―卒業式後・教室―
そう、今から行くのね。私はここで待っているわ。
[HRも終わった後の教室は閑散としている。クラスメイト達は憧れの先輩と写真を撮るためとか、ボタンを貰いに行くとか、花を渡しに行くとかで半数以上がいなくなった。
愛里から部室に行くと聞けば、1つ頷く。本当は着いて行きたいけれど、こればっかりは自分が行っても邪魔でしかない]
愛里…………
[一度、教室を出ようとする愛里を呼びとめる。視線が合えば微笑みかける]
行って、らっしゃい。
[自分の想いに決着をつける愛里へ向ける言葉はとても簡潔なもの。
『頑張って』とは言えなかった。
愛里はもう頑張っている。これ以上ないくらいに……――――]
あの……いつでも、何かあったら連絡してね。
[最後にそう紡いで、愛里が出て行き、完全に扉が閉まるまでをただ見つめていた]
(@18) neige 2011/03/03(Thu) 23時頃