301 十一月うさぎのないしょ話
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お酒がだめでも、白けない飲み方。
[それは、渡りに船だった。 きっと一番、自分が欲しているもの。 期待の乗ったオウム返しの声は、先程までの沈んだ面持ちをぱっと塗り替える。 初公判、という言葉の響きは宅本さんの職業を意識させるけれど、飲める人が飲まないようにしているというのは信頼できることのように思えた。]
お財布に優しい。 それは、そうですね。
[だから、少し笑えた。]
(+6) 2019/11/27(Wed) 21時半頃
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― 名残の秋が過ぎて ―
[手帳を開く。12月ページには、赤い丸がふたつあった。 ひとつは、以前>>18からあった最古参。24の数字の下には「コンサート」の文字。]
搬入物はB倉庫にお願いします! ホールさん所有の物と混ざらないよう、 ラベルと備品リストは必ず確認、照合してください。
[今年新設されたコンサートホールで行うクリスマスピアノコンサートはオファーしたピアニストの演奏だけでなく、子どもたちが参加できるような合奏パートもあった。 今日はホールの休館日を利用しての機材搬入日である。]
…―― はい、お疲れ様でした! ヘルプの皆さんもありがとうございました。 本番まであと少し、頑張りましょう!
[終わりの挨拶なんて、朝会で聞く校長先生の話みたいなものだ。シンプルでいい。 腰から折るお辞儀で感謝を述べた後、手を軽く叩いて解散の旨を伝えた。 各々が次の仕事に向かったり家路についたりするのを見ながら、軽く伸びをして歩き出す。]
(21) 2019/11/27(Wed) 21時半頃
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[あれから、メイクが変わった。 詳細は省くが、3割減と言ったところ。
同期は気づいたし、同僚は気づかなかった。 後輩は嬉しそうだったし、課長は少し残念そうだった。
ショーウィンドウに映る自分の顔は、戸惑いが混じりながらもどこか晴れやかだ。]
あ、忘れてた。
[イルミネーションがちらちら見られるようになった通り、ショーウィンドウの前で立ち止まる。 その拍子に冷えた首元を髪の束が払った。身震いする。]
(22) 2019/11/27(Wed) 21時半頃
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駅の向こうに―― パフェ、も。
[そんな場所があったなんて。 飲まないから、バーに対する情報はほぼゼロに近い。 今日はこのあと、アップルフィリングが待っているだけ。 少しくらいは許されるんじゃないか、なんて。]
迷わないように、しないとですね。
[歩いて15分を心配しつつ。 今夜このままでもいいのかしらと、浮き立つ心をわずかに覗かせた。]
(+7) 2019/11/27(Wed) 21時半頃
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[アップルパイがひと切れ取り分けられたと知ったのはその後。 さらに半分に切って乙坂に分けたのは、気落ちしてる先輩のため、だけじゃなかった*]
(+8) 2019/11/27(Wed) 21時半頃
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[これまで、murmur coneyに足が向かうのは突然だった。 ちょっと失敗した日、疲れた溜まってきた頃、 緊張する仕事が決まったお昼、踏ん張りどころ。 自分じゃ補いきれない元気を、美味しい料理で。
だから、来店の予定を手帳に書き込むのは二度目だ。 最初はアップルパイ、次は――ふたつめの丸の下には、右肩上がりの文字で”All”>>19と書かれている。 足取りは軽く、ヒールの音が踊るようだ。] ……ま、いっか。
[タイミングが悪かった日、偶然の再会と神様からのご褒美があった。 鎧をなくした日は、待望のデザートと不思議なご縁、変わる青や自分だけの料理に出会えた。
心踊る今日は、どんな夜になるだろう。 ボードに並ぶ文字>>0>>8>>16に笑みを浮かべ、揺れる一本の尻尾を揺らしてうさぎ穴の扉を開けた。*]
(23) 2019/11/27(Wed) 22時頃
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啓明結社 カコは、メモを貼った。
2019/11/27(Wed) 22時頃
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[書店のショーウィンドウにもクリスマスの気配は近い。 結局12月の幼児向けイベントはあのままくるみ割り人形をネタにすることが決まり、題して【みんなで雪とお菓子の国を探検しよう】。 さすがに書店の中を走り回らせることはできないので、近くの色んなお店に協力してもらってカードラリー形式にし、最後に書店長扮するドロッセルマイヤーさんのところに来ると子供向けの文房具とお菓子の入ったプチギフトをもらえるという内容だ。
食事もだが今まで色んなものを疎かにしてきた十代は当日にするちょっとそれっぽい服装に向けた買い物へと同僚に連れ回され]
…無理。
[体力よりも精神力が試されるウインドウショッピング。 これまでご縁のなかったスキンケアグッズやらヘアアクセサリーやら、やってくるのは子供とその親なのに何がどうしてこうなったのだろう]
(24) 2019/11/27(Wed) 22時頃
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[ようやく解放された頃には日も落ち始め、疲れた体に寒さが染みる街角]
…what??
