネェさんの― ビッパの言うことにも耳を傾けてほしいッス。
[見開いて人形を視界に留める。 拳がわなわなと震えているのだが。]
(171) 2013/10/08(Tue) 00時半頃
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[彼女はゆるりとサロンを見渡す]
[ピッパがいた]
[呼んでくれたのは、届いている]
[昨晩、自分が眠った後、彼女が来てくれようとした事は、知らない]
ボリスは、シメオンに話の続きを促した。
2013/10/08(Tue) 00時半頃
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……やっぱこういうときは。 「母性」には勝てないッスね。 オレ、母ちゃんの温もり知らないッスけど。
[男は、目を細めて後ろを向いた**。]
(181) 2013/10/08(Tue) 01時頃
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……。
きれいなんかじゃないわ……。
[カトリーナの言葉に、私は静かに反論しました。
強く何かありません。私は逃げたのですから。
そうしてまた私は、オズワルドの後ろにそっと寄ったのです。]
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