280 【半突発】茨姫の眠る町で
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−ロゼッタ城前−
[ 城を堪能したモニカ。薔薇の勢いが弱まっているのは気になるが、それもまたロマンだと思いつつ1階の広場を後にした。 ]
ふぅ……。たまにはこういう時間も良いものよね。……あれ?声が聞こえる……。
[ 城の外。声をする方向に目を向けてみると、若い男性と子ども達がいた。>>111 ]
へぇ〜、読み聞かせか。何の話だろう?
[ モニカは読書も好きであるので、とても興味を持った。 聞こえてきた内容。それは、「茨姫」の話。]
茨…姫?もしかして、このお城に関係があるのかな?
[ 城にまつわる昔話はあまり聞いたことが無かったため、とても興味をそそられた。よく見てみると、何人か観光客らしき人々も立ち止まって聞いているようだ。モニカは足を止め、その物語にしばし聞き入っていた。 *]
(116) 2018/08/10(Fri) 21時半頃
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―偃月亭―
[>>88ジェレミーは父と約束していた時刻には顔を見せる。 同じ挨拶が返ってくれば、笑顔を向けて。 昨晩の事も労いつつ、兄と一緒に酒樽の方をお願いすれば任せて問題ない、と。 それを心強く思いながら、手早く出掛ける準備を済ませてしまう。]
あははっ。 転ばないよー。
[見送りの言葉にはくすくすと笑い、いってきます、と言って出かけてゆく。*]
(117) 2018/08/10(Fri) 21時半頃
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─南大通り─
[>>101旅人を見送っていると、不意に昨日酒場で聞いたばかりの呼び名が聞こえてくる。 他の人を呼んでいるのかもしれないが、 聞き覚えのある声のように思えたので少女はその場できょろきょろと辺りを見回す。]
あ、グレンウィルさん。
[>>103更に言葉を重ねてくる彼の姿を見とめれば、少女は其方に近付いていって笑顔を向けた。]
(118) 2018/08/10(Fri) 21時半頃
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[>>102初めてルーカスが店に訪れた時、 その振舞いから、こうした酒場には慣れていないのだろうと感じられた。 旅先という事で、普段と違う場所に来てみたのだろうか。旅というものは、 しばしばそんな気持ちになるものらしい。 饗したのは近くの産地のワインと、それに合わせた料理。 ――果たして口に合うかどうか、と思ったが、彼は偃月亭の料理を気に入ってくれたらしい。
昨夜も一年ぶりに訪れてくれた彼を、仕立てのいい服を着た客を珍しそうに見る人もいたが、気にしていない様子で。 掘り出し物について聞かされれば、既にそんなに、と目を輝かせた。 家族が喜んでくれると良いね、と言い添えて。
祭りの日には『緋色の華灯』で蝋燭を購入する心算らしい。 先行投資、と聞かされれば、そうした事に馴染みのない少女にとっては凄い事のように思えたが、それだけフェルゼの腕を買っているという事なのだろう。 そんな話をしながら、彼を席に案内したのだった。]
(119) 2018/08/10(Fri) 21時半頃
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そうだよー。 それと、明日のおつまみ用。
グレンウィルさんは、昼間はうちに来た事なかったっけ。 お祭りの時だけ、昼間も開いてるんだよ。
[包みの中身についての問い掛けには弾んだ声音でそう応じる。]
うん、天気にも恵まれそうで良かった。 ふふふ、あるよ。 いつもよりも手の込んだ料理を作るから、私も毎年楽しみにしてるんだ。
[加工しているとはいえ、 夏の日差しにあまり晒すのもよくないので、ゆっくりと歩みを進めようか。]
(120) 2018/08/10(Fri) 21時半頃
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グレンウィルさんなら、知ってるかな。 今年は茨の城に眠るお姫様が眠りについて百年経つんだって。
どんな人なんだろうねぇ。
[歩きながら、自分からも話を振る。 少女にとっては、いるのか、いないのか分からない人。 きっと普通に暮らしていたなら、王族に連なる人と直接関わるような事はないだろうと思う。
けれど都会的で洗練されたルーカスなら 姫君の傍にいても霞む事はないだろうな、などという空想を抱き。*]
(121) 2018/08/10(Fri) 22時頃
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……ありがとうございます。 ええ、ええ、当日は休ませていただきますわ。
[ そんな、ご贔屓の所との会話。 『当日は休む』との張り紙を見て、 そう、会話する。 ふと、明日の予定を聞かれると。 ]
明日……ですか? 私は、そうですね……。 町の賑わいを、眺めていようかな、と。
[ 12人目の魔法使いの孫、という素性は、 極力表さずに、そう言って、 ご贔屓さんとも別れる。 陽は傾きかけているだろうか。* ]
(122) 2018/08/10(Fri) 22時頃
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――昔、昔……。 皆のお祖父ちゃんお祖母ちゃんが生まれるよりも昔の事。 ××××、という、――そう、この町だね。 一人のお姫様がお産まれになりました。
[ ゆったりとした動作を加えながら、姿勢よく 穏やかな表情で朗々と読み上げ始める。 ]
