60 ─昨夜、薔薇の木の下で。
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>>162
[怪我ではないという。 ランディはそっとしておいて、には頷いた。
ヴェスを拭くためだろうか。 こちらのまなざしは避けて、ヤニクが動く。 そのヴェスやランディへの様子は、何かこう…。
なんでだろう、 のようにもみえた。]
(166) 2011/08/08(Mon) 00時頃
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イアンは、避けられてるかもと思いながら、ヤニクのほうに向かった。
2011/08/08(Mon) 00時頃
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ヤニク先輩……。
[ガーゼを用意するその背中に呼びかける。 フィリパの姿は見えるところにはいない。 ノックスは舟を漕いでいる。]
迷惑かもしれませんが…。 俺、貴方のこと、好きなの、変わってないですから。
[言わなくてもいいことかもしれなかった。 だけど、
今、この人に言いたかった。
気のせいかもしれないけど、 この人は今、すごく、孤独な気がしたから。]
(169) 2011/08/08(Mon) 00時頃
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イアンは、ノックスが起きてるとは思っていなかった。
2011/08/08(Mon) 00時頃
[絡まる蔓から流れ込むは、隠されてきた記憶。
それは甘く苦く染み込んできて、色々な事を刻み込んでゆく]
……っは。
先輩。
[壊すのは得意でも、壊れたものを先に見せられた事はあまりなくて。
それでもそっと手を伸ばして硝子を集め抱きしめる]
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>>174
――……目は覚めてます。 先輩が好きですよ。
でも、だから、なんだはないんです。
ただ、 貴方のこと、好きな人間もいるんだって思ってください。
[返ってきた言葉に悲しげに俯くも、そう伝えて…。]
(179) 2011/08/08(Mon) 00時半頃
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[ディーンと同室になったのは、アイツらが卒業してからだ。
事情を知らぬ者の視線が側に在るからこそ、
知られぬよう、同情も軽蔑もされぬよう、巧妙に自分を偽って毅然とした先輩を演じていられた。
故意に忘れようとして、忌まわしい記憶に蓋をして来れた。
時折フラッシュバックに耐え切れずに、深夜に部屋を抜け出す時以外は、弱みなんて見せずにいられると思っていたから。
目を背ける。
知られたらもう、繕っても装いきれない。
ただふるふると、首を振った。]
イアンは、ヤニクの香りに、ポケットの画鋲を握り締める。
2011/08/08(Mon) 00時半頃
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>>182 ――……ッ
[触れてもらえるとは思わなかった。 だから、その指が髪に触れたとき、
びくん、と顔をあげて…ヤニクを見る。
目が、熱い。]
(186) 2011/08/08(Mon) 00時半頃
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知らないなら、
教えてくださいよ。
[また棚に向き直る背中。 離れていくのは知っている。 はじめから相手にされてないことも。
それは、とてもとても、悲しい。 そして、悲しいけれども…。]
――……だって、貴方が好きなんです。
(187) 2011/08/08(Mon) 00時半頃
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イアンは、ノックスが目覚めたのには瞬いて…。ヤニクから目を逸らす。
2011/08/08(Mon) 00時半頃
[最初はとても器用な先輩だと思っていた。
距離感も装いも、接し方も。
それが彼の努力の上に成り立っているものだとうっすら気づいたのはいつだっただろうか、時折部屋から抜け出しているのだって黙って見送って。
何かあった、それぐらいしか知らなかったけれど。
だったら尚更自分が、と思うほど自信は無くてただぎゅっと抱きしめるだけ。
振り解かれるならその手は簡単に緩むだろう、まだ今なら]
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>>193
[お前がどんな奴か知らない、 その言葉に、また視線を一度落としていた。]
――……じゃあ…
[知ってください…といおうとした言葉は、ノックスの目覚めとともに飲み込まれる。]
(194) 2011/08/08(Mon) 01時頃
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[あの夜よりも前に、近しくなっていたら…
そんなふうに思うのは都合のいい幻想。
例えそうだったとしても結局、巻き込んで辛い目に合わせていただろうから、
そうじゃなくて良かったのだと、そう思っている。
結局のところ今だって、自分の浅はかさに巻き込んで、こんなことに…]
…済まない。
[小さな声と共に押し留める手のひらは、
ディーンの胸へ当たっても、突き放すことまでは出来なかった。]
記者 イアンは、メモを貼った。
2011/08/08(Mon) 01時頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2011/08/08(Mon) 01時頃
イアンは、ヤニクのノックスのやりとりを訊きつつ・・・。他の眠ってしまった人物を確かめている。
2011/08/08(Mon) 01時頃
[自分より背の高い先輩を抱きしめる、どきどきと胸は鳴るが聞こえてしまわなければいい]
