259 ―シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア―
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寂しい、ね……ヒッヒッヒ、寂しいのかなぁ… 寂しいのかもね。
ほっとかれた時に言えば良かったのにねェ、ヒヒヒ。 この気持ちにも見ないふりをしていたら早廿年が経ってしまったよ。
正直ね、いつ見ても素敵だなとは思うけど 昔ほどドキドキはしないんだけどね。
でも、ヒヒ……彼女が目覚める時も、また睡る時も 隣にいて、大丈夫だよって言いたいんだよネ。
[果たしてそんなことを本人に言ったことがあったろうか。 いわなくても大概のことは伝わるだろうと思っているあたり 彼もそれなりに古い人間なのかもしれない。]
(149) 2016/12/06(Tue) 11時頃
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[ふふふと生暖かい微笑みを浮かべて酒をあおるイルマに 他人事だと思って、とふてくされながら昨夜の事を思い出す。] ディーン兄さんが昨日言ってたんだ。彼女から上着を貰った、と。 高そうな上着だったなァ……。 僕、グロリアが起きてから何も贈られたことないやぁ……。
二人がね、付き合えば僕は祝福するよ。 ひっそりと締め切った柩の中からね。
[ヒヒヒと笑う仕草は普段より弱々しかっただろうか。 だがすぐに先ほどの出来事を思い出して]
そういえば、イルマはどうだった? エリアスの一世一代の告白…… 男を感じたでしょう…?
[と笑うのはいつもの三日月。 この男は長く落ち込むことに向いてないのだ。 だからこそ二十余年放置していたのだろうが*]
(150) 2016/12/06(Tue) 11時頃
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─グロリアの部屋─
[イルマとのやり取りの後彼女の部屋を後にすると ほんのりと紅潮した顔持ちでグロリアの部屋の戸に ノックを無遠慮に何度か叩いたのだった。 そこにはシーシャの姿はなかったので、彼らが会う前後だったのだろう。]
ヒーヒーヒィ… グロリア居るかい?
[そのノック音はしばらくは止まなかった。 なんせ、ほろ酔いで御機嫌だったもので。 さて、その頃彼女は部屋に居ただろうか*]
(162) 2016/12/06(Tue) 13時半頃
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[部屋から少し不機嫌な声が聞こえて、開く扉の向こうの姿に安堵する。>>167] よかったー、いたー。 ヒヒヒーッ、ごきげんよう。 星の煌めきをお土産にしたけど、君の前ではそれも霞んでしまったよ、ヒヒ。
[薄暗く古めかしい部屋の中に線虫が如く蠢くコードと青く光るPCの蛍火がクラシカルでもありエレクトロニックであった。 何だか通販で買ったのか部屋のあちこちに箱が点在しているのも、目覚めてからは割とよく見る光景ではあったが、幸いにして今は機嫌がいいのだからそれについては言及する気もなく。]
(175) 2016/12/06(Tue) 16時頃
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気分はね、悪くは無いよヒヒヒ…… 酔ってるからー。
[朗らかに語尾を伸ばしてふわふわとする感覚に任せて 緩く身体をスイングさせて。典型的酔っぱらい。 気分と指した言葉が体調の事であったと 気づくのは「大事ない」という言葉があってから。] .
(176) 2016/12/06(Tue) 16時頃
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ァあ、ジュースの件。心配してくれたんだね。 優しいなぁー。
[イルマとの話の着地点はどこであったか。 ふわふわした頭ではすぐには思い出せず 今は気持ちの赴くままに動く。 だって、手を伸ばせば届く位置にいるのだし。 何もしないというのも勿体ない話。
にっこり大きな弓なりを作って微笑むと 彼女の頭を自分の胸のあたりに抱き寄せようと。 さて、隙だらけの男の動きは思う様に叶ったのでしょうか*]
(177) 2016/12/06(Tue) 16時頃
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─ イルマの部屋 ─
え…そう?
