60 ─昨夜、薔薇の木の下で。
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[組んだ指の下、伏せられた瞳。
扉の向こうは、幾分か静かになったとはいえ、まだ人の気配があり。 出ていく事は、憚られて。]
……もう、……放っておいてくれ………
[ぐしゃりと髪を乱す。 香るのは嗅ぎ慣れた柑橘の香。
扉を閉めたせいか、薄れた薔薇の香の中、それはふわりと漂った。]
(6) 2011/08/07(Sun) 01時頃
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[ゆらり、立ち上がる。 濡れた背に伝わる、ざりざりとした、扉の感触。
錆びついたドアノブに指を伸ばして、ゆっくりと、捻る。]
………
[ぎぃ、と。
蝶番の軋む、音。
前髪越しの虚ろな瞳が、扉の向こうの二人を、ちらと見て。]
………邪魔だ。
[その二人を押しのけるようにして、廊下を降りる。
――― 軋んだのは、ほんとうに、蝶番だけだったのだろうか。
口元に浮かぶ笑みの理由が、わからなくて。]
(12) 2011/08/07(Sun) 01時頃
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[名を呼ぶ声>>16が後ろから聞こえる。――― けれど、足は止めずに。
最初から、あの声で、名を呼ばれる資格なんて、なかった。 わかっている。わかっていた。
そんなことは、ずっと前から、わかっていた。]
……まだ、間に合う、……
[小さな声で自問する。 答えはないけれど、それでも。]
[壊してしまう前に、終わろうと思った。 取り返しのつかなくなる前に、断とうと思った。
――― きっと其れが、一番正しい選択。
彼と自分が、対等な友人になれるわけ、ないのだから。]
(20) 2011/08/07(Sun) 01時半頃
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―自室―
……―――っ、は
[乱暴に、自室の扉を閉めると一つ、大きく息を吐いた。 シャツの胸元を握りしめ、浅い呼吸を繰り返す。]
……正しい、んだ。 そう、此れが。……ただし、い……
[濡れて汚れたシャツを脱ぎ捨てながら、机に歩み寄る。 引き出しに入れてある、レターボックスの蓋を開けた。 受け取った手紙の層を掻きわけて、手に取るのは可愛らしい、花柄の封筒。]
……お前も、そう、思うよな……?
[涙の落ちた跡のあるその封筒を胸に抱き、崩れる様に、蹲る。
涙は、もう、*流れない*]
(29) 2011/08/07(Sun) 02時頃
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…もう少し俺が丈夫だったら、な〜。
きっと……
[…ヤニクにも頼りにされるかもしれないのに。
仕方のないことではあるが、それが悔しかった。]
エヴァンス君〜……
[思い出したように呟いた。
この特別な声なら、彼に届かないだろうか。そして、向こうからも返事が来ないだろうか。そんな考えがよぎって]
…頭痛、じゃないよな〜。
でなきゃ、ディーン君まで倒れた理由がわかんないし〜。
ランディ君もだ、っていうしな〜……
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―涙で滲んだ便箋―
――― 親愛なるお兄様。
きっとこれが、私の最後の手紙になります。
私は、お兄様と一緒に居てはいけないと、前から、ずっと、感じていました。 お兄様の気持ちが嫌なわけではありません。 とても、とても嬉しかったし、私も精一杯答えようと思っていました。
でも、きっと私達は、来てはいけないとこ■まで来てしまったのだ■、そう思います。
だから、私は、こ■で終わろうと、決めました。
(53) 2011/08/07(Sun) 09時半頃
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お兄様だ■ではありません。
お父様やお母■、お姉様にも、迷惑をかけ■と思います。 ■山、沢山、泣かせてしまうと思います。
勝■な事をして、ごめんなさい。 でも、謝っ■許してもらおうと■、思っていません。
■もこれ■、■にとっても、お兄■■とっても、一番良■、選■なのです。 わ■ってく■さい。 ■れが、私■できる、最■のお■様へ■■情表■なのだと■って■■さい。
愛し■い■■、お■■。
[――― 差し出し人の名は、滲んで読み取れない]
(54) 2011/08/07(Sun) 09時半頃
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―自室―
[何度も読み返したその花柄の便箋を畳み、レターボックスの奥底に仕舞った。
――― 名前を呼ぶ声が、頭から、離れない。
袖を通すのは真白いシャツ。 整髪料は柑橘の香。
結局、選ぶのは、何時も通り。]
(55) 2011/08/07(Sun) 09時半頃
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あ、……本、を [それから、ふと、読みかけの本を食堂に置き去りにした事を思い出す。 ……少し、躊躇いつつも、部屋を出た。
命の欠片を取りこんだ薔薇。 甘いその香が、幾分か、強くなったように感じて。]
……酷い、な。
[眉を顰めて、その香の中を行く。*]
(56) 2011/08/07(Sun) 09時半頃
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―廊下―
外と連絡がつかない?