俺が勝手に着いて来て、勝手に抱きしめたいだけなので。
[拒絶されなければ、背中に回した手でとんとんとリズムを取ってあやす様に優しく叩く。
少しでも落ち着いてくれれば、今はそこから一歩ずつゆっくりで]
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[穏やかなイメージをノックスには勝手にもっていた。 そのノックスが低い声で凄んだのには驚く。
でもそれは本人もだったらしい。 そのまま謝罪して去っていくのを見て…、ヤニクの顔も見る。]
(202) 2011/08/08(Mon) 01時半頃
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…そんなの、勝手過ぎるだろう…。
[絡みつく荊棘の棘は、今でも痛む。
けれどその手のひらの優しさは、誰にも言えず圧し殺していた頃に、
欲しかったもののように思えて。
心を許せばいつか裏切られる、そう思ってしまうけれど…
いつしかディーンの腕の中で泣きじゃくっているのは、
無残に手折られ傷ついたばかりの頃の、小さく頼りなく華奢な姿だった。]
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[ヤニクの顔を見る。 やはり普段と変わらなくみえた。 走り去ったノックスに謝罪し、ノックスが謝ることじゃない、と告げたから。]
――……
[ノックスの走り去った方向、足を向ける。]
(208) 2011/08/08(Mon) 01時半頃
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イアンは、ヤニクよりも先に、ノックスを追いかけていく。**
2011/08/08(Mon) 01時半頃
勝手ですね、すみません。
でもね、俺は先輩が好きですから。
[腕の中の先輩が、まだ幼い頃の少年だったのなら。
優しく肩を抱きしめて今はただ溢れる涙が落ち着くのを待つばかり**]
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>>207
[医務室からの去り際、ヤニクがヴェスの寝台に向かうのが見える。 そして、その身体を拭き始めるのを見る。 その甲斐甲斐しい行動、草木の世話も同じようにしているのだろう。 人のしないことを率先してする、という行動で、褒められること、を求める者はいる。 だけど、それだったら、どこか、そういった驕りが見え隠れするものだ。
だけど、ヤニクは、本当にそこに何も求めていない気がして…。]
――………
[でも、ヤニクが仕事をはじめたので何も言わず、医務室から出て行く。]
(248) 2011/08/08(Mon) 09時半頃
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[そのとき廊下を見れば、もうノックスの姿は見えなかったけれど…さっきの会話から屋上にいくのだろうな、とゆっくりそっちに足を向ける。]
ノックス先輩…。
[屋上にあがれば、>>210>>212 青空に傘。その中に小柄な身体は隠れて…。]
隣、いいですか?
[カメラを肩にかけ、そう声をかけた。]
(249) 2011/08/08(Mon) 09時半頃
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― 屋上 ―
空、綺麗っすね。 先輩の目の色に似てる。
ヤニク先輩の目は水の色だけど…。
[不審な目で見られただろうか。 だけど、気にしないふうに。]
さっき、ヤニク先輩がノックス先輩のこと、心配したのは、本当に、心配だったからですよ、と思って。 でも、いつも病人扱いされるのはたまらないのはわかります。 っていうか、ノックス先輩がイライラした気持ちがわかったから。
大丈夫ですか?
[横からじっとその顔を見て…。]
(250) 2011/08/08(Mon) 10時頃
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俺、年下の子供扱いで、 ヤニク先輩からまともに相手してもらえないんで、ちょっとせつない時があるんですよね。
なんか、さっきのノックス先輩見てたら、 ちょっとこう、共感したっていうか…。
[それから視線を外して、自分も空を見る。]
まぁ、ええと、ヤニク先輩、 ああいう人だけど、悪い人じゃないから。 悪いいいじゃないな、そこらへん判別できないけど、
こうなんだろう。
[結局、自分で言い出したことに、自分でわからなくなった風で。]
(252) 2011/08/08(Mon) 10時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2011/08/08(Mon) 10時頃
イアンは、膝を抱えて、ノックスと並んでいる。**
2011/08/08(Mon) 10時頃
[幾度もしゃくりあげるように泣いて零す涙は、
いったい何度重ねた夜の分なのだろう。
誰かの温もりに縋りたくても、縋ることが出来なかった。
大人に話せば、いらぬ騒ぎを呼んでしまう。
上級生たちも手引きした彼も罪に問われ、それはきっと自分の身に仕返しとして返ってくる。
かと言って、友人たちに話すことも出来なかった。
きっと軽蔑されてしまう。
男に無理矢理犯されて、はしたなく喘ぎ乱れる淫乱なのだと自覚してしまったから。
蔑まれ、輪の中からはじき出されるのが怖くて、何も言えなくて。
それでもこの人ならきっと…と思い詰めて打ち明けた保険医にすら、
屈辱的な診療中に、無防備な君が悪いのだと叱られて…
言えぬまま、癒えぬまま、
ただ心の奥で化膿した傷口から目を逸らして、
忘れたことにすることで生きてきたのだから。
やっと表面に見えたそれは、あまりにも深くて酷く痛んだ。]
「…エヴァンス先輩!」
[二人の様子にかけられた悲痛な声は、長い銀髪を揺らしたヨーランディス。]
「ダメです、先輩は僕のなの!
