216 宵闇駆けるは天つ星
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真剣師 鬼丞は、メモを貼った。
2015/02/10(Tue) 01時頃
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― 林付近 ―
ああ、俺にゃあ、親なんてもんは...居なかったからなあ。
[顔を知っているとは限らない、と、思いついたように言った妖に>>1返した鬼丞の声は、そこだけが、どこかさらりと静かだった。 そこに乗せる想いを忘れたように、或いは忘れたふりをしているのかもしれないが]
ふっふ...そうかい、そりゃあ残念だったことで。
[続いて喰らおうとして逃げられたという言葉の響きを聞けば、笑いを隠そうともせずに、そう言った]
(6) 2015/02/10(Tue) 01時頃
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― 林付近 ―
[笑いながらも、鬼丞は次の手を考え続けている。今の言葉で知れたのは二つ。これが人喰いの妖だということと、恐らく過去の経験から、己の力を強く警戒しているのだろうということ]
そうさなあ...
[ざわりと、木の葉が揺れるのを眺めながら、如何にと問う妖に、鬼丞は目を細めて見せる]
それじゃあ、今度は俺が...
[びょう、と風が強く渦巻き、揺れた葉を巻き込んで、大量に散らす]
「今は」見逃してやろうかい。
[「今は」という言葉を、強調しつつ、風音に紛れるように、とんと地を蹴った鬼丞の身体は、その身を包む風に乗って、一息に樹怪から距離を開ける]
次は、成仏させてやるよ。愉しみにしてな。
[逃げを打ったと見えながら、笑ってそう言い放つ男の顔は、妖の記憶に重なりはしたろうか**]
(10) 2015/02/10(Tue) 01時頃
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真剣師 鬼丞は、メモを貼った。
2015/02/10(Tue) 01時半頃
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[地を蹴った瞬間に土中から伸びた無数の根は、>>13僅かに鬼丞の身には届かなかったが、ほんの少しでも遅れていれば、絡めとられて身動きならなくなったろう。 内心のひやりとした焦りを押し隠して投げた声に、妖が激高して吠えた、その本当の理由は判らなかったが]
くわばらくわばら...
[風に任せて距離を稼ぎつつ、鬼丞は、小さく呟く。 あの妖は気付いていなかろうが、こうして風で身体を宙に運ぶ時は、逆に攻撃に移ることは出来ない。 人ひとり分を支える風を操るのは、それだけの力を必要とするものだったからだ。 身を包む風が、ある程度の防御とはなるが、護る一方ではいつか力が尽きてしまう]
やっぱり油断は出来ねえな...さて、せめてあそこを離れて追ってきてでもくれりゃあいいが。
[そう思って煽ってみたが、向こうも警戒している筈だ、そううまくはいかないかもしれない。それに、すぐにまたぶつかる事は、どちらにしても避けたかった]
(22) 2015/02/10(Tue) 22時半頃
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[いつまでも宙にいては、逆に空飛ぶ妖共に襲われかねない、どこか休める場所は、と、眼下を眺め、目に入ったのは先刻通った岬への道の分かれた先]
ありゃあ、神社か?
[滅びた村とはいえ、それなりに人のいた地の鎮守の社なら、妖共にはあまり近付きたくない場所の筈だった。息をつくには格好かもしれぬと、思いつく]
(23) 2015/02/10(Tue) 22時半頃
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― 神社 ―
[それでも多少の警戒はしながら、ふわりと、社の屋根の上に、まず身を運んだ鬼丞は、その時初めて、別の気配が傍に在る事に気付いた。>>21 常ならば、闇の星の気配に、こうまで気付かぬ筈はない。先程の妖との対峙に、気力をすり減らしていたせいか、或いは、闇の星の持ち主が、微睡んでいたそのせいか]
おやおや...