[片思いか両思いかって結構大事ではないだろうか。 続くイルマの主張を聞いて相槌を数度>>184]
そっかぁ…。 そういう考えも ヒヒ、素敵だねぇー。 イルマでもそういうこと言うんだね。
[失礼ながら、ただ子どものように 好きだなんだと言っているのだと思っていたので少し意外である。]
(193) 2016/12/06(Tue) 21時頃
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[「恋は数年。愛は十年。 そこからは情で数十年。」] そういう、ものなのかねェ…。
[そう言って缶を傾けて琥珀の一滴を流しこむ。 喉と身体が熱くなるのを感じる。 空になった缶に視線を落として、微笑む。 その口元はいつもより控えめで、人のそれのよう。
……一度目は情よりも恐怖しかなかったからなぁー…。
蘇った記憶は押し込んで]
そういうもんかねェ…。
[無理矢理納得しようと、また呟きを重ねた。]
でも、グロリアにも情が湧いてたら ヒッヒッヒ、いいなー……。
(194) 2016/12/06(Tue) 21時頃
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企み、だなんて随分だなァ。 助言だよ、助言。 やるやらないは彼の意志さ。
[半ば脅しのような言葉を掛けておきながら この言い様である。]
僕は150も過ぎて、あの初心はどうかなーと思って 彼の男を鍛え直してやろうとだね…。 イルマは付き合ってくれて、ありがとうなんだよね。
僕ァー…ああいうのはやらないかなー。 きざったいし。
[半ば脅しのようなry。 ただ、勢いが強いのだと語気を強くして語るイルマに、やや押され気味に、へぇーと頷いておいた。]
(199) 2016/12/06(Tue) 21時半頃
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あ、そういえば。シーシャの子、人間みたいだよ。 何だっけな、エイダとかいう名前付けてはしゃいでたけど。
[名前を付けたのはサイモンみたい。 もし彼にあったら、「大麻と土偶」とはどういう意味か聞いてほしい。 なんて、誤った伝聞を伝えていくだろう。>>1:11>>1:195>>1:198*]
(200) 2016/12/06(Tue) 21時半頃
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[千客万来>>203ということは自分の他に誰か来たのだろうか もしかしたらそれは件の男吸血鬼ではないか 普段の男ならばそこまで考えたかもしれないが 何せ酔っ払い。]
誰? イルマー。 エール一缶だよー。
[聞かれるままに答えるが、さすがに自分の悪食を棚に上げて、男の悪食の話をされると幾分か理性も戻る。 いやいや、僕も相当のダメージを負ったからね? あれは僕だってアウトだよ? そう思いはしたものの今の勢いに興をそぐことはしたくなくて。
だから、無礼と言われても]
えー。
[と不服顔。]
(215) 2016/12/06(Tue) 23時頃
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[部屋に誂えている応接セットに案内しようとしている彼女の腕を引いて、そのソファに押し倒す。 上手く組み敷ければ、下から見上げた彼女には 黎明の青と黄昏の紫が見えただろう。
男の方はといえば、組み敷いた拍子に香る 女性特有の良い匂いと、ほんの少しの甘やかな残り香。
誘惑が手招きする、もっと もっと、と強請る様に胸元に顔をうずめて]
ヒヒヒ…、今言ったよね。 一度の戯れは許してくれるって。
[勢いが大事ってイルマが言ってた気がする。 けれど、これは本当にしたいことなのか…。 酔いのまわった頭ではイマイチ思考はまとまらず。
今なら殺されてもいいやーと軽い気持ちで死を覚悟したという*]
(220) 2016/12/06(Tue) 23時頃
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─ 閑話休題 ─
[吸血鬼仲間の死を目にしたことがあるかい?
この古城でもまるで死と見まごうような永き眠りとは異なり、その曖昧な生が尽きてしまった例はある。
たとえば、新人のフィリップくんが今使っている部屋。 以前あそこにいた吸血鬼はさぞ綺麗好きな性格で日がな一日棺桶やワイングラスを熱心に磨いていた。
彼は本当に毎日飽きることなく熱心に磨いていたのだが、ある日部屋に黒ずんだ銀を見つけた。どうしてそんなものが彼の部屋に舞い込んだのかは全くの謎であるが、彼は目ざとく見つけてしまったのだ。 黒ずんだもの、それがたとえ銀であったとしても、彼は磨かずにはいられない。そう、これはいわば未必の故意。
両腕が焼けただれた男はその年の冬に死んでしまったのだ。どうやら彼は銀にはめっぽう弱かったらしい。
棺桶やグラスなんか、彼の所持品は皆で形見分けをしたが あの部屋には今も、彼が磨いてピカピカになった、血濡れの銀があるらしい。 それにしても、十字架の形をしていたんだからよせばいいのに。性分と言うのは恐ろしい。
願わくば、今、あの部屋を使っているフィリップくんが何かの拍子に銀の十字架に触れませんように。]
(246) 2016/12/07(Wed) 00時半頃
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[透き通る青の瞳がドロリ融ける鋼鉄の色に縁どられてようやく、あれ、本気で怒ってる? などと思う始末。>>247]
[巴投げのような態勢で、痩せっぽっちの痩身はいともたやすく宙を舞い、床に放り出される。]
ヒヒヒッ…いたー……。
[低く冷めきった声色とその単語>>248に、今度こそ酔いに任せていた高揚感が血の気と共に頭からつま先の方へ落ちていくのを感じる。]
…ごめんね…ヒヒ……なに やってるん、だろうね。 ごめん、なさい……。
[彼女に言われぬとも、元々意気地に欠ける男、自ら彼女の前に姿を現せるはずもなく。よろめきながら身体を起こすとその瞳から逃げるように、顔を俯かせて彼女の部屋を後にした。]
(256) 2016/12/07(Wed) 01時半頃
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─自室─
[窓辺に敷いたラグの上に毛布を巻いて包まって。途中誰かに会ったろうか。瞳は見えぬとも頬が濡れていれば、泣いていたのだとわかっただろう。
イルマへ…勢いは2000年の歴史の前には何の意味もなかったようだよ。ディーンへ…グロリアをよろしくね。
等と視界を遮って、真っ暗な頭の中で頓珍漢な辞世の句を浮かべて、ぐしぐし。 そんな時でもやっぱり口許は夕暮れに浮かぶ月のようにぷかぷかと。今ばかりは自虐の笑みではあったけども。]
あー…バカバカバカ…。 もう、駄目だ。今猛烈に、この260年の吸血鬼人生をリセットしたい気持ちしかない…ヒッヒ…。
[少なくともしばらくはグロリアどころか他の誰にも会う気が起きないものだから、きっと昼になっても、夜のとばりが降りても外に出ることはなかったでしょう。なので明日は少し静かな一日が訪れることでしょう。]
(257) 2016/12/07(Wed) 02時頃
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