308 【R18】忙しい人のためのゾンビ村【RP村】
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……はは。はは、…………ざまー、みろ
………………
ごめん、進
(110) 2020/10/23(Fri) 22時半頃
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[悔しさを涙にして 青ざめていく世界で俺は静かに目を閉じる。]
(111) 2020/10/23(Fri) 22時半頃
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[ GAME OVER ? ]
(112) 2020/10/23(Fri) 22時半頃
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[ 植え込みの端、 誰かの影が、じわりと夕焼けに滲んだ。**]
(113) 2020/10/23(Fri) 22時半頃
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[ ―――ッ!!! ]
(114) 2020/10/23(Fri) 22時半頃
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[それは、鼓膜が破れるんじゃないかというような、 ガラスが粉々に割れる音だった。
雨戸を降ろして、ガムテープで目張りをした窓達。 これで安心だと思ったのが、間違いだった。 二階の窓からは入ってこないと、 思い込んでいたのが駄目だったんだ。
二階にあるベランダには、 僕の部屋と、兄貴の部屋から出ることが出来る。 家のすぐ真横にある電柱に上った奴が、 ベランダに飛び移り、窓を割って来たらしい。]
(115) 2020/10/23(Fri) 22時半頃
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[音に飛び起きた僕は、目を疑った。]
[窓を割った際に刺さったのだろう。 頭や両腕から、血をだらだらと垂らしながら、
「 アー………ゥウウ、グォ……? 」
知性の欠片もない言葉を漏らし、 濁った瞳を此方にぐるりと向けた、そいつは。
隣の家に住んでいる、 僕達兄弟にいつも優しくしてくれていた、 兄貴より3つだけ年上の、若いお兄さんだった。]
[この騒動は、日常から遠い世界のように感じていて 身近の。普段から良く知っている人が。 "そう"なるなんて……思っていなかった。]
(116) 2020/10/23(Fri) 23時頃
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ひっ……!!!
[かけ布団を巻き込み、ベッドから転げ落ちる。 一緒に落ちてきた枕を盾にしながら ずりずりと、部屋のドアの方まで後ずさりする間も お隣さん……ゾンビは、ゆっくりと近づいてきていた。]
……ほ、ら、 よく、見てくださ、 僕、縁、です。 ご近所 の、 先週も、出張のお土産、持ってきて、くれて、
[我ながら情けない、引き攣った声だった。 僕の声は、何も聞こえてないのだろうか。 ひょっとしたら、理解できないだけかもしれない。]
(117) 2020/10/23(Fri) 23時頃
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ぅ、ああああっ!!! こ、こ、っち、……くん、な…っ!!
[持っていた枕を精いっぱいの力で投げたけど 僕の力じゃ、一瞬、怯ませる程度にしかならない。
会社帰りのままのような黒いスーツの下は 血で濡れたシャツを着たまんま、 ぼたぼたと、血混じりの涎を垂らしながら、 そいつの歩みは、止まらない。]
(118) 2020/10/23(Fri) 23時頃
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[立ち上がってドアを開けたいのに、 身体が震えて、立つことすらできない。 恐怖で、歯がかちかちと鳴って。
(―――どうか、兄貴だけでも、)
『兄貴、はやく、家から逃げて』
メッセージを打って送ろうとした時だった。]
[ゾンビの後ろに、兄貴の姿が見えたんだ。]
(119) 2020/10/23(Fri) 23時頃
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[ベランダから僕の部屋に来た兄貴は、 怒りの形相で金属のバットを振りかぶって、 力任せに、お隣さんの首のあたりに振りぬいた。]
『えーくんから……離れろおおお!!!』
[ぐしゃ、と、嫌な音がして、 ゾンビは部屋の隅へと吹っ飛んでいく。
兄貴は暫く呆然としたまま肩で息をしていたけど、 やがて、血まみれのバットを床に降ろすと、 僕を抱きしめて、よかった、よかったと、 何度も言ったんだ。
僕も、良かった、って言いながら 兄貴に抱き着いて……それで。]
(120) 2020/10/23(Fri) 23時頃
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[あぁ、本当に。] [僕は、馬鹿だった。 安全なはずの二階から侵入されて 自分たちの甘さを思い知ったばかりだって言うのにさ。
兄貴の後ろで、ゆらりと立ち上がったそいつに、 すぐに気づくことができたのは、僕だけだったのに。]
(121) 2020/10/23(Fri) 23時頃
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[―――全てが終わってしまってから、 どれだけの時間が経ったんだろう。 SNSを開いたのは、藁にも縋る思いだった。]
(122) 2020/10/23(Fri) 23時頃
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[いつもなら、謎の猫Xの配信は絶対見ただろう。
でも、今は、動画の配信を見ている場合じゃなかった。
前に、彼に頼まれたアイコンは実はもう出来上がってて
あげる機会を見計らっている状態だったけど。
今は―――そんな場合じゃ、ない。]
["対策を練りたい"
……そんな投稿が見えたのに対して。
前の返事のお礼をする事もせず。
震える指先で、打った。]
ミドリ @fate824
噛まれてしまったら、どうすればいいんですか。
[いつも、人に返信するときに書くような
丁寧にと気を使って少し長めの長文とは、
全く様子が違う、投稿だった。]