[苦笑と共に呟いた鬼丞を、紫の小鬼は何と見たか]
(24) 2015/02/10(Tue) 22時半頃
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真剣師 鬼丞は、メモを貼った。
2015/02/10(Tue) 23時頃
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― 神社 ―
[小鬼が警戒の声をあげるのを、鬼丞はどこか面白そうに、そして半分呆れたように見下ろした]
なるほど、影鬼かい。存外可愛らしいもんじぇねえか。
[くっく、と喉を震わせるのは、小鬼の風体にか、それとも間近に己を祓う銀の星の気配を確かに感じていながら、まだ目覚めようとせぬ青年への揶揄だったか]
さて...
[しばし考え、社の屋根から地面へとふわりと降り立つ]
ひゅう...
[今は妖と対峙している時程ではないが、止まることの無い風が、さわ、と、青年の頬を撫でた]
(26) 2015/02/10(Tue) 23時頃
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― 神社 ―
[青年が目覚めるまで、鬼丞は特に手出しするでもなく、眺めていた。ひゅるりひゅるり、と、風はどこか不穏に啼いてはいたが]
仕事中に居眠りたあ、余裕だな。
[呑気に見える欠伸にだけは、それなりのツッコミを入れて、誰と問う声には、肩を竦める]
見た通り、ご同業さ。 亀吉てえのは、お前さんか。
[すぐには名乗らず、相手の名を知っていることだけを伝える。影鬼の二つ名の方は口にしない]
(36) 2015/02/10(Tue) 23時半頃
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― 神社 ―
へえ、この妖だらけの結界の中で休めるたあ大した度胸だ。 ま、お前さんにはいい子守りがついてるようだが。
[「子守り」と呼んだ小鬼には、僅かに険のある視線を向けたが、さらり返された言葉に漏らしたのは、半分は本音]
そうかい、俺は鬼丞だ。余の字...余四朗とは縁があってね。 先に、お前さんと会ったと聞いていたのさ。
[亀吉の胸元抑える仕草に僅かに目を細め、再びの問いには、今度は素直に名を名乗り]
どうした?眠気が覚めないか、それとも具合でも悪いかい?
[案じるような言葉と共に、ずい、と足を踏み出して傍へと寄った、鬼丞のその瞳には...銀の星の閃光にも似た鋭い光が宿る]
(42) 2015/02/11(Wed) 00時頃
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― 神社 ―
噂ねえ、偏屈ものとでも聞いてるかい?
[冗談めかして返しながら、ためいきつく亀吉の様子に、鬼丞はふ、と息を吐く。 ざわざわと星は闇を祓えと騒ぎ立てるが、それにうかうか従うわけにもいかぬ]
そいつあ悪かった。
[足を止めたと同時、風がびゅう、と、足元の土を巻き上げた]
調子を崩したんでなきゃいい。 厄介な妖もいるこったし...
[土巻き上げた風は、そのまま小さな竜巻となって、丁度ぼこりと土から顔を出した大きな蝦蟇を巻き込み、四散させた]
雑魚もまだ、残ってるようだしなあ。
(46) 2015/02/11(Wed) 00時半頃
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― 神社 ―
[海岸の方に、結界の張られた事は、感じ取れる。恐らくは余四朗が妖と遭遇したのだろうとは予想の内。 風は今も彼の傍に巡っている、手に余ると思えば呼ぶはず、と、信じていたから、今はそちらに気は払わずにいた]
(49) 2015/02/11(Wed) 00時半頃
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[余四朗が手助けを求めるなら、声を届けるだけの風は相応に、護りの風と変わるだろう。 余四朗自身に、その気と暇があれば、の話ではあったけれど]
(50) 2015/02/11(Wed) 01時頃
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真剣師 鬼丞は、メモを貼った。
2015/02/11(Wed) 01時頃
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― 神社 ―
頭に血がねえ...