[掛けられた声に振り返る。 日本語で話しかけられたので、別に日本語で返せばよかったはずなのだが。 どちら様だか、はて、首を捻ると同時に一歩後退すればお下げも遅れて一歩後へ*]
(25) 2019/11/27(Wed) 22時頃
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啓明結社 カコは、メモを貼った。
2019/11/27(Wed) 22時頃
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気心知れた人たちなら、下戸でも気にしないと言うのは分かるんですが、気持ちの問題ですよね。 [彼女の同僚にしても、上司にあたる店長にしても、飲酒の有無で態度が変わるようには見えないけれど、変わるのは自身の気持ちだ。彩を差す面持ちに少し安堵の呼気を隠し。]
はい、パフェも。
[彼女を誘っているのは確かだが、己もその響きに誘われる。 宇都木の腕は信頼しているが、流石に恒常メニューにパフェがないのにパフェグラスがあるとは思わない。食器からリクエストするにはハードルが高い。 背の高いグラスならあるだろうが―――、やはり、パフェグラスの縁っこは波打っていて欲しい。]
(+9) 2019/11/27(Wed) 22時頃
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[瞳でだけで静かに笑うのは、美味しいものを食べた時とはまた違う喜びの表現。
腕時計に視線を落とせば、閉店まで然程もない。 今日も良く食べ、良い時間を過ごした。
けれども今日は彼女を誘って延長申請。]
片付けが終わるまで、店の前で待ってますね。 ナビゲーターは任せてください。
[地図は読める。何故か迷ってしまうだけで。 一人でなければ、何処へも楽々。]
(+10) 2019/11/27(Wed) 22時頃
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― murmur coney 店内 ―
[扉を開け、店内へ入れば、外と違う暖かさにほっと肩の力を抜く。 年の瀬の寒さを払うようにコートを脱ぎ、足は調理の手元がよく見えるカウンター席へ。]
こんばんは。 今日は……エリカちゃんがお休みかな?
