254 東京村U
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[濡れたような黒髪が、無数の白い指が、 出来の悪い装飾品のように 青年の首に、手足に絡んでいる。]
(112) 2016/10/03(Mon) 19時半頃
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みょんこは、ドリベルのほうを見たまま、絶句した。
2016/10/03(Mon) 19時半頃
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[ もうすぐ ]
(113) 2016/10/03(Mon) 19時半頃
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[幻聴が聞こえた気がして、全身が粟立った。 半面、その勢いで体が動いた。]
ま、 ちょっ…… !
笹本くん!!
[引き止めるように投げた声は、珍しくも声を荒げたものだった。けれど、それも遅い。足早に青年がその場を去る方が早かった。]
(114) 2016/10/03(Mon) 19時半頃
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[あの場から離れたかった。あの場から――テーブルの下、奈落が開き、白い人人が蠢き、その無数の手を伸ばしてきた、夢に似た光景――離れたかった、 だから咄嗟に店を後にした、けれど。 あれはただの幻では、なかっただろうか。すぐ後に全部消えてしまった、あれは白昼夢でしかなかった、のではなかっただろうか。また来た電話だって、全部。全部、 彼女から見た自分の様子は、ただ異常でしかなかっただろう。それは、だが、――それだけが事実なのではないだろうか。それだけが。全て幻で、幻覚、]
…… はは、
[笑う。おかしくて。笑うしかなくて。微かな声で。 ボクは本当に狂ってしまったんだろうか? …… だとしたら、バンド名が洒落にならないな、なんて、 …… 片仮名混じりの文体が頭に浮かぶ …… そうじゃないとしたら? ………… どっちにしたって ……………… どうすればいい? ……………………]
(115) 2016/10/03(Mon) 19時半頃
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……、
[メールが来ているのに、気が付いた]
――――――――――――――― 先輩。 秋葉から話を聞きました。
まだ、電話は掛かってきてるでしょうか? もし、何か あったら、言って下さい
―――――――――――――――
(116) 2016/10/03(Mon) 19時半頃
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――――――――――――――― あれからは、少しも なかったら良かった、んだけど 鬼電ってやつかな
ねえ おかしなこと聞くけどさ ボクは正気なのかな ボクは正気だと思う?
ごめん、ほんとにおかしな事だね ―――――――――――――――
(117) 2016/10/03(Mon) 19時半頃
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[ああ、これこそ、正気を疑われるようなメールだ、なんて思いながら、木露にそんな文章を返信した。白く明るい店内の片隅で。窓外に広がる夜へ入る景色を*見やった*]
(118) 2016/10/03(Mon) 19時半頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2016/10/03(Mon) 20時頃
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(······いけないっ。 泣くの······や、やめなきゃ)
[眉根を寄せた澪音(>>90)の表情に、母の面影が重なる。 反射的に息を止め、涙を堪えようと顔を強張らせた]
······ご、ごめっ······なひゃっ ······ひ
[右手の甲でごしごしと目元をぬぐう]
(119) 2016/10/03(Mon) 20時頃
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[包丁、の一言(>>92)に目を見張る。 そこまで警戒されるとは思ってもいなかった]
そんなっ……ほ、うひょう……なんてっ た、ただ……あたし……は、はなひを……っ。
[ポーチを目一杯開いて中身を見せる。 いくらかの化粧品とハンカチ、ティッシュ、携帯2台。 そして、らくがきだらけの黒い本が一冊。 背表紙には『東京村』のタイトル]
(120) 2016/10/03(Mon) 20時半頃
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[鼻をひとつすすり、はぁっ、と息をついた。 今は泣いてる場合じゃない。 いつもの要領で気持ちを切り替え、落ち着いた態度を装う]
·······いろんなこと、一度にありすぎて。 頭のなか、ぐしゃぐしゃで······ はぁ······ごめんなさい。
本当は、これからホテルにいって、 中でゆっくりお話しするつもりだったんです。 でも、運転手が、帰ってしまって······もうひとりのあたしと。 あたしの偽物と。 なぜか連絡がつかなくて……
だから、どこか近くの、座れる場所に行きましょう。 お任せします。そのほう、きっと安心してもらえるだろうし。
(121) 2016/10/03(Mon) 20時半頃
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[これだけは確認しないといけなかった。 いくら泣かれて、相手が喋れてなかろうと、入間はきっぱりとした口調で、次の指示をする。]
……両手開いて。一周ぐるっとまわってみて。
[確かに、ポーチの中には刃物らしくものはない。 普通の持ち物。中にも黒い本が一冊入っており……もしその本から煙でも出ていようものなら、驚くだろうが。]
(122) 2016/10/03(Mon) 20時半頃
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[澪音の口から零れた言葉(>>92)は、 いつもジリヤ自身が放っていたものだった。 男に対して。祐輔に対して。そして、自分に対して]
(わかる······その通りだよ)
(123) 2016/10/03(Mon) 20時半頃
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……
[ジリヤは鼻をすすって息をつく。 いくらか落ちつきを取り戻してきたようだ。 昔から泣いてる女をみると、妙に冷めてしまうのだ。だから、今はいっそのこと冷静になれて、それがありがたかった。 入間は提案をきき、うーん、と唸る。]
……ありがと。その提案がちょうどいいかもね。
いきなり変なこと聞いて悪かったとおもうけど。 ……もうちょっと、変なこというね?