[そういえば、闇星の衝動に飲まれかけた、退魔師が居た、と、そんな噂も聞いたことはある。 この青年が恐れるのも、そのことか、と、彼の過去を知らぬ鬼丞は、ただ、そう理解して]
いい腕だな。
[琵琶の音に応じ、小鬼が素早く妖を祓う様を見れば、今度は純粋に感嘆を声に乗せた]
(53) 2015/02/11(Wed) 01時頃
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真剣師 鬼丞は、メモを貼った。
2015/02/11(Wed) 01時頃
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― 神社 ―
思わぬ所でってーと、その弟分もここに来てるのか? ま、せいぜい間違って死なねえように仕込んでやるといい。
[可愛い弟分>>52、と聞けば、薄く笑って、揶揄いだか励ましだか判らぬ調子で言う。 頭領は恩人と思っているが、師と言える師にはついたことのない鬼丞には、兄弟弟子というのも無縁だった]
ああ、そうだ。お前さん、女の樹怪に遭ったろう?
[互いの星の性質を思えばそろそろ別れ時かと思いながら、今ひとつだけ、と、鬼丞は言葉を繋いだ]
お互い見逃したみてえだが、ありゃあ、人喰いだ。結界の内から逃れられないとなりゃ、人という人は餌になる。 今度出くわしたら、迷うなよ。
[この村で出逢った中で、一番手強いと思った妖、それ故に、忠告めいた言葉を告げる時だけは、これまでに無く真顔だった]
(54) 2015/02/11(Wed) 01時半頃
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― 神社 ―
[亀吉から、他の妖の話を聞きもしたろうか。ともあれ、今はこれまでと、鬼丞は踵を返す]
邪魔したな。
[去り際に、ひらり、手を振ったと同時、びょう、と高く鳴った風が、周囲に薄く漂う妖の残した瘴気を祓う。これで少しは空気が浄められ、神社の内は妖には居辛い場所に戻った筈だった**]
(55) 2015/02/11(Wed) 01時半頃
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真剣師 鬼丞は、メモを貼った。
2015/02/11(Wed) 01時半頃
真剣師 鬼丞は、メモを貼った。
2015/02/11(Wed) 02時頃
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― 神社 ―
[弟弟子に対する愛情と見ていいのかどうか、少々物騒な言葉に>>57]
(良い根性してやがる)
[と、内心思ったところで、流浪の妖の事を聞かされる]
流れ者かい?お前さんに良い根性と言われるくらいなら、そりゃ、相当なもんだろうなあ。
[先刻抱いた感慨のせいか、応じた言葉は妙にしみじみとしたものになった]
俺も、気をつけるとしよう。
[これで、気をかける妖は二匹。さて何匹片付ければ静かになるやらと、内心吐息をつきながら、鬼丞は亀吉と小鬼に見送られ、今度は歩いて神社を後にする]
(60) 2015/02/11(Wed) 16時半頃
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― 神社 ―
[神社の内に居る間は、意識して休ませていた風が、村と岬を繋ぐ道に出た途端、ひゅう、と奔って辺りを探る]
ああ?
[村の内に、何やら奇妙な妖気じみた塊がいくつか増えている。そう強いモノとは思えないが、唐突に思える出現が鬼丞の気にかかった]
(61) 2015/02/11(Wed) 16時半頃
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― 集落の中 ―
[とりあえずは様子を見るかと、一番近い気配の方へと向かってみると、そこに居たのは、少女のような姿をした土人形>>15]
なんだ、こりゃあ?
[近付くと、ふいにその土人形がこちらを向いて、手にした鎌を振り上げた]
おっと!