[厨房にいるのかもしれないが、少なくとも新しい青を見つけられなかった。 手帳に書かれた"All"の文字はそういうこと>>15だったのだろうか。 軽く首を傾げると、いつもと違う>>1:88髪が揺れた。*]
(26) 2019/11/27(Wed) 22時頃
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勿論サーブしますよ。酌だって。 裏の方は全然手伝えないしね。
[店長の「交換条件」は願ってもないこと。>>20 求められるならいくらでも頑張りたい性分を見越してか、心配と忠告が入るけれど。]
俺は割と薄情なところがあるからなぁ。 俺が必要じゃない場面にまで首は突っ込みませんて。
[蒸したカキを殻から取り外して、その美しい白に目を細めた。 後は注文後にこれを入れて少し煮るだけ。*]
(27) 2019/11/27(Wed) 22時半頃
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― 夜のカフェバーへ ―
[彼女の仕事上がりを待ってから、いざ秘密の特訓へ。 口頭で住所と目印、それに「Foxtail」の店名を伝えてえっちらおっちら。]
深夜の道を誰かと歩いていると少しワクワクしますね。 一人だと、大体早く帰ろうとしか考えないんですが。
[他愛無い会話も挟んで、ウサギの巣穴からキツネの尻尾にワープ。踏切を待たなかったから、所要時間は10分ほど。
地下1階の店舗は煉瓦の壁に、橙の照明が灯る隠れ家スポット。開店時間は夜の遅くから明け方まで。 店内は酒を出すにも拘わらずカウンターが無く、客層は妙齢の夫婦が多かった。子供を寝かせてから、そっと贅沢するような、そんな店だった。
丸い小卓の椅子を引き、彼女に勧め。]
ガード下の飲み屋台なんてのも知っていますが、其方は上級者向けなので。
[ちゃんと冗句のひとつも添えながら。]*
(+11) 2019/11/27(Wed) 22時半頃
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[バックヤードで欠伸をしてたら、あちこちから声が飛んできた。>>10>>15]
えー最近は遅刻してないっすよー。 ほら、今日もギリギリセーフでしょ。
あー。カズさんのコーヒー飲んだら とっても目が覚めそうな気がするなー。
[揶揄ってくる店長に、時計を指差してむくれたあと。 棒読みでカズさんのコーヒーをねだったりして。
背中にかかった声には、きょとりと振り返った。]
はは、俺そんな軟に見えます? ほら元気元気。大丈夫っすよ。
[店長にニカッと笑って、手をひらひら。 シュトーレンの熟成確認にとりかかった。 店長って仕事してないようで、ほんとよく見てるから。>>11 おそらく空元気だって、バレバレだろうけど。]
(28) 2019/11/27(Wed) 22時半頃
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[そして、よく見てるのはこの先輩店員も。>>16]
でしょー。 この間、商店街の本屋行ったら、 クリスマス特集してたんすよね。 そんで、ああ作んなきゃって思い出して。
うわーカレンズだけ食べるの邪道っすよ。美味いけど。
[商店街の書店では季節ごとのイベントなんてのもやってるらしい。 書店の壁に貼られてたビラをに書かれていた、次のイベントの題材は『くるみ割り人形』。お菓子の国へ誘われるお話だ。>>24 カードラリー面白そうだけど、あれって大人も参加していいのかな。]
(29) 2019/11/27(Wed) 22時半頃
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カズさん、ちょっと前の夜に来た女の子、覚えてます? ほら、スープ作ってあげたお客さん。 伶菜さんていうんすけど、 その本屋のバイトさんなんすよねー。
[おまけに、上着を忘れて帰ったシンデレラ。>>2:160 さすがに時間も遅かったから、そのあと明るい通りまで送って行ったのだ。 大人しめというか、遊んでるって感じの子でもなかったし。あの時間じゃ親が心配するのではと、ちょっとだけ気になっていた。 でもそんなこと、書店のレジで聞くのはなんとなく憚られて。]
んー、普通に仕事してましたけど。 でもあんま、顔色良さそうじゃなかったかな。
あ、カズさんもシュトーレン味見してみます? 生地しっとりめに作ってみたんすよね。 ほい、どーぞ。
[フルーツとナッツがごろごろ入ったシュトーレンを、カズさんの口の前に差し出しつつ。ボードに加えられてく文字を見ながら、カレーが賄い分まで残ってるといいなと思ったり。 とりあえず考え事とか色々は横に置いておいて。エリちゃんが休みの分、気合入れて仕事しよう。*]
(30) 2019/11/27(Wed) 22時半頃
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いらっしゃい、カコちゃん。 外寒かっただろ?
うん、エリちゃんは休みだよ。 もしかして用があった? 伝言くらいならLINEするけど。
[今日のメイクは「意図的」だ。>>22 自ら重装備を解くその中身はきっと「つよさ」がアップしているのだろう。]
そうやってると印象変わるね。 今日は、待ち合わせ?