ミドリ @fate824
噛まれたら、もう、助からないんでしょうか。
兄が、今さっき、目の前で……。
誰か……誰か。対策を知っていたら、教えてください。
[スマホの画面が、涙でぼやけて良く見えなかった。]
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[僕は……何も、できなかった。
ゾンビが背後から兄貴に噛みついたときも、 兄貴がゾンビを引きはがして、 バットを拾って殴り殺すまで。 その場で力が抜けて動けなかった。
兄貴を助けなきゃ、って。 何度も何度も思っても、 腕にも足にも力が入らなかった。]
(123) 2020/10/23(Fri) 23時頃
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[ 走って、隠れて。走って、隠れて。 距離としてはせいぜい町内をグルグル回っている だけなのだが、どうにも、何も、休まらない。]
──はっ、はっ、あ……お、おえっ
[ 逃げ惑いながら、見た光景を反芻してしまい、 その場にびちゃびちゃと嘔吐する。 転んで倒れた老人に、何人もの人が殺到し。]
うぇっ…おえぇ……
[ がり、がり、ぐちゃり。 悲鳴、嗚咽、断末魔。 怒号、呻き声。
一頻り胃の中のものを出し切ったようだ。 吐き気は止まらないが手の甲で唇を拭う。 家があれば、そこに立て籠ることもできたのに。]
(124) 2020/10/23(Fri) 23時半頃
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[ 私はよろよろと立ち上がって、目の前のビルを見た。 その雑居ビルの非常階段は、"あいつら"はいないようだ。 各階の踊り場にはビールの樽やモップ、ゴミ箱がある。 そのビルのテナントが物置に使っているのだろう。
あたりは薄暗くなっている。 体も走り続けてボロボロだ。 私は非常階段を踏み締め、1段ずつ注意深く登った。 **]
(125) 2020/10/23(Fri) 23時半頃
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[僕に出来たことは、 兄貴がうめきながら肩を押さえてしゃがんだ時に やっと我に返って部屋から飛び出して。 兄貴の肩の傷の消毒をし、 全く巻き方の知識もないまま、 包帯をぐるぐると撒いたことぐらいだ。
でも、それが何だって言うんだ。 噛まれたら、もう、終わりなんだろう? 止血も、消毒も、意味なんて……]
(126) 2020/10/23(Fri) 23時半頃
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……うるせえよ。
[バリケードの向こうのドアが、 ギシギシと悲鳴を上げている。 いつまで持ちこたえられるのだろうか。 その前に自分が餓死してしまうのだろうか。
――わからない。
鞄の中に入っていた 唯一の食料であるチョコレートは 数日前に在庫を切らしてしまった。
かろうじて、手洗い場の水道水を飲んで 食いつないでいる]
(127) 2020/10/23(Fri) 23時半頃
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相当にかわいそう、だろうがよ。
[かわいそうとは思わない、という ひとつの投稿に悪態をついた]
どうやって 無事に逃げられるっていうんだよ。
[その声は、震えていた]
(128) 2020/10/23(Fri) 23時半頃
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■マル得情報■
@heytaroさん。
同情を引こうとしても買ってくれないんですね。
困りました。たった2499円でわたしが笑顔になるんです。
ゾンビですが、呼びかけても反応はありません。
呻くだけで知能は低いのかもしれません。
参考までに。
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■マル得情報■
謎の猫Xさん。
110番をしても誰も出ません。
都市機能が麻痺をしているのでしょう。
ただのスパムに
いちいち突っかかってくるあなたのこと、
嫌いじゃありませんでした。
どうか生き延びてください。
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……窓。
[投稿にあった言葉につられて、 唯一光の差し込むそこを見つめた。
ごくり、と喉を鳴らした]**
(129) 2020/10/23(Fri) 23時半頃
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[何か情報がないか必死にSNSを見ていた僕へ 兄貴の声が降って来る。]
「……えーくん。」
[辛そうに額に汗を浮かばせ、眉を寄せていた兄貴が 僕を見て、微笑んだ。 泣きすぎて枯れた喉が、震える。]
う……、……兄貴、…… 僕のせいで、僕が、動けてれば、
兄貴じゃなくて、噛まれるなら、僕が……!
[自分が噛まれたのは、わかってるはずなんだ。 それなのに兄貴は、何もできなかった僕を叱ることも ゾンビになることを嘆くこともなく。
兄貴に縋りついて泣きじゃくる僕の背を撫でて、 酷く安心したような声で、言ったんだ。]
(130) 2020/10/23(Fri) 23時半頃
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「俺はさぁ……噛まれるのが えーくんじゃなくてよかったって思ってる。 俺ら、似たもん同士だな。」
[僕と兄貴は全く違うのに。 勉強も運動も出来て親にも期待されてる兄貴と ゾンビに立ち向かうこともできない、僕じゃ、 似ても似つかないっていうのに。
何故か兄貴は僕にずっと優しくて、 こんなときまでこんなこと言ってさ。]
何、言ってんだよ……馬鹿、兄貴…………
[兄貴は何故か笑ってたけど、 僕はもう、なんにも言うことができなくて。 暫く、ゾンビが倒れたまんまの部屋には、 僕のすすり泣く声だけが響いていた。]**
(131) 2020/10/23(Fri) 23時半頃
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[元々、ROMのほうが多かった。
とくにここ数日は、ダチとのやりとりが増えていたから。
見かけた画像に、気まぐれでふぁぼをつける**]
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