82 謝肉祭の聖なる贄
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[離れていても、酸く甘い花蜜の香は膚から馨る。
その香は次第に濃くなり始めていた。
今はまだ、明確な形を持って兆してはおらず、白い貌は冷たく鎧われているが、自制の堰が切れるのもそう遠い先ではあるまい。
その証拠に、こちらへ近付いてきた時の足運びや、こうして見下ろす佇まい、物憂く半眼に閉じた目元に、既に仄かな艶が滲み始めていた。]
[かつて茶の輩が銀灰を味わったは。
充分に贄を喰らえず、狂熱を鎮めかねて狂乱寸前に陥った隙をついて――のであり、必ずしも本意の交わりではなかったが。
事後はともかく交わりそのものは、犯し犯されるを熱望して、自らもあますところなく輩のからだを味わったのだった。
自ら引き裂いて暴いた腹腔の、臓物と血の様々な色合いの赤に飛び散った純白の精、
跨った輩の腰の上でそれを喜悦を浮かべて眺め、熱い息を零す。
その一方で、からだの奥深くに埋まった剛直から、より一層の快楽を搾り尽くさんと身を引き絞る。
もっと喰い易いようにせよと凄艶な眼差しで強請り、頭を抱き寄せると眼球に舌を這わせて抉り取り……
そうして、血肉を貪る長い交接の果てに、漸く充ち足りた銀灰が獣の姿に戻ってまどろむ頃には。
茶の輩の体重は半減――とまではいかぬまでも、相当に減っていた筈だ。
大神であっても危うい深手の傷、癒えるまでに如何ばかり掛かったことか――]
[本来ならば、人に似せた姿はもうすこし若い――おそらく人間でいうならば、40を過ぎ50近い程度のもの。
己にはどの位に姿が変わっているかはわからないが。同胞の精を吸えば、回復もはやかろう。
酒の口移し時に引き寄せられれば、目を細めて。口内の酒がなくなっても、舐めたり啄んだりなどしたか。
熱を帯びたそれに指を絡めれば、手の中での精の放出を促すか]
執事 ハワードは、メモを貼った。
2012/03/16(Fri) 19時頃
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[膝を借りている大神にじゃれつきつつ、年長の贄2人の絡む様を眺めていたところに。 少し前に椅子にしていた金糸の贄が茶の前に、褐色の贄が己の前に、それぞれにやってきて。 茶と金糸の贄とのやり取りを聞きながら、褐色の贄に冷たく細めた目を向ける]
(63) 2012/03/16(Fri) 19時頃
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贄の味見をするか?
ならば、私は邪魔になるな。
[茶の同胞と金糸の贄のやり取りに、同胞の下肢にある熱へ絡めていた手を引き。
ぺろり、と己の指を舐めた。
自身も熱を帯びており、風の熱をもっと欲しいとは思っているが。
人間相手と違い、同胞には無理を強いるつもりはない。
茶の同胞が贄に手を伸ばすようであれば、その膝から降りて褐色の贄を椅子に、余興と同胞たちの様子を眺めるだろう]
執事 ハワードは、メモを貼った。
2012/03/16(Fri) 19時半頃
[構えているのは、己の方。
銀灰と娘との冷たいくちづけも、交わされた命令の内容も、白金の記憶には無かったが。
ふたりで在る様から、それとない雰囲気程度のものは、何処かで察していたのかもしれない。
そして何より。
離れていても伝わる、しかも先よりも確かに濃く感じられる香は
かつて辱められ怯えを抱かされた小さな神の、確りとした心持を蝕むものだった。]
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[近くへと銀灰の同胞がやってくれば、そちらから漂ってくる馨りに目を細めそちらを見やり。 人間や贄には向けることのない表情を浮かべる。
角と同じ色を帯びる瞳は、その後再び褐色の贄へと向けられ。 椅子にするか否かを考えるように首を傾げつつ、空になった杯を差し出した]
(72) 2012/03/16(Fri) 20時半頃
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この贄を。
喰いたいものはいるか。
[金髪の贄を見据えたまま、低い囁きを。]
………………………
………… あ のコ 、 ぼく は
………… ぼく が 、
[途切れ途切れの幼い声は、怯えを孕みながら、しかし確かに零れていた。]
[別に今、何かしら粗相やら狼藉やらをはたらいた訳でもあるまいに。
低い囁きを聞き、香をもまた感じ取っていた小さな躰は。
何時かの記憶がぶり返しでもしたように、裂かれるような、
穿たれるような、剥がれるような、そんな痛みを鈍く抱いていた。
それでも、そのか細い声は、洩れていた。]
いちいちびくつくな。
[と冷淡に無理難題を吹っかける。
若い輩が怯えるほど虐待したのは当の本人なのを棚に上げている。]
では喰え。
そして、答えを聞け。
誰かが喰うのであれば。
[銀灰の囁きが聞こえれば。
笑みを浮かべてそう応じた。
