308 【R18】忙しい人のためのゾンビ村【RP村】
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[ そういえば結局、親にメール送れてなかった。]
(78) 2020/10/22(Thu) 21時頃
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[海を越えた先で助けを求める声があるのに、 怖ろしさを抱えながらも母を想う声があるのに、 どうしてすぐ傍に安全があると信じられようか。
西へ向かう彼らだって、ニュースくらい見ているだろう。 それでも尚、何かに縋りたいのかもしれないし、 移動規制がかかる前に遠ざかりたいのかもしれない。 この後もニュースが続く保障だってないのだし。
行き先に正解がないのは、ルパートの時と同じだ。 だから自身は彼らを止めなかったし、 彼らも残る自身を否定しなかった。]
(79) 2020/10/22(Thu) 21時頃
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[ 尻餅をついたから、一度家に帰ろう。 ストッキングも破れたし、服も泥がついた。 いいや、今日有休使おう。 そう考えながら私はマンションへ足を早める。 後ろでパトカーがワンワンうるさい。
歩きながら、自分を落ち着かせようとSNSを開く。]
(80) 2020/10/22(Thu) 21時頃
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……ああ、そうだ。
[運よく戻った言葉を忘れない内にとニュースを消した。 文字を打ち終えると、右上に表示される赤に気づく。 ふむ、と口髭を揺らした。
昔と比べ使用頻度が落ちたせいか、充電を忘れがちだ。 きっと夜まで保たないが、 充電器を取りに店を空ける訳にはいかなそうだった。 心許ないそれを胸ポケットへ仕舞う。 何かあればパソコンがある。滲む不安に言い聞かせた。]
(81) 2020/10/22(Thu) 21時頃
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『abbiocco』マスタ
皆、どうか悔いのない選択を。
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[昨夜、寝る前に。
寝床に入ってからスマートフォンを取り出して、
俺あてに返って来ていたコメントと、
それから見かけた投稿にコメントを。]
こみるりさん
お子さん、だったんですね。
まだ小さい子なら、主張が通らなくて
噛んでくることは、よくありますよね。
痛いのが早く、なくなりますように。
黒帝會さん
1.の牛が、美味しいと、思います(^▽^)/
[それから、俺が送った南瓜の写真は
ちゃんと届いていたのだろう、
goodの通知が来ていることに
にんまりと笑みを浮かべ、SNSを眺めていたら
いつの間にか寝入っていたのだった。]
みょんこ @myon_cat
──────
めっちゃショッキングなことに遭遇したので
今日は家にいる日とする。
[ 何があったか細かいことは書かないが、
本当は誰かに聞いて欲しい。
でもそれは書かない。大人だから。
それにできるだけ他人と距離を保ちたいのだ。
だって『実感』したら───
───1人で立てなくなるから。]
[だから、そのあとに続いていた、
噛まれたという投稿主のその後の投稿は、
まだ見ていない。**]
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[それから、元帥と色々情報共有をした。
まずカップ麺等手軽に食えるものが店から消えた。 スーパーからもコンビニからもドラッグストアからも。
軽くパニック状態になった人々が揉み合って けが人もいくらか出ているらしい。
……やべーな。食い物の備蓄どれだけあったっけ。 こんなことならラーメンも無駄にするんじゃなかった。]
(82) 2020/10/22(Thu) 21時頃
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「ネットじゃ、安全地帯を作り上げて そこで当面暮らした方がいいなんて話まで出てる ……お前も気をつけろよ」
[元帥は気だるげに手を振って、持っていたレジ袋から スナック菓子を一つとりあげると、ぽいと俺に渡した。
…………ありがと、以外の言葉がでなかった。 それもひどく小さい。
過るのは昨日の進の様子だ。 ――爪でえぐられた、って言ってた。 俺はやっぱり少しの間逡巡して、 人込みからはずれた花壇に座り込む。
いつもより何倍増しもトロい指先で、 進にメッセージを送った。]
(83) 2020/10/22(Thu) 21時頃
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「From 串谷秋 昨日は、悪かった。 その、色々騒ぎが起きてるけど大丈夫か?」
(84) 2020/10/22(Thu) 21時頃
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[返信はすぐにあった。]
(85) 2020/10/22(Thu) 21時頃
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「From 成宮進
まだ大丈夫。
会いたい。
いつもの公園で待ってる」
*
(86) 2020/10/22(Thu) 21時頃
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[ 夕飯も済んだころだったわ。 また玄関のチャイムが鳴った。]
(87) 2020/10/22(Thu) 21時半頃
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Nana
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『abbiocco』マスタ
アドバイスをありがとう。
そちらはまだレストランも開けていて?