……さっきここで雪野瀬さん見た。って言ったら、どう思う? フリフリ着てた雪野瀬さん。
今……かなり心配してるのは、そのせいね。
[入間はジリヤの目を見ていった。]
(124) 2016/10/03(Mon) 20時半頃
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…………ヤヘイ。
[身を乗り出して、もう一度、その文章に目を通す。特に1話目を、食い入るようにじっくりと。]
……うぅん……わからん。 何なんだろう、ここ数日。 まるで、あたしたちの方が東京村の世界に入り込んだみたいだ。
[目を通し終わると、後ろへと身を投げ出す。 ソファへと深く身を沈め、ノートパソコンよりも低い目線から足をぶらつかせ、しかめっ面で対岸のキルロイの足をぺしぺしと蹴る。 ふと顔を上げ、思い浮かんだ疑問を口にした。]
でも、アレだね。 これをキルロイちゃん以外の人が書いたんだとしたらさ。 これって、誰視点のお話なんだろね?
(125) 2016/10/03(Mon) 21時頃
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[東京村に入り込んだよう、という照子の言葉にリュックの中にある『東京村』へと視線を向けた。 そう言われると、全ては東京村の執筆を受けた時に動き出したのではないか、そんな事を考えてしまう]
斧男、ではないでしょうね。
[家に侵入し、凶器を持ってベッドの下へと息を殺して潜み、小説を書いて去っていく。 意味不明な存在過ぎて、小説にもならない」
俺、視点なのかなぁ。 これまで書いた小説で、一人称が僕で名前不詳な登場人物いたでしょう? あれ、俺なんですよ。
[蹴ってくる足を自らの足で絡めとるようにして抑え込む。 自分を小説に登場させていた、と告白正直気恥ずかしかった。 しかも、ちょっと設定を盛っているのだ。 自分や友人が体験した話を物語の中で語らせるときに登場させていた]
(126) 2016/10/03(Mon) 21時頃
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[澪音の指示(>>122)に一切の躊躇いもなく、両手をひろげ、 よく観察できるよう、ゆっくりと1周まわる。 脱げと言われれば、いまこの場で脱ぎだしかねないほど従順な態度だった。
ポーチの中にあった本から煙こそ出ていないものの、ほんのりと焦げた香りがしただろう。訳を尋ねれば、ジリヤも若干驚きつつ、話すと長いので詳しくは後で、と説明を一旦保留する]
(127) 2016/10/03(Mon) 21時半頃
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ええっ!?
[澪音の"もうちょっと変なこと"(>>124)を耳にして、 ジリヤは驚きのあまり声を上げ、即座に口を手でおさる。 真剣なまなざしで澪音を見つめ返し、小声で言った]
そっ、それ!! ……それです! あたしの影、偽物、ドッペルゲンガー……!
なにかされましたか?怪我は? ああ……どうして……っ
全部わかりました、納得です! そ、そんなの……怪しまれたって仕方ない!
[あたりを警戒するよう、左右を見渡す]
(128) 2016/10/03(Mon) 21時半頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2016/10/03(Mon) 21時半頃
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へぇー、そうなの?
[思いがけぬ告白に目を輝かせる。]
そうだったら面白いなって思ってたけど…… なんとなく、やらないタイプかと思ってた。そういうの。
[楽しげな顔で、捕まった足を振る。動かない。 やがて観念したのか抵抗をやめ、身を沈めたまま唇を尖らせた。]
でもそれじゃあ、やっぱりキルロイちゃんが書いたって事になっちゃわない? 存在しない時間に、存在しない記憶をもったキルロイちゃんが作ったテキストだ。
[思いつきを、適当に唇に乗せる。 それは願望かもしれない。]
(129) 2016/10/03(Mon) 22時頃
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[入間は「本当は当人がしでかしている事なのではないか」と「白昼夢だったのではないか」の二つの考えの間で、ジリヤにこの話を「へんなこと」として言ったから、ジリヤの反応はひどく意外だった。もっと、電話先で叫び出した時のように「どうしてそんなこというんだ」と怒り出すとか、そんな想像ばかりしていたのだ。]
えっ!?
[それです、と言われて、自分が言い出したのにも関わらず、入間は目を丸くする。]
えと――えっ? もしかして、それが、雪野瀬さんが言ってた 「にせもの」?
ご、ごめん。 アタシ実は、カマかけてたところがあって。 ホントは夢か金縛りかなんかなんじゃないかって――
(130) 2016/10/03(Mon) 22時頃
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んー…… 怪我はないけど。
ご、ごめん……なんかまだわけわかんないから、 あくまでまだ「アタシの夢」のことって形で話しさせて? あ、移動しながらでいい?