[異なるのはメイクだけではない。 項の白はあまりじろじろ見るものではないから少しだけ視線の落としどころを躊躇った。*]
(31) 2019/11/27(Wed) 22時半頃
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[なぜ英語?]
怪しい者じゃない。 ちょっと小粋なイケメンお兄さんだ。
[何を言ってるのか自分でもわからないし何で声をかけたのかと問われれば何となくとしか。 見た顔があったから何となく。]
寂し気なgirlが見えたものでね。
[素面で何を言ってるのやら。]*
(32) 2019/11/27(Wed) 22時半頃
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ん……そうなの。 店のみんなは気にしないのは、わかるんだけどね。
[実際みんなから出てくるのは、無理するなとか珍しいとか。 敢えて触れなくてもいいと言ってくれているようで、心地いい。 でも、気持ちの問題だ。自分自身が、飲めるようになってみたいって。 或いは、酒の席でも気負わずにいたいって。]
ええ……!? だめです、寒いじゃないですか。
お隣、行きますし。
[閉店後でも明かりが付いている隣のビル。 迷うことのない距離感、こちらから訪ねるのは苦に思わないと。]
(+12) 2019/11/27(Wed) 22時半頃
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[そして早速、今夜もうさぎの穴にお客様がご来店。>>26]
あ、桐野江さん。いらっしゃいませー。 コート預かるっすよ。
[カウンター席へ向かう彼女からコートを預かれば、スタンドにかけて。 用意したおしぼりとレモン水のグラスを置いていこう。
カズさんの待ち合わせか問う声に、ふと。>>31]
そいえば。今日は宅本さん、一緒じゃないんすね?
[ここのところ、なんとなく一緒に来店するイメージがあったけど。今日は忙しいのかな。*]
(33) 2019/11/27(Wed) 22時半頃
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――少し前――
ハイハイ、淹れてやるから。 無理した笑顔は開店後まで取っとけ、余計疲れるぞ。 ――ん、
[空元気は見ているこっちが切ない。>>28 棒読みのリクエストにも己の名前が入っているならば、煮込む火を弱めてコーヒーを淹れよう。
差し出された一切れは、「邪道」の食べ方をせずに、ぱくりとかぶりつき。>>30]
(34) 2019/11/27(Wed) 22時半頃
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ああ、あの子な。 あれから店来てねぇから大丈夫かなと思ってたけど、バイトが出来てんならまあよかった、のか……? 食うこと自体躊躇ってたぽいし、でもスープは美味そうに最後まで飲めてたし、味覚障害っつー訳でもなさそうだし……。
顔見知りならあの子が倒れねぇ内にまたおいでって誘っといてくれよ。
[ただ一度だけの来店でも、放っておけない雰囲気があった少女の様子を思い出す。 何がきっかけであれ、後輩の興味や視野が悩みのタネからずれるなら、それを利用させて欲しいという性格の良くない考えも混じってはいるが。*]
(35) 2019/11/27(Wed) 22時半頃
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[結局、迎えに行ったのか待たれたか。 今は、きつねの尻尾を追いかけていた。]
わくわくする、わかるかも。 わくわくっていうか――どきどきしてる。
[冒険だ。夜の街をこうして歩くのも、お酒を飲もうとするのも。 一人で帰れるか心配で、必死に道を覚えようとランドマークを探しながら歩いた。
勤務中上げている髪は、そのままにしていると頭痛の種になるから、今は解いて。 長い髪はマフラーの内側で撓んでいる。 小さなバーの看板が見えれば、思いの外早くついたのに安心したような、少し残念なような。]
(+13) 2019/11/27(Wed) 22時半頃
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[丸椅子を勧められる頃には、どきどきは表情にまで出てきていて、緊張がまる見えだったと思う。 パフェがあるとわかっていても、飲まなきゃいけないわけじゃなくても、素敵なご夫婦が和やかに笑み交わす中不釣り合いだと思っても、気を張ってしまっていた。]
