-day#1 御渡市内・住宅街 ->>28,>>34>>35,>>99>>100
[ 合流した四人で、互いの知る状況と情報を交換していく。
私から出せる価値のありそうな情報は、考えてみればさほど無かった。
精々、何か知識を持っているかもしれない人物として『月刊レムリア』の記者であり"Aqua Vitae"のオーナー、ニコラスの名を出したかもという程度。御渡神社の境内ならひとまず安全みたい、とは言い添えたものの――]
…………?
[ 会話の途中、微かな魔力の波動を感じて瞬きする。
その方向と距離の近さに、私は抵抗を"放棄"した。
だから未だ視界には、"相談をじっと聞いている"片倉待雪の像が映っていた。]
[ 数秒して、あれ、という困惑の声。
魔術が引き起こした錯覚は破れ、幻像が消える。]
まゆちゃん?
……え。今までそこで話、聞いてたんじゃないの、かな。
[ 彼女の不在。どういう意図を持ってかまでは分からない。
それでも、敵意を持ってこうしたのでは無かったのだろうと、私は信じている。]
―回想・了―
(306) 2016/06/19(Sun) 23時半頃