[飛び退りながら、鬼丞が片腕を振ると、風の刃が土人形の腕をすっぱりと斬り落とす。 ぼとりと地面に落ちた片腕と鎌に頓着せず、尚も鬼丞に近付いて来ようとした人形は、落ちた己の腕を踏み砕いたと同時に、ぼろぼろと土塊となって崩れ落ちた]
(62) 2015/02/11(Wed) 17時頃
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― 集落の中 ―
えらく呆気ないな。
[これを造ったのは、それなりに力のある妖だろう。しかし本気で退魔師を害するつもりだったとしたら、この造りはいかにも脆い。 狙いはせいぜい目眩しか...それとも人を揶揄いでもするつもりか]
根性の良い妖...ねえ。
[亀吉の言葉を思い出し、鬼丞は苦笑する。 どちらにせよ、この分では他の気配も触って得はないようだと見定めて、ざっと土塊だけを強風で祓い飛ばすと、再び人家の集まる集落に背を向けた。
離れた場所で、黒い鴉のような妖の群が鳴き騒いでいるのが聞こえていた>>30**]
(63) 2015/02/11(Wed) 17時頃
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真剣師 鬼丞は、メモを貼った。
2015/02/11(Wed) 17時頃
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[視界に捉えた鴉の妖は、何かをめがけて舞い降りては数を減らし、遂に空からその姿を消す]
ははーん、喰らわれたか。
[近付いても感じるのは妖気だけ、ということは、退魔師に祓われたのではなく、より強い妖に喰われたと見るべきだろうと判じて、その元凶を確かめようと、足を進めた、その刹那]
ひゅう!
[海からの風が鬼丞の傍を掠めていく]
こいつぁ...
[感じたのは先刻出逢った樹怪の気配。本来の領域とは言えない場所に、あの妖が現われたとすれば、目的は自ずと知れた]
余計な世話かもしれねえが...
[結界の内には踏み込めまいが、二体一の状況になれば余四朗が不利だ。それにあの樹怪は、己が祓うべきと、どこかで決めてもいた鬼丞は、余四朗の傍に置いた風を動かすだけの力を送る]
(76) 2015/02/11(Wed) 22時半頃
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[離れた場所からでは、細かい援護は出来ないが、それでも役には立ったのか、余四朗の声が届いて、僅か安堵の表情を浮かべる]
...気張れよ、余の字。
[こちらからの声はすでに届くまい。風の力はほぼ尽きている。この先は、余四朗一人の戦いになる]
(77) 2015/02/11(Wed) 22時半頃
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真剣師 鬼丞は、メモを貼った。
2015/02/11(Wed) 22時半頃
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― 沼へと向かう道 ―
[離れていたこともあり、樹怪の行き先の方を鬼丞の風は追っていない。故に、先に探っていた鴉を喰らったモノの姿を探して、ゆっくりと歩みを進めながら、風を巡らせた]
(84) 2015/02/11(Wed) 23時頃
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― 沼への道 ―
[道の先、少女のような姿が見える。>>85その姿には見覚えがあった]
人形遊びをしたのは、お前さんかい?
[ついさっき出逢った土人形と瓜二つの容姿、ここを平気で歩いていることを見ても、相手は妖に違いないだろう。 それでも一応は、問答無用で仕掛ける前に声をかけたのは、向こうに襲ってくる気配がなかった事と、驚いたような表情が、僅かに気にかかったため]
ひゅうるり
[風は油断無く、鬼丞の周りを巡ってはいたけれど]
(86) 2015/02/11(Wed) 23時半頃
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― 沼への道 ―
[にんまりと笑う相手に、鬼丞は目を細める。姿は少女だが、その物言いも纏う気配も、それなりに年経たモノの風格がある。 相手が土を操る力を持つのは、先の人形を見れば知れたが、さて、その力量はいかほどか]
そっくりだったなあ、ちいと、ちゃちな造りだったが。
[態と煽る物言いをするのは、鬼丞の癖だ。こうして怒らせてみれば、相手の性質は良く判る]
そう暇でもねえさ。人形遊びをする年でもねえしな。 だが、嬢ちゃんが遊びたいってえなら、相手をするぜ?
[ひゅうるり、と、巡る風が高く啼く。その音は、彼女の予測通り>>93風がこの退魔師の力である事を知らせるもの]
(94) 2015/02/12(Thu) 00時頃
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