――11人目の魔法使いがを贈り物を渡し終えた途端、 突然、宴に呼ばれなかった13人目の魔法使いが現れます。 その魔法使いはとてもとても怒っていました。
「私を招かぬなどいい度胸をしている! 貴様らに贈られるのは幸せではなく呪いが相応しい!」
[ 普段の青年からは考えられぬ凄みのある声に 子供たちはきゃぁ、と小さな悲鳴を上げる。 ]
(123) 2018/08/10(Fri) 22時半頃
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「15歳の誕生日、その娘は紡錘に刺されて死ぬのだ」
それを聞いた12番目の魔法使いは、呪いを書き換えます。
「姫は死なず、100年の眠りにつくだけ――」と。
しかし、呪いを回避することはできませんでした。 お姫様は、15の誕生日に塔の天辺で紡錘に刺され、 眠りについてしまったのです……。
[ あらすじを知っている筈の子供も、 悲し気な表情を浮かべる。 ]
そして城は薔薇の蔓や棘で覆われてしまい、 お姫様の眠る塔の天辺は、誰も入ることが出来なくなって しまったのです。
[ 子供たちの小さな悲しい声がぽつり、ぽつりと。 ]
(124) 2018/08/10(Fri) 22時半頃
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……物語はここまで。けれど、なんという事か。 今年のこの時期で、丁度お姫様が眠りについて 100年が経とうとしているのです。
[ ベネットは少し声を潜め、 子供たちにむかって背を少し丸めてみせる。 悪戯っぽい表情も浮かべながら。]
もしかすると、今年は何かが起こるかもしれませんね――
[ そういってスッと姿勢を正すと、本をぱたりと閉じた。]
(125) 2018/08/10(Fri) 22時半頃
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さぁ、今日はこれでお開き。君たちももうお家へお帰り。
[ そろそろ陽が傾きかける頃か。 子供たちに帰宅するよう促す。 ]
もし本がお好きであれば、北大通はずれの「緑園の冠」 をどうぞよろしく。古書の買取もしております。
[ にこりと、軽い宣伝も忘れない。 ……さて、どれくらいが当日来てくれるのだろうか、 なんて考えながら。 **]
(126) 2018/08/10(Fri) 22時半頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2018/08/10(Fri) 22時半頃
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[ 城の横で読み聞かせをする青年は、古書店を経営しているらしい。>>126 そういえば、毎年の祭りの際にも古書が出回っていたように思う。また当日の楽しみが増えた。 ]
……すっかり夢中になって聞いちゃた。 って、けっこう日が暮れてきたな〜。
[ モニカは町中で呼び込みをしていた少女>>81を思いだし、彼女のいる店に夕食を食べに行こうと決めた。 南大通りまで歩く。明日の祭りの準備だろうか、人々で賑わっている。また、旅人や観光客らしき人の姿も多い。 ]
早めに行かないと、席が空いてないかもしれないな……。 せっかくだから何か美味しいもの食べたいよね。
[ 酒場【 偃月亭】の前にたどり着き、扉を開けた。 **]
(127) 2018/08/10(Fri) 22時半頃
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─ 工房・『緋色の華灯』 ─
お?
[帰り着いた工房の前には、見慣れぬ人の群れ]
ウチに何か御用ですかー……って、ああ。
[創作蝋燭の噂を聞いてやって来たのだと言われれば、なるほど祭り見物の旅人か、と合点がいく。 行くのだが]
あー、とね。 ウチは、祭り当日以外は、基本店出さないんだー、ごめんねー? 明日また来てくれるかなー。
[教えるならそこも説明しろや、と思いながら笑顔で告げる]
(128) 2018/08/10(Fri) 22時半頃
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ん、ああ、オーダーもあるけど。 今、先約さんと交渉中なんで、そっちもごめんねぇ。
[にっこり笑って断り入れて。 また明日いらっしゃい、とお帰り願う。 工房前から人がはけると、は、とひとつ息を吐いて中へ]
興味持ってくれるのはありがたいんだけどねぇ……。
[あちらのペースで来られても、こちらは応えられないわけなので。 その辺りどーにかならんかなぁ、と思いつつ。 買ってきたパンを一度しまって、向き合うのは作業台]
さて、いい引き取り手さんに出会えるといいんだけど。
[呟きながら、一つ一つの作品の状態を確かめて。 薔薇の花を模った物を手に取った所で、少し、動きが止まった]
(129) 2018/08/10(Fri) 22時半頃
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……今年で100年目、って言ってたっけ。
[ふと、視線が移ろうのは古書屋で買ってきた絵本]
節目の年、って、何か起こる事、多いんだよねぇ。
[く、と笑って、蝋燭を台に置いて絵本の方へ]
さぁて、一体どうなるかな?
[楽し気に呟く脳裏に浮かぶのは、パン屋でのやり取り。 状況を楽しんでいるかのような姿に、黒猫が呆れたようになぁう、と鳴いた。*]
(130) 2018/08/10(Fri) 22時半頃
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