[食堂へ向かう途中、寮母に話しかけられ、立ち止る。 ヘクターに頼まれ>>2:431、町の医者に連絡をつけようと思ったのだが、寮の唯一の電話が、どこにも通じない、とのこと。]
昨晩の嵐で、電話線が切れた、……とか。 そういう可能性も……。
[そんな風に、適当な憶測をして。 「ヨーランディスが目を覚まさないようなら、町に下りて医者を呼ぼうと思う」と告げた寮母に、頭をぺこりと下げて。]
……すみません、お願いします。
[そう、告げた。]
(83) 2011/08/07(Sun) 16時頃
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[ノックスに声をかけられた>>72のは、寮母の姿が廊下から見えなくなるくらいの時だっただろうか。]
ロイル?……に、ローウェル!?
[引き摺られる様に背負われていたその姿が同室者と分かると、ノックスの方に少し、早足気味に近付く。 意識を失ったフィリップの体を、その背から奪う様に、抱きあげた。
冷水に濡れた、その体の冷たさに、ぞっとする。]
……これは、どういうことだ? ローウェルは何処で……
[ノックスに尋ねながら、耳をその口元に近付ける。 細く弱々しいものだったけれど、呼吸するが聞こえ、ほっと息を吐いた。]
(85) 2011/08/07(Sun) 16時頃
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冷たい水?……何で……
[冷えた肌。濡れた髪。 本当に息をしているのか、不安になって、何度も呼吸を確認した。]
参ったな……。 先程聞いたのだが、……町と連絡がつかないらしくてな。
……参った、な……
[苦々しげに、顔を歪める。 ノックスがついて来ても、特に制止はしなかった。 彼が近くに居る事で、僅かに薔薇は強く香ったかもしれないけれど、今はそれ以上に同室者の身が心配で。
そんなような事を話していれば、医務室に着いただろう。 もしそこにヘクターの姿があれば、「伝染病かもしれない」という彼の推測>>94を耳にしたかもしれない。]
(98) 2011/08/07(Sun) 18時半頃
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ルーカスは、ヤニクとすれ違わないタイミングで、医務室に入る。
2011/08/07(Sun) 18時半頃
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睡眠病。
[ヘクターの推測>>94を聞き、小さく、口の中でその単語を繰り返した。 伏し目がちにした目を、ちらと白いカーテンの方に向けた。
聞けば、中庭で倒れたヴェスパタインがそこに眠っているという。]
マクミランの言う其れは、蝿が媒介になるという、あの睡眠病のことか? 僕も、知識として知っているだが……。
……見ていた限り、ローウェルにはそのような兆候はなかった、が……。……もっと深刻なもの、なのだろうか。
[ベッドに横たえたフィリップの横顔をちらと見る。 口元に手をあててふむ、と考え込み。]
……何なのだろうな、この薔薇の香といい……
[ぽつり、呟く。]
(112) 2011/08/07(Sun) 20時頃
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[それから、医務室に居る者たちと何か会話をしただろうか。 もしそうだったなら、適当な所で切り上げて、本来の目的であった食堂に向かう。
赤いカバーのかかった文庫本は、朝、置いたままの形で其処にあった。 それをそのままに、先ず厨房へ向かう。 ディーンと屋根裏へ向かう際、放置してしまっていた食器が見当たらないところを見ると、誰かが代わりに洗ってくれたのだろうか。少し、申し訳なさなどを感じて。
薬缶で湯を沸かし、洗われたマグに珈琲を作る。 本を置いた机に着くと、少し姿勢を崩し、行儀悪く机に肘をついた。]
……ローウェルの鳥を、……どうしようか。
[思いだすのはよく、その鳥に会いに部屋に訪れていた、眼鏡をかけた後輩。 フィリップに、鳥の事を色々と尋ねていた様な記憶があるのだけれど。]
…………
[確か自分はあの後輩にあまり好く思われていなかったな、と。 湯気立つ珈琲を口に含みながら、ぼんやりと、思った。]
(115) 2011/08/07(Sun) 20時半頃
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ルーカスは、イアンとフィリパが抱き合う姿をちらと思いだし、苦々しげに眼を伏せる。
2011/08/07(Sun) 20時半頃
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……エミルトン?