明日にでも見に行ってみるけれど、
こちらはもう期待できないかも。
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[ 子どもたちにリクエストを聞くのはやめた。
限られた食材を使って、 おなかが膨れるような料理を、なんて、 今まで考える必要もなかったのにね。
ノーリーンと頭を悩ませながら、 できるだけ食材を温存することにしたの。
子どもたちも少しは落ち着いたようだったし、 あれから何者かが扉を叩くこともなかった。 犬たちだって、あまり無駄吠えはしないのよ。
オッドはまだ子犬だし、 きっと何かの気配におびえてしまっただけ。]
(88) 2020/10/22(Thu) 21時半頃
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[ それでもどこか息をひそめるように、 夜の時間を過ごしていたのね。
テレビをつけると物騒なニュースばかりで、 子どもたちが怖がってしまうから、 わたしやノーリーンやジャーディンは、 もっぱらスマートフォンで情報を集めたわ。
SNSの投稿についていた返信に、 相変わらず拙い手つきで返事をしたころだった。
玄関のブザーが鳴らされたのね。 わたしたちは咄嗟に少し身を固くしたわ。
恐る恐る立ち上がったわたしに、 ジャーディンは黙ってついてきたわ。]
(89) 2020/10/22(Thu) 21時半頃
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[ そうっと扉の向こうを覗いたの。 そこに立っていたのは、お隣のご主人だった。]
(90) 2020/10/22(Thu) 21時半頃
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[ 彼は穏やかに笑みを浮かべて、 けれどどこか緊張したような面持ちで言ったわ。
こんばんは、エドワーズさん。 こんな折に突然申し訳ない。 ご相談したいことがあるんですが、 少し中に入れて頂くことはできませんか
ご主人の後ろには、お隣の奥さんや息子さん、 それに見覚えのない男女も立っていたの。
歩いたってものの5分もかからないでしょうに、 うちの前にはお隣さんの車がつけられていた。 よほど襲われるのを警戒しているんだわ。
うちにも来たくらいだから、 もしかするとお隣さんにも被害があったのかも。]
(91) 2020/10/22(Thu) 21時半頃
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ええ、もちろん。 こんなときに立ち話なんてとんでもないわ。 どうぞ中へ入ってちょうだい。 ……ところで、後ろのお二人は?
[ 見慣れない男女に視線を向けると、 奥さんが自分の弟夫婦だとおっしゃったわ。
普段は別の町暮らしているけれど、 このあたりの住宅街と違って、 そこにはろくなセキュリティもないから、 お隣さんのところへ避難してきたというの。
そういうことならとわたしは納得して、 彼らを家の中へと招き入れたわ。
後をついてきたオッドが吠えようとするのを、 ジャーディンがしいっと叱っていた。]
(92) 2020/10/22(Thu) 21時半頃
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[ ご主人が言う相談というのは、 この状況下で協力しないかということだったわ。
やっぱり彼らの家にもアレは来たというのね。 それで、いよいよシリアスに考えたのだと。 近々食糧に困りそうなのはお互い様だったけれど、 何があったときに人手は多いほうがいい。
うちは塀なんかも頑丈なつくりだし、 お隣さんは働き盛りの男性が3人もいる。
要はうちをベースにして、 状況が落ち着くまで共同生活を送ろうということね。
願ってもない申し出のように思えたの。 ノーリーンも賛成してくれたわ。 私たちの返事を聞いて、 彼らは一度、荷物を取りに車に戻った。]
(93) 2020/10/22(Thu) 21時半頃
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[ そのとき、 ノーリーンの旦那さんのことが頭をよぎったの。]
ねえ、ノーリーン。 旦那さんから連絡は?
