308 【R18】忙しい人のためのゾンビ村【RP村】
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……全部が終わったら、 みんなで綺麗な空を見てみたいにゃあ。
ゾンビの心配もなく屋外で食事すんの。 大切な人と生き残れた人はその人と。
だめだったやつは、 だめだったやつと肩でも寄せ合って。
楽しそうじゃない?
(85) 2020/10/23(Fri) 21時半頃
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[そんなことをしても、 ”三人”の時間は決して戻ってこないけれど。]
(86) 2020/10/23(Fri) 21時半頃
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そん時まで、皆、元気で 黒猫クシャミの生放送、でしたーっ。 きてくれたひと、ありがとねー。
[世界の終わりに似つかわしくない笑い声をあげて、 猫耳フードの男は生放送の配信画面を、閉じた。]*
(87) 2020/10/23(Fri) 21時半頃
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[デパートの中、
空が見える大窓の傍に座り込んだまま、
俺はSNSの画面を開く。
届いていたコメントに目を細めて、
心もとない充電で取り急ぎ返信を打った。]
@_SneezeΣ:3X 謎の猫X
ヴィオラ
どっちでも無いかあ……
法律で裁くのは難しそうだよなあ
となるとあとは、人に許されるかとか、
自分で自分を許せるか?って話になってきそう
それが一番難しいんだけど
でも、ありがと。
秋葉原で店? いいね、行ってみたい。
ヴィオラの顔もしらないけど、
きっと一緒に飲んだらうまいだろーな。
@_SneezeΣ:3X 謎の猫X
配信に来てくれた人、ありがとうございました。
少しでも参考になったなら幸いです。
どうかみんな、ゾンビになりませんように
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[昨日一日中パパが心配で、ママの手を握ってリビングのソファーに座ってた。 またに、簡単に食べられるタマゴのサンドイッチを作ってくれたけど、あまり食欲はなかった。
やっとパパの顔を見れたのは、夜遅くだった。 友人さんと2人で帰ってきた。 街には、既にゾンビが現れてて人々を襲っているって。 パパの友人さんは奥さんとはぐれてしまったから、家で一晩だけ休んで、また明日出ていくらしい。
家族と離ればなれ…。 わたしも そうなったらどうしよう。
そんなわたしに気付いたのか、ママにもう寝るように言われて、そうする事にした。
一瞬空に浮いたパパの手。 きょとんとしているわたしの頭をぽんぽんして、笑顔でおやすみなさいって言ってくれた。
その時わたしは、 パパのシャツの下の包帯には気付かなかった。]
(88) 2020/10/23(Fri) 21時半頃
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[―――――ぷつり、と、
充電切れのスマホの画面が暗転する。*]
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[次の日。
朝起きて、また付けっぱなしのPCの電源を落とそうとして目に入ってきた>>2*33言葉。
"皆、どうか悔いのない選択を。"
大豆畑の、写真の人…? わたしは目を瞑って、左右に首を傾げたけれど 答えが出なくて]
悔いって…どうしたら、しないで済むんだろう…?
[パパとママと。 パパの友人さんと、奥さんと。 それから、世界中の人が無事でありますように。
早くゾンビから世界が救われて、また『日常』に戻ります様にって
お祈りすることしかできなかった。]
(89) 2020/10/23(Fri) 21時半頃
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[ビーフって書いてある。 アンケートの結果が出たみたい>>2*44 カレー食べたくなっちゃった。goodボタン!
日本のこみるりさん。 『わたし』って書いてあるけど>>2*47 大丈夫かな?投稿してるってことは、まだ元気なのかな?なんて思っていると、
お知らせがある事に気が付いた>>3*3 まさか知らない人からお返事がくると思わなかったから驚いた。 それが、SNSのいいところでありドキドキするところなんだよなぁ。
わたしは椅子に座って、キーボードを打ち始めた。]
(90) 2020/10/23(Fri) 21時半頃
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フローラ
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ワットさんへ。
お返事ありがとうございます。
自慢のパパなので、勇気があるって言ってくれて嬉しかったです。昨日の夜、友人さんと一緒に帰ってきました。
お祈りありがとうございます。
ワットさんの家族もずっと健康でありますように。
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[健康をお祈りするのは世界共通だよね? と不安になりながらも返信してみた。
ちゃんと届くかな?]
(91) 2020/10/23(Fri) 21時半頃
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[部屋から出て、真っ直ぐ暖炉へ向かう。 目の端に、キッチンでなんだか慌てたパパが見えた気がして、視線を移すと笑顔で「おはよう」って声を掛けられた。
気のせいだったかな?と思いつつも、暖炉に火を付けたらキッチンへ。
パパの友人さんはもう出発した後だったみたいで、姿が見えなかった。そりゃ奥さんとはぐれたんだもん、心配だよね。]
(92) 2020/10/23(Fri) 21時半頃
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[朝からご飯が豪勢だったのは気のせいじゃないよね?]
もう食べきれないよぉ!