[考え事をしていたせいか、その後輩の存在>>117に気付いたのは、彼がオレンジジュースを手に、隣に座ってからだった。 ふ、と笑みを漏らし珈琲を一口。]
……流石に鳥は飼った事がないからな…… 世話の仕方を聞いておくべきだったと、今になって、……
[浮かべていた苦笑は、次第に、疑いの色を含む。 す、と細められた青磁は、そのエメラルドをじ、と見詰める。]
どうして、ローウェルが眠っている事を、君が知っているんだ?
(121) 2011/08/07(Sun) 21時頃
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カプランに、聞いた、か。
[揺らめくエメラルドの瞳>>122。 何だか、弱い者苛めをしているような気分になり、ばつが悪くなって視線を外す。
すぐにうろたえて、からかいがいがあるのだ、と。 ザックが武勇伝のように語っていた事をちらと思いだした。]
……先程、ローウェルを運んだ時、彼の傍に居たのはロイルだけだった。 それと、……生憎と、僕はカプランの姿を見ていなくてな。
………君は、……
[何か知っているんじゃないのか。 その問いかけは、砂糖も牛乳も含まない、熱い珈琲と共に、飲み込んで。]
(128) 2011/08/07(Sun) 21時半頃
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[ジョージの言葉を耳が拾う度に、青磁の瞳がゆっくりと、見開かれていく。]
……フィリパに、キス? ローウェルに、襲わ、れ……?
[その言葉を反芻しながら、少しでも彼の言葉を理解しようと。 それでもきっと、動揺は見てとれるだろう。
自分の裏の顔をフィリップが知らない様に。 フィリップの素性>>2:20も、自分は知らない。
目の前の後輩を脅し、襲うような者には見えていなくて。]
そのあと、何だ? 何が、あったんだ……?
[問いかける声は自然と強いものとなる。 この異常の“答え”が知りたくて、知りたくて。
聊か強引に、その小さな肩を掴もうと、手を伸ばした。]
(133) 2011/08/07(Sun) 22時頃
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[茨は少しずつ]
[その身を蝕んでいく]
[一気には吸い尽くさない]
[大きな花が咲くまで、育む]
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……すまな、……
少し、……気が立っていた、すまない。 ………
[薔薇の香が強すぎて、頭が痛い。 苛立ちにも似た其れを紛らわす様に、こめかみをぎゅ、と押さえて、ゆるく、息を吐き出した。]
……その目で見るのを、……止めてくれないか
[潤み、此方を見上げるジョージの瞳。
其れに重なる様に脳裏に蘇るのは、似た様に潤み、熱を孕んだ“誰か”の瞳。
――― 誰の、だったか。
思いだせない程に、似たような瞳を、見てきた。]
(139) 2011/08/07(Sun) 22時半頃
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……其れで?
[口をついて出たのは、酷く、平坦なトーンの声。 嗚呼、結局、こんな時でも何時も通りだ。
誰であろうと、一緒だった。 潤んだ瞳で此方を見て、熱の籠った言葉で囁く。 「条件なら、守るから、早く」 と。
懇願するように、強請るように。]
其れで、君はどうしたいんだ?
