191 忘却の箱
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―廊下―
―――……
[ 沈黙。
男は瞼を伏せたまま、音の余韻に浸っていた。 飽きもせず繰り返したフレーズは一体、何処の誰まで届いただろう。 ご飯を食べてから書庫に行くまでの間に、何処かの少女>>3が演奏を聴いていたかなんて知る由もない。
観客と呼べる観客のいない箱の中では白い壁と低い天井が旋律の存在を運んでくれる。 ――この音が誰かの耳に届いて、何かを感じてくれればいい。
瞼の裏には、目的地までの足取りを止めたまま路上で演奏を聴いてくれた、かつての観客の姿。 芸を終えた男に、拍手を。 両腕を広げてお辞儀をする。]
Grazie………またのお越しを…
(6) 2014/09/02(Tue) 02時頃
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[目を開ければ、そこには白い床と空っぽの袖があった。 緩慢な動きで伸びをすると、ようやく男の鼻にも冷めかけの料理の薫りがたどり着く。]
あれっ、もうそんな時間? 朝食の時間…うわ、もう大分過ぎてる… それも…まぁよし、かな!
[時間が経つのを忘れる程集中出来たということ。 男はポジティブだった。
ベンチの下から空っぽのケースを右足で引き摺り出して、アコーディオンをしまい*始めた。*]
(8) 2014/09/02(Tue) 02時頃
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/* ご挨拶が遅れました。 はじめまして、村建て様席をお借りさせていただき感謝します。
プロローグ中全然来れずに申し訳ないです…特にサミュエルさんなんてメモすら返してなくて… 一日目から…頑張る…! (ここまでプロに投下しようとして間に合わなかったから今貼ってる)
そしてセシルさん挟んでしまってごめんなさい 連投すると、高確率で誰かを挟んでしまうのですが…対処方は…あるのでしょうか…
(-0) 2014/09/02(Tue) 02時頃
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―廊下―
[ カチリ。 アコーディオンの箱の鍵が閉まる。
箱の側面から伸びているベルトを右肩に引っ掛けて、持ち上げた。 ギシリとベルトが鳴くと共に、上半身のバランスが左に傾く。]
さて……行こう
[左に重心を傾かせながら、男は食堂に向かう。*]
(22) 2014/09/02(Tue) 12時半頃
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[食堂へ向かう道中。 反対側から近づいてくるスリッパの音>>21が聞こえた。]
や、サミュエル
[すれ違い様、何度か会った事のある知り合いに微笑み掛ける。 手を振ろうと左腕を――…あ、無かったんだ、忘れていた。
少し気まずそうに逸らした視線は、無意識のうちに彼の左手へ。 右手と見比べると、指の形が少し異なっているようだ。マメもある。 そういえば、彼は楽器をやっていたっけ。 記憶を掘り返す為に暫く凝視していたものだから、もしかしたら相手も視線に気がついたかもしれない。
相手が軽い挨拶がてら立ち止まってくれたのなら、音楽談義花を咲かせる*つもり。*]
(23) 2014/09/02(Tue) 12時半頃
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[相手>>25の肩からぶら下がっていた左腕が振られる。 凝視していた視線はその動きを猫のように追い掛けた。 突拍子もない冗談には思わず相手の顔を見て、目を瞬かせたけれど。]
………ふ、
[まず最初に唇から空気が漏れた。 眉尻を下げて、目元が弧を描く。 顎を引いておかしそうにクスクスと…男に左腕があれば、口元にあてがわれていたかもしれない。
表からは見え辛いけれど俯き加減に喋る相手は、自分より2つ年下の"青年"だと実感した。 うん、ちゃんと面白いよ。
足を止めてくれたのを見れば、男と会話をしてくれるようだ。 ニコニコと笑みを浮かべたまま「あの音」について首を傾げてから、右肩から下がる箱をポンと叩いた。]
(29) 2014/09/02(Tue) 15時頃
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………?あぁ、アコーディオンの事かな。 ふふ、君にも聞こえていたんだね。
…確か、君もやっていたよね…コレ……えーと、ギター! 僕も君の演奏を聴いたことはあった…はずだ
[音の感想を男からは聞いた事が無い。 それは本人が抱えてくれればいい。
そんな事よりも、だ。 右手でギターの弦を弾く真似をしながら相手に問い掛ける。 話をしながら、男の耳には彼の奏でるギターの鋭さが思い出される…*…ような。*]
(30) 2014/09/02(Tue) 15時頃
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[安堵の息を吐いた後に続く会話>>31>>32には「うん、そっか」などと、嬉しそうに顔を綻ばせる。
ふと、彼の瞳に落ちる影。
…このサナトリウムにいる人達は会話の最中に、彼のように表情が翳ることが度々ある。 何が切っ掛けになったのかは分からないが、まさに彼は
頷く。
"聴いてくれてたよな?" 唇を震わせて、笑う。
男はただ、静かに、少し眉尻を下げて微笑むだけ。 揺れる 眼の奥に映った男自身を 見る。]
(45) 2014/09/02(Tue) 20時頃