[ ノーリーンは悲しげな目をして首を横に振った。 それが、連絡が取れないままなんです=@]
まあ……、
[ ひどく不安そうなノーリーンに、 わたしはなんと言ったらいいかわからなかったわ。
安易な慰めはときに人を傷つけるだけだもの。 わたしにはただ黙って、 そうっと背をさすってやるくらいしか。 少しの間そうしていたわ。扉ががちゃりと開くまで。]
(94) 2020/10/22(Thu) 21時半頃
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[ あら、お隣さんたちが戻ってきた。**]
(95) 2020/10/22(Thu) 21時半頃
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ワットは、ビアンカの犬の写真は可愛かったな、と思った。
2020/10/22(Thu) 21時半頃
ビアンカは、マスタの店に思いを馳せた。
2020/10/22(Thu) 21時半頃
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[もし選択に正解があるとするなら、 それは死ぬか生き残った時にしか分からない。 ならばせめて、望むままに生きたい。
それが他人を脅かすものでないのなら、 考え方のひとつであってほしいと願う。]
やはり今日は少し冷えるな。
[カウンターから出て薪ストーブに火を入れると、 徐々に”彼女”の髪によく似た赤が大きくなる。 天へ伸びる煙突からは灰色が立ち上っているはずだ。]
(96) 2020/10/22(Thu) 22時頃
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『abbiocco』マスタ
Nana
私の店は開いているよ。
西へ向かう車が増えたようで、客足もそこそこあった。
おかげで随分と在庫が減ってしまったよ。
数日保てば最高かな。最悪大豆を拝借するしかない。
アテがないなら息を潜めるのも手かもしれない。
どうか、君が空腹に泣くことのないよう。
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――回想――
[滑り台の上に登って空を見上げるのが好きだった。
空が近いねえ、と幼馴染の進と言い合って その頃はまだ小さかった手を、 オレンジ色の空に伸ばす。 滑り台を登ったり滑ったりしながら、 俺達はいろんな話をした。]
(97) 2020/10/22(Thu) 22時頃
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マスタは、ビアンカの近くの店が幸運にも開いていることを願った。
2020/10/22(Thu) 22時頃
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『しょうらいの夢なにって せんせーにいわれたけどわかんないや。 みのるはなにになりたい?』
おれね、ヒーローになってみたい。 かっこいいじゃん
『あー。なれるよ、おれたちならきっと。』
そうだな。2人で世界をすくってみせる。 さらもまもれるぞ! 『あはは、あいつすぐ泣くからなあ。』
すすむはけっきょく何になりたいんだよ?
『んー、やきゅうせん…………あー、うん』
(98) 2020/10/22(Thu) 22時頃
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『おっきくなっても、みのるとさらが、 おれとともだちでいてくれたらいーや。』
[幼い進は、俺に向かって笑ってそう言った。]*
(99) 2020/10/22(Thu) 22時頃
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――公園――
[待ち合わせの時間までに俺はいくらか店を回った。
ネコ元帥に言われた通り、 食べやすいものから品切れになってしまっていた。 残っていたスナック菓子を買ってはみたけど これで一体どれだけもつか、っつー話よね。
水さえありゃ人間なんとかなるとも聞いたので 念のためにいくらか水も買い足して 荷物をまとめて一人暮らしの家に押し込めた後、 「いつもの」公園に赴く。
俺と進と一緒に、小さい頃よく遊んだ公園は 今は人通りもなくがらんとしている。 その中で、ぶおん、と 素振りをする音だけが響いていた。]
(100) 2020/10/22(Thu) 22時頃
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……何してんの、お前
「あ、秋。来てくれた。……よかった。 いや、集中してないともってかれそう…… じゃなくて、昔を思い出しちゃって」
腕、傷あるんじゃねえの……無理すんなよ
「あははー。心配してくれんの。秋らしくねえの」
[からかうような声にうるさいと返してベンチに座る。 少し迷ってから 一本のオレンジジュースを進に投げ渡した。 もう一本、自分用に買っていた缶の栓をあける。
進は素振りをやめて、 高校以来使ってないはずのバッドを落とすと オレンジジュースの缶を持ったまま 器用に滑り台にのぼり始めた。]
(101) 2020/10/22(Thu) 22時頃
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