[ジョージへ向ける問いかけもまた、何時も通りで。]
(144) 2011/08/07(Sun) 22時半頃
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[幼さの残るその肢体に腕を伸ばす。 抵抗されなければ、抱き寄せるように、腕を回して。
一回りは小さい、ジョージの身体。]
………っ
[一瞬、脳裏を過ったその面影を振り払うように、唇を軽く噛む。]
(149) 2011/08/07(Sun) 23時頃
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……嘘は、……もう、吐きすぎた。
[小さな呟きに応える様に、ぽつりと零し、目を伏せた。
その体を抱きしめる腕に、そっと力を籠める。 「もっと欲しい」と強請る声。 相手から回される、腕。]
……其れで。
[薄らと目を開く。 その奥に滲むのは、朝、ディーンに見せた時の様な、其の色で。]
僕は、どうすればいい……?
[微笑みを浮かべ、問いかける。 また一つ、罪を重ねようと、手を伸ばす。]
(157) 2011/08/07(Sun) 23時半頃
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……………、
[医務室で転寝をしている少年。
夢の中で声が聞こえたような気がした。]
んん……エヴァンス君……?
[寝言で呟いたが、すぐにまた意識が沈みかける。]
『想いのままに』
『望みのままに』
『恋を頂戴』
『想いを頂戴』
『君の命の欠片を頂戴』
|
[顔をその巻き髪に寄せ、一つ、唇を落とす。 漂う薔薇の香に、少し、眉を顰めた。]
……君が、それを望むなら。 僕は応えようと、思う。……君が、僕の提示する条件さえ、呑めば。
[腕を解き、一度、ジョージの体を離して。 ゆっくりと立ち上がり、まだ温いマグと、本を片手に。]
僕の部屋で良いだろうか? ……ローウェルは今、医務室だから。
[ゆるり、首を傾げる。]
(161) 2011/08/07(Sun) 23時半頃
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僕もあまり、友人を部屋に招いた事は、ないな。
[道すがら交わすのは、傍から聞けば他愛も無い、世間話に聞こえただろうか。 寄り添うジョージを振り払う事はしなかったけれど、此方から腕を伸ばす事はせずに。]
……エミルトンは。
[ふと、思い立ち。]
この薔薇の香を、どう思う……?
[その無邪気な笑みに視線を向け、尋ねる。]
→自室―
(168) 2011/08/08(Mon) 00時頃
|
[茨は肌を侵食していく。
想いの蕾をつけてしまったから。
その四肢を捕らえるように]
[きっと、もう時間はそんなに無い。
あと1日もすれば。
願いの蕾は花開き。
その代償として―――]
|
咲きたがる。
[その言葉を>>172、小さく反芻する。]
……僕は、あまり、好みではないな。
[他の者に齎されるらしいという、どこか甘美な、情欲。 けれど、自分の身には一切の変化は起こらず。―――だからこそ、その香の異常さを、あまり、深刻に捉えられなくて。
扉に手をかけ、先にジョージを中に入れる。 両手がふさがっている為、足で行儀悪く扉を閉めた。]
適当に、ベッドにでも腰掛けていてくれ。
[そう促すと、机の上にマグと本を置き、代わりに置きっぱなしだったレターボックスを引き出しに仕舞った。]
(178) 2011/08/08(Mon) 00時半頃
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ど〜しよ〜………
[思わず漏れてしまった呟きは、あまりに弱々しかった。]
……好きなように、するといいんだ。
[快楽に堕ちた心が、状況など気にせずに返す。]
う………
……あ、りがとう。
[返ってきた答えに礼を告げ。
そして再び沈黙を守る。]
|
……手紙を、入れてある。
[そう言って、引き出しを締める。 それからベッドの方へ足を向けると、その隣に腰かけた。
その巻き髪をす、と梳くと、じ、とそのエメラルドを見つめる。]
……終わるまで、僕の名前を、呼ばない事。 僕は、この事を全て忘れるだろうけれど。……其れを気にしない、事。 この二つを守ってくれれば、僕は君に、応える。
[その提示に、ジョージは頷いてくれるだろうか。
頷くようなら、その額に、口付けをを落とそうと、顔を寄せる。]