先ほどの未成熟な贄と違い、成熟し引き締まった贄は、雨師たる大神の好むところ]
もっとも。誰か、独り占めしたいと言うものがあるなら、遠慮するが。
[返ってきた声に、結局またびくついてしまう。
うっかりすれば贄たちにもこの心持が覚られてしまいかねない程の、緊張。]
…………… こた え 。
[辛うじて、といったところで落ち着きを取り戻そうとしながら、
先程の贄との遣り取りを、思い返す。]
[あの青の奥にあるものを確かめたくて、他の輩に渡せばどうなるかと、手放したのが失策であったらしい。
だが、ちいさい輩の勇を奮っての言葉とあれば]
主が我の顔色を窺うたびに、此方の方が情けなくなってくるわ。
辱められたを恨むなら、むしろ怒れ。
堂々としておれ。
[冷酷な言葉投げつけるが、それは彼なりの詫び、なのかも知れぬ。]
[独り占め、という語に、答える余裕が無い、まま]
そん、な、
…………… は い 。
ごめん なさ い 。
[その冷たい言葉を詫びだと捉えられる程、白金の心は育ってはいない。
けれど心は刃向えず、是を返す。
それでも結局相変わらずの、堂々とできていない声色ではあったのだが。]
[相変わらずに返って来る情けない返答に、ふんと鼻を鳴らした。]
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[ただの人間に向けるそれに比べれば、灰青の大神が贄に向ける視線は、まだ柔らかい部類。 己や同胞の血肉に成るだろう者には、それ以外の人間に対するよりは寛大になる。 それでも、同胞に対するとは比べ物にならないくらいに温度が違うが]
………成熟していない贄はあまり好かぬからな。
[先の贄について、褐色の贄から問われれば。 そう応じて、目の前の褐色の躰を眺める。 目の前に在る贄の、成熟具合を品定めしているように]
(79) 2012/03/16(Fri) 21時半頃
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執事 ハワードは、メモを貼った。
2012/03/16(Fri) 22時頃
[静かに呼吸してじわりと溜まってきた熱を逃がそうとする。
まだ外からは見えねど、黒衣の下では抑えきれぬものが形を成しつつあった。]
[強くなった花蜜の香をうっそりと身に纏う。
食欲とないまぜになった情欲がじわじわと身のうちを蝕み、苦痛なほどだ。
今また贄が喰われるを見れば、もう歯止めは利かぬ。]
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クックッ……あれらを好むと言えば、羨むか?
[余興をさせている2人を指しての褐色の贄の言葉に。 可笑しそうに目を細め、そう問いをかける]
だが、あれらばかりではなく。 銀灰のと白金のに挟まれておるそれも、引き締まった良い肉をしていそうだが。
[そう言って、また空になった杯を差し出し。 褐色の贄の瞳の奥を覗くように見つめる]
(104) 2012/03/16(Fri) 23時頃
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――だそうだ。
[肩を竦め皮肉な笑いを浮かべる。
内実餓えに苦しみ切羽詰っていても、まだこのスタンスを崩すつもりはないらしい。]
フフフッ…それほどに気に入ったのならば、仕方あるまいな。
[白金の同胞が宣言するのを聞いて、愉しそうに笑う]
[忌々しく恐ろしく恥ずかしく、恨めしい記憶呼び起こす香。
けれどそれにも、怒れ、堂々とあれ、と半ば無意識に意志して。
今。小さな勇気から勢いづいたおおかみには、既におそれは無かった。]
執事 ハワードは、メモを貼った。
2012/03/16(Fri) 23時半頃
[とつとつと脈打つ、娘の心臓の音に耳を傾ける。
この熱くやわらかい肉を引き裂きたいと、じりじりとその身を焦がされながら。]
[年長の同胞たちのこえは、耳に触れども。
アクアマリンに囚われた小さなおおかみからは反応は返らない。]
[だが逆に、この肉の質量を、温かさと心音を、正気を繋ぎ止めるよすがとなす。
今、この娘を喰らうつもりはない。
少なくとも、今はまだ。]
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クククッ……未発育の贄ばかりでつまらぬ事もよくあるが。 今回は、6の贄の内、4が良く育っている。
[最初の贄とまだ若い娘以外は、いずれの肉も旨そうだ――と。 他の贄に炎を帯びたような視線を向け、こちらに上っ面の言葉を投げる褐色の贄へ、そんな言葉を向ける。
他の大神の手がそちらへ伸びるようなことがなければ、空になった杯を逆さにして差し出し。 褐色の贄がそれを受け取るならば、その手の指を贄の口元へと運ぶだろう。
その間も、視線は余興として絡み合わせている長髪と帽子の贄たちに向けられてはいるが]
(132) 2012/03/17(Sat) 00時半頃
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