[冷蔵庫に入れれば日持ちするわよ、なんて笑ってた。 変なママ。
食事が終わると、パパが急にガレージから段ボールを引っ張り出してきて、ホームビデオ大会が始まった。 パパも変なの。
昔の自分たちの姿に、初めて見た赤ちゃんのわたし、そしてわたしの知らない新婚のパパとママ…。
見ていたら、懐かしくて、笑いが止まらなくて。 気が付いたら夜遅くまで見てた。]
(93) 2020/10/23(Fri) 21時半頃
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[「この箱の全部見るぞ!」と段ボールの山を指差して。
急にどうしちゃったの?と思ったけど、学校にも行けないし外にも出れなくてやる事が無いから、パパなりのアイデアだったのかも。 ママも何だか張りきってお料理するもんだから、冷蔵庫の中パンパンで、わたしのお腹もパンパン! …ちょっと太っちゃった。
ホームビデオ大会は何晩も続いて……]
(94) 2020/10/23(Fri) 21時半頃
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[朝、目が覚めたら
パパとママの姿はなかった*]
(95) 2020/10/23(Fri) 21時半頃
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[ 振り返ると、そこには口元を真っ赤に濡らした、女。 喉の奥がヒュウと音を立てた。]
──あ、あ、あ。
[ 鳥のような鋭い鳴き声を上げて、猫は走り出す。]
や、アーサー、待って。
[ それを見て私も弾かれたように後を追う。 "そいつ"は思ったよりも遅かった。 猫の後を追いかけ、追いかけ、気づいたら。]
アー、サー、まっ……
[ 小さな小さな猫を、私は見失った。]
(96) 2020/10/23(Fri) 21時半頃
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[健司たちの住むところからは、 通常でいけば、車で大体2、3時間といったところだ。 しかし、やはりこの混乱の最中だからだろうか。
今から出発する、と連絡がきてから、 予定の時刻を過ぎてもなかなか到着する気配がない。 家の近くで車のエンジン音が聞こえるたびに 外へと飛び出して確認するが、 どれもこれも、 健司たちが乗っているものとは違う車だ。
連絡を待ち、時折スマホを覗いたりして まんじりとしないまま夜が明けた。 翌朝のニュースでは>>#1>>#2 事態はおさまるどころか、世界中、 さらに悲惨なことになっているのが見て取れた。]
(97) 2020/10/23(Fri) 22時頃
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[ 全身が悲鳴を上げている。 気づけば私はビルの隙間の路地にいた。]
う──あ──うあっ──
[ 息を整えようとするが、嗚咽になってしまう。 猫はどこに行ったんだろう。 声を出してはいけない、だってあいつらが。]
──! ───! ────!!
[ 嗚咽を噛み殺しながら、まだかろうじてポケットに 入っていたスマホを出した。]
(98) 2020/10/23(Fri) 22時頃
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[ニュース映像の中の黒い煙と呼応するように 心のうちに次から次へと不安が暗雲のように 垂れこめる。
何度電話をかけてもつながらない。 健司も、美香さんも、二人とも。
それに、一度断ってはしまったが、 どうしたって気になって、 沼太郎や八重ばあさんの家にも電話をしてみた。
こっちも、誰もでやしなかった。 気にはなるくせに、 それぞれの家まで様子を見に行く気には どうしてもなれない。
俺自身、こんなにも小心者だったのかと この歳になんてようやく気が付くなんて。**]
(99) 2020/10/23(Fri) 22時頃
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みょんこ @myon_cat
──────
家が火事になりました。
アーサーを連れて出たのですが、
私の不注意で行方不明になってしまいました。
写真の茶白の雑種です。
どなたか見かけた方は、当アカウントか
(電話番号)までご連絡ください。
どうか、お願いします。
[ アーサーの全身がわかる写真を添付。]
[ 投稿ボタンを押して、タイムラインを更新して気づいた。]
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[ SNSを更新して、気づいた。 噛まれた後しばらくして消息を断ったアカウント。 人を殺したかも、というアカウント。 不穏な文字列から更新がないアカウント。 動く死体のムービー。
自分にはどこか遠くのことだと思っていた。 しかし、こんなにもすぐそこに迫っていた。]
何…これ……
[ アーサーは戻ってこない。 壁に背をつけたまま、私はずるずると座り込む。
インターネット越しの絶望から私を支えてくれてた 小さな猫は、今はいない。]
(100) 2020/10/23(Fri) 22時頃
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[ 、、。
この情報を求める発言を検索し、
何も言わずシェアする。
情報が欲しいのは自分なのに。]
みょんこ @myon_cat
──────
アーサーが心配。
火事もどうなったかわからない。
消防は現在電話が繋がりませんでした。
こちらは大田区です。
[ こちらも情報を投稿する。
普段なら絶対にやらない行為だ。
最後に、「助けて」と打って──削除した。
私なんかよりずっとずっと大変な人がいるのに。]
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[兄貴と、家に籠ると決めてから4日が経った。 外を歩き回る不穏な気配は日に日に増えていったけど 頑丈な雨戸は凹みこそすれ、壊れることは無かった。
食料だって、ゾンビ騒ぎが出始めたころに 兄貴が買ってきてくれたのが、まだ沢山残って居た。 元々、家に備蓄されていた冷凍食品や カップラーメンにも猶予があって。 このまま乗り切れるんじゃないかって……]
[そう、思っていたのに。]
(101) 2020/10/23(Fri) 22時頃
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[ 涙が止まらない。 心細い。 スマートフォンを握り締めてそのまま膝に顔を埋める。
家もあの火事では少なくとも無事ではないだろう。 今日の寝床を探したいが、ホテルはあるのだろうか。 そんな思考の渦を、声が切り裂いた。]
「あ"あ"ぁ……」
[ びくりとその方向を向くと、そこには──]
う…えぇ……
[ 大柄な男。 その首はひしゃげ、腕は曲がり、血に塗れている。 私は、その姿に見覚えが、ある。]
(102) 2020/10/23(Fri) 22時半頃
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いやああああああああああ!!!!!
[ 私はそのまま転がるように走り出す。 それは、朝、落ちてきた男だった。]
(103) 2020/10/23(Fri) 22時半頃
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