(184) 2011/08/08(Mon) 00時半頃
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……其れくらいなら、構わないが。
[額に音を立て、口付ける。指を伸ばして眼鏡を外し、瞼に、頬に。]
僕は……誰の、ものでもない。
[伸ばされる腕に応える様に。 口付けを繰り返しながら、体重をかけて、ベッドにその身体を押し倒そうと。]
(191) 2011/08/08(Mon) 01時頃
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誰のもの、だろうな……。
[浮かべた笑みは、自嘲気味なもので。
唇を重ねようと、頬に片手を添え、唇を近付ける。 空いた片手で、自分のシャツの胸元を緩める。
きし、とベッドのスプリングが、軋んだ。]
(198) 2011/08/08(Mon) 01時頃
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……ふ、……、っ、ん
[重ねた唇の間から、水音が漏れる。 頬に添えた手を滑らし、その首筋をつ、と撫でた。
三つほどを緩めたシャツの合間。 拙い掌が滑り込み、其処に触れると、ぴくりと身を震わせ。 相手の口内を舌で犯しながら、首筋を撫でた手を下方へ伸ばし、ゆっくりと、シャツの釦を外していく。]
(209) 2011/08/08(Mon) 01時半頃
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[釦を外し終わると、鎖骨から腹にかけて一度、するりと撫でた。 そのまままた、指先を這わせるように下から上へ。 指先が胸の中央に触れると、指の腹で転がすように。]
……ん、……わかった
[そう応えると、晒した肌の上に手を滑らせて、布越しにその膨らみを撫でる。 ゆっくりと、丹念に。
其れからズボンに手を差し入れて、直接、熱を持った其処に触れた。]
(215) 2011/08/08(Mon) 02時頃
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……気にしなくてもいい、どうせ誰も来ない。
[耳元で、笑い声交じりに囁きかける。 舌を伸ばし、わざとらしく音をたてて、耳を舐っていく。
指を濡らした白濁をそのままに、下着ごと下を脱がせると、熱を吐き出したばかりの其処に触れる。 潤滑油代わりに指を絡ませ、ゆるゆると、上下に扱いた。]
教えて欲しいと言ったのは、……君、だからな。
[そう、確認するように口にしたのは、罪を逃れたいからなのか。]
(224) 2011/08/08(Mon) 02時半頃
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[ぎりぎりまで追い詰める様に、手の動きを速めていく。
すぐ傍で上がる高い声に、フラッシュバックしそうになる思考。 振り払うように、ぎゅ、と目を閉じた。
相手が達してしまうその前に、手を其処から離す。 濡れた人指し指が伝う雫を辿る様に滑り下り、後孔に触れた。]
……ザックと寝た事は、ある、のだよな?
[其の縁をなぞる様に、手に残った白濁を塗り込めていく。]
(226) 2011/08/08(Mon) 03時頃
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[ゆっくりと、指を差し入れ、慎重に、慎重に、慣らしていく。 痛みを与えない様に、と、それだけで。]
…… ―――…
[声無く、唇の動きだけで紡がれる名。 きっと、腕の中で喘ぐ少年には、気付かれない。]
そろそろ、……大丈夫、だろうか。
[三本目の指を抵抗なく受け入れる様になれば、指を抜き、スラックスの前を寛げる。 張り詰めた熱の中心を其処に宛がい。]
痛ければ直ぐに言え。……良いな?
[その腰に手を添え、そっと、中へ。]
(229) 2011/08/08(Mon) 03時頃
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……っ、は……ッ、……も、少し……力を、抜いて……
[想像していたよりもずっと狭く、きつい其処に、突き立てるように挿入っていく。 高い声と、その瞳。
漂う薔薇の香が誘い起こすのは熱でも欲でもない、遠い日の記憶。
その中に溺れる様に、唯、其の奥に、熱を打ちつけていく。]
………く、ぁ……、そろそ、ろ……出す、ぞ……ッ?