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………久しぶりに、君と弾きたいな。 朝食を摂ったら君の部屋に行ってもいいかい? ここのところ話す機会が無かったものだから…"久しぶりに"…ね。
[明確な答えは口にしなかった。 穴だらけの会話に彼は、何と答えるだろうか。
首肯したとしても断られたとしても、当たり障りのない会話を少し交わしてから男は食堂へと*向かうだろう。*]*
(46) 2014/09/02(Tue) 20時頃
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―中庭に繋がる廊下―
[サミュエルと別れた後、食堂への廊下を一定の足並みで進む。
…――ザァッ。 外の、草の、土の匂い。 色素の薄い髪の毛を乱す風に、思わず両目を瞑った。 風が運んできたものは、]
………声…
[足を止めて顔だけを窓の外>>44に向ける。 聞き覚えのあるフレーズは、男も好きなものであった。 庭の片隅にチラつくブロンドと風に舞う鮮やかな点を視界に収めながら、男もまた口ずさむ。]
……―――――
[それは男にしか聞こえない小さなものであったが、彼女の旋律に重ねるように。決して、彼女の唄の邪魔をしないように。]**
(57) 2014/09/02(Tue) 23時頃
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―食堂―
[中庭から貰った鼻唄を連れながら、見えたのは「食堂」の目印。足を踏み入れた瞬間、料理の香りが一際強く漂う。すぅっと、ゆっくり息を吸い込んで、吐く。
唐突に背後の廊下、それも結構遠方の方から、食堂の談笑に太鼓のような音>>74が聞こえた。鼻唄を止め、弾かれたように振り返る。 リズムの無いそれは…誰かが苦しんでいる音だろうか。]
………コリーン、ミッシェル、オスカー…シーシャ……
[…誰だろう。 名前を覚えているうち、激情を持ち合わせている人を声に出して復唱した。もし会えたのなら、話でも聞いてみようか。 すぐには向かわない。 男にとっては喧騒さえも愛しい日常だったから。
ようやく食堂に足を踏み入れて、カウンター横の砂糖とミルクを右手の袖の中に入れる。 皿に乗った料理とコーヒーを同じ手に持って手頃な席を探し始めた。]
(105) 2014/09/04(Thu) 00時半頃
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[何と無く知り合いを探してウロウロしていた所、大柄な男性>>99の背後を通り過ぎた所で数歩後ずさって二度見をした。 だって彼の皿の上に、パンとは思えないキューブが陳列していたから。 興味を惹かれてソワソワしている男を、もしかすると相手は気がついているかもしれない。
考えるよりも先に、彼の皿の隣に自分のプレートを並べる。]
食事中に失礼、君のお隣に座っても?
[ちょうど相手がスープに口を付けた時>>100であった。 答えを聞く前に席に着いたのなら呼吸を止めたような相手を覗き込もうとして]
……もしもし?
(106) 2014/09/04(Thu) 00時半頃
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[不気味な程静かに消えてしまう自身の記憶に疑心を抱く事はあれど、サナトリウムに来てから出会った人達の名前を忘れた事は、未だかつて一度も無い。
だから、覗き込んだ相手の顔>>110が始めて見たものであることもすぐに分かった――だって凄く印象に残りそうな顔だもの。 控えめの肯定に「ありがとう」と微笑む。
トン…。 椅子の上に箱を置いて、肩からベルトを外した。 コーヒーの入ったマグに指を引っ掛けた時、どこか間延びした声、左腕に…視線。 すぐにはそちらに顔を向けず、黒い液体をそのまま一口。]
………苦いや。
[じんわりと広がる独特の風味。 困ったような笑みを浮かべた。
此方の料理を見やって言葉を掛けてくれる相手にはふにゃりとした表情を向けた。]
(134) 2014/09/04(Thu) 21時半頃
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ううん、辛味は結構だよ。甘党でね。 君のお皿の方が…調味料以外にも足りない物が多いようだけど。
[自分の物ではない皿の上には、礼儀正しいパンの列とカップに注がれたスープのみ。 皿から、黒髪が掛かった横顔に視線を移す。 相手>>111はスープを飲んでいる。 時折、そうするのが義務のようにパンを捏ねては積み上げる。 此方をチラチラと伺いながら。
そんな様子を、男は無遠慮に眺めていた。 右手のフォークは料理に向かうことなく、男の手の中で複雑な軌道を描いて遊んでいる。]
僕の左腕に…思う所でもあるかい?
[食事中ずっとチラ見をされるままというのも落ち着かない(自分の事は棚上げだが)。 柔らかな口調で問いかけた。]
(135) 2014/09/04(Thu) 21時半頃
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/* 4日目までは自分を出し過ぎないキャラクターで行きたいと思っています。そして死ぬ前になってようやく個性を出していきたいなと… こういう毛色の村は初めて入るので、動き方に一抹の不安がありますが(震え声) 絡む方のキャラクターを!引き出す!ロルが回したいです安西先生……
(-26) 2014/09/04(Thu) 22時頃
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