先輩を僕から取らないで!!!
毎晩薔薇の木にお願いして、いつか叶うって信じてて、
やっと願いがかなったんだもん。」
[その姿は薔薇の毒を、薔薇の呪いを、自ら望んで受け入れて、
長い銀髪の毛先は、燃え上がる恋心に赤く染まった荊棘の蔦。
頭にも胸元にも艶やかに花を咲かせて、
まるで…薔薇の精にでもなってしまったかのよう。]
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― 屋上 ― >>253>>254 [大丈夫じゃない、と膝を抱える先輩。項垂れた頭、風が吹いて金髪の先が揺れている。 それから、何か言いよどんで、
ふと、出る……ヤニクへの告白に、目を見開いた。]
(300) 2011/08/08(Mon) 21時半頃
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>>256>>257 ――……
[それから、語られる想いを、ただ黙ってきいている。 何か言葉を紡ごうとするけれど、そのたびに飲み込んで…。]
ライバル?
[出てきたその言葉には瞬いた。 それは、まだ15歳の少年にとっては、そこまで思い至ってないことで。 改めて考えて下唇を噛んだ。]
あの人が顔色変えないのは、みんなにだし…。 病人なのはあまり関係ないかなって思いました。
[さっき、ヴェスの清拭をしていたヤニクを見て思う。 薔薇の枝を注いだであろう、その指。
きっと、彼の指は、求めればその優しさを注いでくれるだろう。 そんな、博愛の、指。]
(301) 2011/08/08(Mon) 21時半頃
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>>258 [それから、ライバルではないといいつつ、邪魔をする、期待は捨てられないと俯いて言ったノックスの横顔をしばらく見つめていた。]
――……
[ただ、やっぱりなんといっていいのかわからなくて…。 言葉失っていれば、ノックスは立ち上がって行ってしまう。]
(302) 2011/08/08(Mon) 21時半頃
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[そして、一人、屋上に残されて、 また青い空……。
空に向けてシャッターを切った。]
――……
[憧れは、いろんな側面をもっている。 憧れは、決して、綺麗だけのものじゃない。
そんなことを思いながら。]
(303) 2011/08/08(Mon) 21時半頃
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イアンは、そして、自らも立ち上がり、屋上を後にする。**
2011/08/08(Mon) 21時半頃
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― 廊下 ― >>261 [しばらく屋上でぼんやりしてから、 とぼとぼ階段を降りていく。
そして、その先、さっき話したばかりの人物をまた発見するのだ。]
ノックス先輩?!
(304) 2011/08/08(Mon) 22時頃
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イアンは、ノックスの元に駆け寄った。
2011/08/08(Mon) 22時頃
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先輩……具合悪い? ああ、無理しないで……。
[廊下の壁に凭れるようにして歩くノックスに驚いて、咄嗟にその背中を支えた。 さっきとは違い、息も荒く、熱もあるようだ。]
大丈夫ですか? ああ、どうしたら?
[病弱といっても、何の病気だかも知りはしない。 ただ、必死に手は貸そうとしていた。]
(305) 2011/08/08(Mon) 22時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2011/08/08(Mon) 22時頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2011/08/08(Mon) 22時頃
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>>306
[その眸が潤んだのも、具合が悪いせいだと思っている。 部屋へ、というと、瞬いて…。]
保健室のほうがいいんじゃ? ヤニク先輩も……。
[いるかも…と、その言葉は最後は消え入りそうに言う。 ちょっとだけ、ほんのすこし、 病弱だということで構ってもらえてるんじゃないかと思ったノックスをうらやましがった。]
ええと、じゃ、行きますよ。
[ノックスの部屋に向かおうとする。 いろいろ焦ったせいか、薔薇の香が強くなったのには気がつけない。]
(307) 2011/08/08(Mon) 22時半頃
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― ノックスの自室へ ―
[ノックスの返事に頷いて、移動する。 痩身だけど、それなりに鍛えている身体は、その身体をしっかり支えただろう。
部屋に入ると、横に…といわれたので、ベッドへと連れていこうとする。]
(313) 2011/08/08(Mon) 23時頃
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