[そうして果てるその瞬間、聞こえた声に。
名前を、呼ぶ、“二つの”声に。]
……――――っ!
[瞳が、揺らぐ。]
(237) 2011/08/08(Mon) 04時頃
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[気付けばジョージの中から己を抜いて、白濁をその腹に、散らしていた。]
……っは、……は、ぁ……っ
[荒い息を吐きながら、何も言わずにジョージから離れる。 衣服を正し、クロゼットからタオルを一枚取り出すと、汚れたジョージの体をゆっくりと、丁寧に拭いていく。]
……すまない、……服を、汚してしまったな。
[ようやく口にしたのは、謝罪の言葉。 唯、その声は、酷く震えていて。]
少し、……外に、出てくる。 ……落ち着くまでは、此処に居ていいから。
[そう言うと、ゆっくりと立ち上がり、扉の方へ向かう。]
(238) 2011/08/08(Mon) 04時頃
|
|
すまない、取り込んでいた。 ……何か用、だろうか。
[扉越しに、声をかける。 名前を呼んだ、もうひとつの声。 耳に心地良い、テノールの声>>234。
――― 何故、今、此処に。]
僕に用があるなら、……場所を変えたい。
[乱れたシーツと、薔薇の香に混ざる、精の香と。 いくら察しの悪い人間が見たって、この空間で何が行われていたかくらい、想像がつくだろう。
だからこそ、あの真っ直ぐな彼を、この部屋に入れたくなくて。]
……構わないか?
[震える声で、問いかける。]
(239) 2011/08/08(Mon) 04時頃
|
|
[行為の最中に名前を呼ばれたくないのは、思いだしてしまうから。 そうして、また一つ、記憶に変えてしまうから。
何時もは忘れてしまう、情事の最中の記憶。 自分が何を囁いたのか、何をしたのか。
腕の中のジョージに、誰を重ね見たのか。
今は、ありありと、思い出せて。
――― 嫌悪感。]
(241) 2011/08/08(Mon) 04時半頃
|
|
とてもじゃないけれど、人を呼べる状態じゃない。 ……すまない。
此処、には。
[ちらと、ベッドにいるであろうジョージに目を向ける。
――― 傷つけて失望させて、其の事を後悔するくらいなら]
誰も、……いない。 僕、一人だけだ。
[昔のように、嘘を吐こうと思った。]
[そうして、また一つ、後悔する。]
(242) 2011/08/08(Mon) 04時半頃
|
|
[扉越しの縋るような声から逃げるように、一歩、後ろに下がる。 大切な友人―― 向こうはどう思っているか知らないけれど ――を傷つけているという現実に、胸の奥が、軋む。
自業自得と、わかって、いるのに。]
……鍵は
[のろのろと、緩慢な動作で後ろに下がる。]
あいて、いるから
[途中、がくりと膝が折れ、後ろに倒れるように、座り込んだ。]
……僕に失望したければ、入ればいい。
[震える掌で顔を覆う。 口元に浮かぶ笑みは、自分自身を嘲り笑うもの。
失望して欲しかった。見限って欲しかった。 心が壊れる事を、*望んだ*]
(244) 2011/08/08(Mon) 04時半頃
|
|
[指の合間から見えるのは、青ざめた顔の同級生。]
……ふ、ふ
[何か力になりたい、と、言ってくれた時はとても、とても、嬉しかった。
けれど。]
ふふ、……ふふ、ふ、は、 ははっ、ははははっ
[唇から漏れる笑いを止めようとせずに、ゆらり、立ち上がる。 空虚な青磁の其の奥に、隠すことをしない、もうひとつの色を秘めて。]
心配しなくて良い。……今に、始まった事じゃない、から。
もう、誰と寝たかすら、覚えていないくらいには、……沢山の人間と、枕を共にしているからな。
[一歩、一歩、歩み寄る。 部屋の中に、足音が、響く。]
(269) 2011/08/08(Mon) 16時頃
|
|
[扉の元まで歩けば、その壁に手をついて屈む。 逃げ道を、奪う様に。
