270 食人村忌譚
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[ あつい。 視界すべてを覆うほどの、生きた、生きている匂い。 むせかえるほどの生が飛び散る。
矯正された視界の多くを染め、 なお顔面に滴り落ちるそれ
鋭く吸い込んだ呼吸に混じり、鉄錆臭が肺を満たす。 ぐ、と眼差しを細めた。 手の内の感触、たしかに、肉を裂くこれは。 >>45眼前の、視界を覆う、男の肉を貫いている。]
(47) 2017/12/04(Mon) 01時半頃
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[地に背をつけている。 ふりそそぐ血潮のある。
それがどうした、 これはまだ生きている。
手の中にある刃は肉を食み、がちり、と硬い感触がある。 動かせない。姿勢か、力が入らずか。噛んだ骨が悪いか。 肋骨、胸骨、どうせそのたぐいだろう。 視線はやらない。 赤紅で奪われていない視界を、そんなもので覆ってたまるか。 見上げるのは、ねめあげるのは。一人しかいない。]
(48) 2017/12/04(Mon) 01時半頃
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―― ― ― “ “
[欠けた“四指”に押しつぶされる名。 一瞬まどうた名 は、 かすか 憧憬と悔恨の味がする*]
(49) 2017/12/04(Mon) 01時半頃
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