[入間は、東口でどこかは入れる店を探す。 二人きりが恐ろしいなら、目的地は喫茶店あたりのほうが無難かもしれない。 入間はつい先ほど、自分が見たものの話をした。 周囲の気配が遠くなって感じ、「らぶらぶにゃんにゃん」を歌うジリヤを見たこととと、額を包丁で切り付けられそうになったことを話した。]
だから……もし本当だったら、怪我してたかもね。 最後に「バチン!」てなって、 その、あなたのいうにせものは消えたんだけど。
(131) 2016/10/03(Mon) 22時頃
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メタホラーをやろうとして没にした時の名残なんですけどね。
[照れ隠しにようやく、メロンソーダへと口を付けた]
まるでドッペルゲンガーみたいな……。
[その用語で、再び昨日であった少女の事を思い出す。 色々な出来事、噂が、交錯し絡み合い、枝分かれしつつも収束していくように感じる。 その中央、奥の奥に潜む闇はいったい何なのだろうか]
出目さん、現状を整理したいと思うんですが話を聞いてもらっていいですか?
[記憶を辿るように、語り始めた]
(132) 2016/10/03(Mon) 22時頃
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ドッペルゲンガーかぁ……。
[ドッペルゲンガーが書いたネタって、掲載していいのか?]
(133) 2016/10/03(Mon) 22時半頃
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デメテルは、キルロイに話の続きを促した。
2016/10/03(Mon) 22時半頃
イルマは、みょんこに話の続きを促した。
2016/10/03(Mon) 22時半頃
イルマは、ドリベルに話の続きを促した。
2016/10/03(Mon) 22時半頃
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まず、昨日の朝に出目さんから東京村執筆の依頼を受けました。 その後に、ヤヘイの事について調べるために新宿駅西口へ向かう。 が、迷って新宿駅新南口に辿りつきました。 そこで同じく、迷っていた一二三少年と遭遇。 道案内をしている最中に、入間さんの娘さんである澪音さんからの電話を受けます。 家に『知らない人間』がいて、両親と名乗っている。本当の両親と連絡が取れないという内容です。 その際に一二三少年と澪音さんがクラスメイトだと判明しました。 入間さんを知ってそうな心当たりに電話して、後程連絡するということで通話を終了。
[そこで一息ついて、ストローを吸った。 クリームはもう全て溶けてしまっている]
(134) 2016/10/03(Mon) 22時半頃
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……カ、カマ?
[言い出した本人が目を丸くする様に、ジリヤは怪訝な顔をした。 訳を聞けば納得し、]
……構いません。 あたしも、最初は夢かと。 夢だったら……どんなにいいかと。
(135) 2016/10/03(Mon) 22時半頃
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[澪音の利き手側に並んで、誘導されるがまま新宿の街を歩く。 喫茶店にむかっているようで、それはジリヤにとってもありがたかった。個室に2人きりになってしまったら、気まずい所の話ではない。
澪音が話して聞かせてくれた"にせもの"の目撃談。 空色のステージ衣装。歌う曲。 凶器での攻撃。そして謎の破裂音。 細かな違いはあるものの、ジリヤが体験したドッペルゲンガー現象と酷似しているようだった。]
(136) 2016/10/03(Mon) 22時半頃
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……たぶん、間違いないです。 それ、あたしの"にせもの"…… ドッペルゲンガーです。
あたし、殺されかけて……2人も人が死んで。 だから、澪音さんが見たっていったとき、 ほんとにびっくりして……。
[例の本が入ったポーチを手で触れながら、 そっと心の中で礼を言う]
(137) 2016/10/03(Mon) 22時半頃
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[一区切り聞いて、何とも言えない微妙な顔になる。]
李沢くんと遭遇したの、そんなに最近の出来事だったんだね。 そのときに偶然、事件に巻き込まれた女の子から電話がかかってきて、 しかもそれが偶然道案内をしている少年のクラスメイトだったと。
いやぁ……。
[偶然のオンパレードだ。ありえるのだろうか、そんな事。 木露がストローを離したところを見計らって、緑色の濁ったグラスを手に取り、甘さの権化のような物体をつるりと胃に流し込む。]
(138) 2016/10/03(Mon) 23時頃
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[その言葉を聞いた時。 あまりにも自然にそれが聞こえて、ふりかえって聞きかえした。 現実感が――わかないことは、なかった。 なぜならいやにリアルに夢で殺されかけたばかりだったから。]
し……、……死んだ?
[入間が選んだのは、仕事中の大人が多そうな喫茶店だ。 店先でジリヤの顔を見て、やや顔を青くする。]
(139) 2016/10/03(Mon) 23時頃
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[店内に入り、入口で店員ひとりを捕まえた。 どうやら二人掛けの席があいていそうだ。]
……つまり、アタシが見た夢……夢?夢……うーん…… それを、あなたも見たことがあるってこと?
[それはそれで非現実的になってきた。 入間はわけがわからないといった様子で、これを現実として認めていいのかに戸惑っているようだ。]
(140) 2016/10/03(Mon) 23時頃
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― 午後:新宿のある喫茶店 ―
[店員が来て、席に案内される。 二人掛け用の小さな机と、椅子がひとつづつ。 入間は向かい合わせになって、ジリヤの表情を、改めてまじまじと見ている。]
(141) 2016/10/03(Mon) 23時頃
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