蒼ざめたその顔に自分の顔を近付けて、小さく、嗤う。]
……君は、僕なんかには相応しくない。 僕は、君の友人には、……なれない。
[耳元に唇を寄せ、言葉を落としていく。
はじめからわかりきっていた事を。 フィリパに、教えていくように。
自分に、自覚させていくように。]
(270) 2011/08/08(Mon) 16時頃
|
|
君には君のままで、居て欲しかった。 僕の事なんて知らないで、笑っていてくれればそれでよかった。
……フィリパ、……僕は、君を、壊したくなかった、のに
[震えた声が、喉から溢れて止まらない。 零れる言葉を、止められない。
虚ろな嗤い声が、響く。]
もう、どうでもよくなってしまったよ、全部……。
……だからもういっそ、全部、壊してしまいたいんだ……
[君も、と。 声なく、呟く。
笑みの形に歪んだ唇を、その唇に重ねようと。
そっと、顔を、寄せる。*]
(271) 2011/08/08(Mon) 16時頃
|
/*
ちょっとだけ……
襲撃は直接えろいことをしなきゃいけないのかな〜と思ってたのだけど、そうとは限らないなら、俺襲撃担当でもいいよ〜。ちなみに、セシル先輩、テッド感染させるつもりなんだな〜と思っていた。今日。
候補なら既に薔薇の精と関係持っちゃったルーカスや、芽吹きつつあったセシル先輩を抱いたサイモンかな〜
んで俺は茨に飲まれてあぼ〜んでいいよ〜
どっちでもOK。
|
[柔らかな唇に、触れる。
薄く開いたそこに捻じ込むように舌を差し入れ、その口内を蹂躙していく。 綺麗なものを壊す快感と、広がり続ける後悔の念と。 二つが混ざり合って、頭の中がおかしくなりそうで。 自分を満たすためだけの口付けに、没頭するように。
唇を離し、フィリパの表情を窺おうと、閉じていた瞳を薄く開く。 耳に蘇るのは、名前を呼ぶ声と、震える吐息の音。]
――――っ……!
[急に、ぼんやりとした世界から、引き戻されるような。
そんな、感覚。]
(286) 2011/08/08(Mon) 20時頃
|
|
どうして、……拒まない?
[どくりと、心臓が、鳴る。 シャツの胸元をぎゅ、と押さえながら、フィリパのその身体から、一歩、下がった。]
……どうして、僕を、拒まない? 何故、……?
[泣きそうなくらいに、震えた声で、問いかける。]
(287) 2011/08/08(Mon) 20時頃
|
|
……もう、僕に関わらないでくれ。頼むから……!
[叫ぶように、告げる。
力の抜けているフィリパの腕を掴み、聊か乱暴に立ち上がらせる。 唇を噛み締め、空いた片腕で扉を開き、その向こうへ背を、とん、と、突き放すように、押し出した。
其れから、ベッドに横たわるジョージにも、扉の外を示して。]
……すまな、い、エミルトン。 一人に、させてくれないか……。
[そう、外に出るように促した。]
(288) 2011/08/08(Mon) 20時頃
|
[心を]
[体を]
[満たす熱は]
[薔薇に]
[力を与え]
[粉々の心は、満ちあふれる熱は、果てしない歓喜は、どれも薔薇が好むもの。]
『恋を貰うよ』
『想いを貰うよ』
『君の命の欠片を貰うよ』
[密やかに、つやつやと美しい蕾が結ばれる。]
『君も咲かせればいいよ』
『想いのままに触れればいい』
『その蔦で絡め取って』
『君のものにしてしまえばいい』
[もう一人、煮え切らぬ彼を焚きつけるように薔薇の香りはふわりと香った。]
『それとも、邪魔者を消してしまう?』
[薔薇の精は、おもしろがって。]
だめだよ……
それじゃあ、あの子は俺のにはならないんだ、きっと……
俺は、心もほしいから……
[薔薇の香りへの抵抗は、弱く。]
邪魔者 ?
じゃま、なのかな……
[ぼんやりと呟き。]
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