お、手柔らかに、おねがいします。
[上級者向けには誘われない初心者は、テーブルに指をついて頭を下げた*]
(+14) 2019/11/27(Wed) 22時半頃
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…。
…何か。
[いや、十二分に怪しい。 じり、じり、後ろに壁はないが往来で後退するのにも限度がある。 寂しげとはどういうことなのかわからないが、何となく前進はしづらい。 どちらかといえばバイト仲間がイベントのためと口実を作って散財したかったのに付き合わされたというのが正しい気もするのだが、だからといって荷物を置いて逃げるわけにもいかない。 グレーのバッグを懐にかかえ込み]
人違い、じゃ、ないですかね。
[ちょっとだけ急ぐ足取りで踵を返す。 本人が怪しくないとはいうものの、頭の中は1番近い交番か、警察見回り店舗か、どちらか近くになかったかと。 人間不信ここに極まれり*]
(36) 2019/11/27(Wed) 23時頃
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こんばんは、乙坂さん。 寒かったですねぇ。冷凍庫に入った気分でした。
いえいえ、大丈夫です。 エリカちゃん探すの、癖みたいなものなので。 ……不審な者ではありませんよ。
[素直に口にしてから少し後悔した。 間違いではないが、語弊がある。両手のひらを向け無害アピール。]
そうですか? たまにはいいかなって。 でも冬じゃなくて良かったかも。結構冷えちゃいました。
[無害の片手を項のカイロに変えながら、カウンターへ視線を滑らせる。]
まぁ、そんなところです。 黒いシャツのお兄さんを待っていまして。
[選んだのは、乙坂>>31の前の席。椅子に腰かける。 軽くなった鎧は、楽しげ笑みを隠さずに乗せた。*]
(37) 2019/11/27(Wed) 23時頃
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え、ほんとに? 約束ね。
[もらえると思っていなかったカキカレーが確保された>>27。 表に出る足取りも軽くなろうというもの。]
薄情ねぇ。 でも、必要とされたら動くんでしょ。 カズくんのことはいつでも必要だから、ほどほどにしてほしいの。
[うちの店員たちはまったく働き者だ。 若手が空元気で笑う>>28のまで見せられたら、過保護にもなろうというもの。]
(38) 2019/11/27(Wed) 23時頃
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[宇都木>>33へ、いつものようにコートを預ける。 彼に対していつもという感覚が増えてきたことが嬉しくて、笑みは尽きることがない。]
こんばんは、宇都木さん。 今日もありがとうございます。
[それにしてもたった数日でそう感じされる彼の人懐っこさは、とても素敵なものだ。 おしぼりやレモン水の給仕を受けながら、ふと投げられた問い>>33に目を瞬かせた。]
宅本くん? 今日は別々です……というか、これまでも別々です。 初めて夜ここに来た日、たまたま再会してね。 高校の同級生なの。
[打ち明けたことで、ここで宅本の年齢が明かされる日が来なくなってしまたかもしれない。ふとそんな懸念を抱いた。 いつかの気遣い>>1:247を思い出しながら、そんな必要はないと一人首を横に振る。*]
(39) 2019/11/27(Wed) 23時頃
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……そういう子にこそ、うちが寄り添えたらいいんだけどね。
[>>30>>35ふたりが話すお客様のことは、意識の端にあった。 それだけ気がかりだったとも言える。
お客様に添った、そのときに一番合うものを。 それは口にしないが店の信条だ。 今はただの独り言として、まだ静かな店内の空気に溶け。]
(40) 2019/11/27(Wed) 23時頃
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あ……。
[踵を返す少女の後ろ姿を見送る。 追いかけてまで何かの用もないわけで。]
ナンパ……失敗……になるのか?
[帽子のつばを少し引いてその陰で、自嘲とも苦笑いともあるいは微笑みともつかない笑いを浮かべた。]*
(41) 2019/11/27(Wed) 23時頃
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